2人の雄英生〜I・アイランドでの夏休み〜(轟焦凍夢小説)
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「お待たせ致しましたわ〜!」
私とヤオモモが到着した時には、既に予定時刻よりも30分ほど遅れて居たが、みんな待っていてくれていた。
その中には焦凍の姿も…。
「みんな私のせいでパーティーに遅れてしまう結果になってごめんなさい…」
深々とみんなに頭を下げる。
すると、私の目の前に誰が立ったので顔を上げると、その正体は焦凍であった。
白基調のスーツに、青いシャツと赤のストライプ柄のネクタイ。
どれも端正な彼の顔にとても似合っており、見惚れてしまいそうで思わず目線を外した。
それにさっき何も言わずに出て行ってしまった事もまだ気まずい。
しかし彼はその事には触れず、ただ一言私に言った。
「…芽瑠、すげぇ綺麗だ。」
みるみるうちに、自分の顔が赤くなって行くのが分かり恥ずかしくなる。
上鳴くんも、ヒューヒューなんて言って茶化してくる。
「あ、ありがとう…」
小さくお礼を言うと、彼は続けた。
「実は、今日は…」
そう焦凍が口を開いた所で、自動ドアが開いたかと思えば、メリッサさんが現れた。
「あれ?デクくん達、まだここにいたの?パーティー始まってるわよ。」
メガネを外して、華やかなドレスを見に纏ったメリッサさんは先程の知的なイメージから、さらに美しく写って見えた。
そんな彼女を見て峰田くんと上鳴くんは「どーにかなっちまう」と感涙していたけど、響香ちゃんが呆れた顔で「どーにでもなれ」と言い放っていたので、私は思わず笑ってしまった。
「あ…ごめん。えと、焦凍何か言おうとしてなかった?」
「あぁ、実は…」
ピーーーーーッ
「何…⁈」
次はサイレンのような音によって、再び焦凍の言葉が遮られる。
「一体何が…⁉︎」
みんな慌てて、とりあえず一塊となる。
すると、アナウンスが流れた。
『I・アイランド管理システムよりお知らせいたします。警備システムよりI・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報を入手しました。』
「ば、爆弾⁉︎」
一同困惑する。
『I・エキスポは現時刻を持って厳重警戒モードに移行します。』
すると、次々とシャッターが降り、入り口が塞がり、電気も切れ、ロビーが薄暗くなった。
「わぁ?!全部閉まってもうた…」
お茶子ちゃんをはじめ、全員が戸惑いを見せていたが、その中でも、比較的落ち着いた様子の焦凍は携帯を確認する。
「携帯は圏内だ。情報関係は全て遮断されちまったらしい。」
「マジかよ…」
青ざめた様子の峰田くんを他所に、エレベーターを確認していた響香ちゃんがこちらを振り返った。
「エレベーターも反応ないよ。」
さすが科学発展の進んだ都市なだけあって、万が一の警備システムは厳重だ。
しかし、メリッサさんは何か引っかかったように考えていた。
「爆発物が設置されただけで警備システムが厳重になるなんて…」
その様子を見ていた緑谷くんは、飯田くんの元へと行く。
「飯田くん、パーティー会場へ行こう。」
「なぜだ?」
「会場にはオールマイトが来てるんだ。」
嘘!あの、オールマイトが…??
驚きもあったが、同時に彼が居れば安心とホッと肩を撫で下ろした。
しかし、緑谷くんは安心している…というよりは真剣な顔をしていた。
彼はメリッサさんに会場への案内を求め、緑谷くん、メリッサさん、索敵能力に優れた耳郎さんが向かった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
戻ってきた緑谷くん達から話を聞いた私達は唖然とした。
なんでもこのタワーはヴィランに占拠されており、この島いる人々全員が人質となっているらしい。
そして私たちの頼みの綱であったオールマイトまでもヴィランに身柄を拘束されてしまっているのだ。
オールマイトからは"逃げろ"と伝言を貰っているらしい。
それ程までに、事態は最悪である。
一連の話を聞いて委員長である飯田くんが初めに口を開いた。
「オールマイトからメッセージは受け取った。俺は言葉に従い、ここから脱出する事を提案する。」
それに対し、ヤオモモも頷き賛同した。
「私たちはまだ学生…免許もないのに闘うわけには…」
二人の意見は最もである。
「なら、脱出して外のヒーローに…!」
脱出して外にいるヒーローに助けを求める上鳴くんの、提案するもメリッサさんは首を横に振った。
「脱出は困難だと思う。ここはヴィラン犯罪を収容するタルタロスと同じレベルの防災設計で建てられてるから…」
「じゃあ大人しく待つしか…」
そう肩を落とす上鳴くんに響香ちゃんは強めの口調で言った。
「上鳴、それでいいわけ?」
「どう言う意味だよ…」
「助けに行こうとか思わないの?」
それを聞いていた峰田くんは、涙目で訴えた。
「おいおい!オールマイトまでヴィランに捕まってんだぞ!!オイラ達だけで助けに行くなんて無理すぎだっての!!」
「…」
私には全員の気持ちが分かる。
そりゃ助けに行けるなら行きたい。
けど…オールマイトまで捕まってしまうような敵に学生である私たちだけで立ち向かうなんて…
俯いていると隣で焦凍が口を開いた。
「俺達はヒーローを目指している。」
「でも…焦凍…私達は学生で…」
「だからって何もしないでいいのか?」
「それは…っ」
焦凍に遮るように言われてハッとした。
2つに分かれてしまった意見は1人の人物の発言によってまとめられる事になる。
「…助けたい。助けに行きたい!!」
強い覚悟を持った目でそう訴えたのは、緑谷くんだ。
「ヴィランと闘うつもりか?!USJで懲りてないのかよ!緑谷!!」
「違うよ峰田くん!僕は考えてるんだ。ヴィランと戦わずにオールマイトを、みんなを助ける方法を…」
そんな方法があれば、確かにここにいるもの全員が賛同するであろう。
しかし、それが難しいのが現実である。
そう思われたのが…
「ヴィランがシステムを掌握しているのなら、認証プロテクトやパスワードは解除されているはず。私たちもシステムの変更ができる。ヴィランの監視を逃れ、最上階にある警備システムに行くことが出来れば…みんなを助けられるかもしれない…」
「メリッサさん…!」
希望が少し見えてきた。
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