呪術廻戦
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設定や雑多メモ
呪いの花を咲かせて呪いを還す愛
死ぬまでに一体でも呪いを消すことが自分の存在価値だと思っていて、
時間を惜しんで退治に励む
高専に進んでもあまり出席しないで呪霊の討伐ばかりしていて、
ある日重めの任務が連続して再起不能に。
五条先生がいいタイミングで回収してくれたのでかろうじて息はあるけれど虫の息。
部屋まで送り届けられるけれど、玄関で置き去りにされる。
なんとか這いつくばって制服を脱ぎ、シャワーを浴び、部屋着を着たところで力尽きて横たわっていた。
翌日の授業は体術指南。主に野薔薇、あの子への特訓であり、
虎杖との組手をやらせていた中で、五条は恵に愛も参加させろと、呼んで来いと命じる。
女子の部屋に行くなら野薔薇に行かせろと断るが、体術訓練は野薔薇たち女子こそ受けるもので、
相手をしている虎杖は手が離せないし、恵は体術慣れているからお前しか空きがないと再度押されて、渋々恵は愛の部屋へ向かった。
入り口で管理人に声だけかけて愛の部屋の前まで行き、入り口を叩く。反応は無い。
ここの所連続して任務が入っていたと五条は言った、ならば疲れているだろうし休ませるべきだろうと思った恵はそのまま引き返そうとしたが、
念のためとドアノブを回すと、ドアはするりと開き、むせ返るような甘い花の香りが流れ込んできた。
開け放したドアの光刺すカーテンの奥、ぽつりぽつりと置き去りにされた制服の道しるべを辿った先、ぐったりと横たわる姿が見えた。
愛だ。思わず部屋に飛び込み、倒れる彼女を抱きかかえ、脈を取ると、かなりの衰弱が見られた。
「沢瀉!」
肌が透けるほどの薄手の白地のワンピースに透き通る部屋の明かりとが、彼女を一層儚くしていた。
軽く揺すって、ほどなく目を開けた彼女は長い睫毛を震わせながら、小さく、「伏黒くん、」と恵の名を呼ぶ。
状態を訊ねる恵に、呪力切れだと、肉体疲労もピークだと答える愛。
自分の体の中には呪いの花の種があって、呪力を餌に命を繋いでいる。
通常の回復量であれば十分に保てるが、疲労困憊で呪力の回復よりも種が呪力を食う量が勝ってしまっている。
このままでは…と恵に体重を預けて、幾度か呼吸を整えると、不意にひとつの頼みごとをするのだった。
「伏黒くんは呪力を分ける方法を知ってる?」
それは愛が五条にもしもの時の為にと教わっていた方法だった。
身体の中に直接体液を注ぎ込むことで、呪力補充が出来ると言うもの。
しかし呪力の質によっては適合せず、ショック症状を引き起こす可能性もある非常手段だった。
恵の持つ影の、陰の気はきっと自分に適合する…だってこんなにも私は伏黒くんの事を…。
もう一度恵の胸に頬を寄せて、愛は彼に乞うた。
「私をどうか助けて」
苦しそうに細い喉を震わせる愛を見て、恵は内心舌打ちをしていた。
いやにスムーズに寮母は自分をここまで通したし、思えば昨日の任務は五条先生が補助に入っていたはずだ。
満身創痍のこの状態の愛を連れて帰ったのは彼に違いない。
そしてこの状態を放置したのも、この事態を引き起こしたのも、俺をここに差し向けたのも、すべて五条悟の手の内で。
俺に何をさせたいのか、計り知れない。
けれど、今はただ、恐ろしいくらいに美しいこの級友を助けるためにと、その細い肩に顔を埋めた。
着床する前に種が食ってしまうから、と震える腕が回される。
ここまで自分を追い込んでまで呪術師を続ける理由を問うほど野暮ではないが、同い年というのに大人びた視線や身体、
どこか自分と似ているような昏い気配を無視できるほど、彼女は悪人でもなかった。
頑なな身体を引き裂いて事を進めれば、差し込む光の中でほろりと彼女は涙を流した。
好きでもない男に身体を引き裂かれるつらさはどんなにか、恵には想像が及ばない。
それでもこの美しい級友が、どうしようもなく愛しくもあって、それが恋だとは言えやしないが、恵は無心で愛を揺さぶっていた。
小さく息を吐き出す頻度が増えて、愛は目を開けて、恵の頬を包むと、小さく合図を口にする。
少しの後、彼女の中へと呪力が注がれた。
彼女の言う通り、注がれたそれはあっという間に種が食い尽くしてしまったらしい。
ゆるりと腹を撫で、適合するって確信があったの。そう言う級友が酷く艶めかしい。
けれどすぐに15の娘の表情に戻っては、悲し気に眉を寄せる。
「伏黒くんには好きな人がいるのに…こんなことをさせてしまってごめんね」そう言うと視線がそらされた。
恵自身に好きな人という自覚はないが、おそらくはあいつの事を言っているのだろうと理解する。
確かに、目が離せず気にかけていた。ふわふわとお人よしの優しい雰囲気は、姉の姿によく似ていた。
それが思慕なのか、恋情なのか、恵にはまだ分からない。ただ、目の前の女といるときに感じるものとは全く異なるものだということだけは分かっている。
あいつのことも、愛の事も、今すぐに答えが出る感情ではないが、
そこまで考えて恵は愛を抱き上げ、シャワー室へと向かう。太ももに滴る精液と破瓜の血とを流してやりたいと思った。
「…お前こそ女だし、嫌だっただろ、こういうのは―――」
シャワーを頭から二人で浴びて、抱きしめた腕の中の愛が震える。
あまりに綺麗なそれを見ていると、裸で触れ合っていても欲情が湧く事もなく、ただ大切にしなければいけないという加護欲だけが沸き上がってくるようだった。
自然な流れで唇を寄せて、啄むように重なって、離れる。
「伏黒くんだからだよ。私は伏黒くん以外は嫌だったよ」
助けに来てくれてありがとう。シャワーの音でかき消されたはずのそれは、確かに恵の耳に届いていた。
「(五条先生には敵わないなって思ったの)」
任務が終わって、さすがに連日の任務は重くて、けれども自分が望んだことだから助けてなんて言えなくて。
ここで終わるのは惜しくて、あと10年、長くて15年弱、呪霊を祓える時間があるのなら、私はまだ第一線に存在していたくて。
気付いたら「悟くん」と兄貴分の名を呼んでいた。
前々に呪力供給の話を聞いていたから、助け出されて部屋へ運ばれるまでの間、薄れ行く意識の中でも気が気ではなかった。
五条悟の呪力なら確実に適合するだろう、彼は目的の為ならきっとそれをためらう事は無いはずだし、私の呪霊をこれからも払いたいという希望も叶えてくれる。
けれども、けれども……瞼の裏に浮かぶのは大好きで大好きなあの人の姿だった。
私を愛してもいない、別の女の子をずっと見つめている大好きな人。
その瞳が自分に向けられる事なんて期待してなくて、その敵わない恋に心を裂く痛みさえも、私の呪力と化して花が咲くのだ。
全てが予定調和、だったらここで悟くんに抱かれるのだとしても、また一つ悲しみの種になるとして、私の糧になっていくのだ。そう思えば、諦められる気もした。
けれど、五条悟は私を抱かなかった。部屋に着いた途端、玄関先に私を下ろして、何かを一言。
意識がもうろうとしていた私には、それはもう聞き取れなかったけれど、なんだか、私の大好きな人の名前を…呼んでいた気がする。
結局あの後、恵君に呪力を分けてもらって、シャワーも浴びさせてもらって、私は体術訓練は休む事になった。
あとは体力回復をすれば元通りなので日が傾き始めた部屋の、ベットに横になって瞳を閉じる。
どことなくいつもと異なる気がするシーツの香りに、心地よささえ感じて、くたびれた身体はすぐに夢の世界へと船をこぎ始めた。
恵君、やっぱり私はあなたが好きです…。私の未来なんてどこにもないのに。
翌日、結局授業には出席しないまま、次の任務へ赴く事となった。
五条先生の招集に、職員室に向かって、応接ソファに腰かける。少しだけ、お腹が傷んだ。
「綺麗になったね、愛」
どうせ死んでしまうのだし、とオシャレに興味がない私を勇気づけるために五条が始めた声かけ週間。
顔を見る度に「愛は今日も可愛いね」と投げかけられてきたそれが、確信を得て言葉が変わる。
「上手くいったでしょ。もどかしくてさ、ごめんね。でも僕に抱かれるより恵のがよかったでしょ」
「ちゃんと適合しました…伏黒くんの影の質が闇の花にはすごく良かったみたいです」
「…私の呪力と混ざって、木陰のような心地がします」
光の当たらない花はただ枯れてくのを待つさだめ。私とていつも明るいものを願って、生きてきたつもりだ。
それがけれど、心から狂おしく欲するのは伏黒恵の影の質で、彼の内に広がる闇と悲しみとに惹かれて仕方が無いのだ。
私といても、それがただ深くなるだけなのに。
この後、彼女の30歳まで生きた人がいない家系の話から、恋愛はしないということを再度五条に告げ、
それを踏まえて五条から「子作りをしないか」という話を持ち掛けられる。
僕がその運命の呪いを解くのを手伝ってあげると。
たまたま廊下を通りかかった恵が割って入り、だったら俺にしろと愛をさらって部屋を出ていく。
その姿を見て五条は嬉しそうに瞳を細めるのだった。
恵が語る、子どもを勝手に作る身勝手さや、自分は母親になれても最後まで一緒に育てられない、
伏黒くんはあの子の事が好きなんでしょう、と二人の境遇を交えて泣いたり詰ったりを経て、恵が恋を自覚する。
呪術師やってたら、いつ死んだっておかしくない。生まれた子が同じ運命を持っていたとしても俺が育ててやると、
お前が好きだと伝えてくれる。
私は30歳まで生きられない、伏黒くんとあと15年も一緒にいられない、
産まれてくる子供も何年一緒にいられるか分からない、恋愛はもうしないって決めてるの、とわあわあ泣いて、
それでも一緒にいたいと5歳の頃初めて会った時からずっとずっと君だけが好きだったと、愛が恵を受け入れる。
子どもの名前は〇〇。顔立ちは呪いのとおり、愛の顔立ちとよく似ていた。
女子、顔立ち、そしてこれで呪霊が見えれば、この子も自分と同じ運命をたどる。
不安に揺れる愛を恵が支え、これまで通り呪術師としての生活を始める。
〇〇が10歳になったある日、家族で公園へ来ていた。
花に詳しい愛が〇〇に花を教え、恵が学術的な話を〇〇に伝える。
芝生を走って奥へ行く〇〇を見送って、「〇〇ももう10歳だね」なんて愛が笑う。
あと何年一緒にいられるかな、と淋しがる姿を見て、恵は〇〇を追って愛の前に出でる。
あの頃よりもずっと大きくなった背中を見つめる愛。
「あの頃はガキだったし…すべてが追い付いてなかった。式も挙げられなかったな」
「なあ、次の任務が終わったら……結婚式の写真でも撮るか」と恵。
恵からそんな言葉が出てきたことに驚く愛。
それを機に、伏黒くんはもうやめてくれ。お前ももう伏黒なんだ。
顔を染めて、嬉しそうに微笑む愛。
ああ、なんて幸せなんだろう……ねえ、
「恵くん、」
振り向いた恵が見たのは、膝から崩れ落ちる愛の姿。
瞬間的に身を翻し、彼女まで駆け寄る、〇〇の叫び声、芝生に横たわる愛の身体。
享年26歳 春仕舞い。