2人の雄英生〜I・アイランドでの夏休み〜(轟焦凍夢小説)
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−エキスポ内オープンテラスカフェにて−
豊富なメニューの種類に私達は頭を悩ましていた。
「ん〜どれも美味しそうだなぁ、焦凍はどれがいい?」
「温かくない蕎麦はないのか?」
「…ないと思うよ。」
この人学食でもいつも蕎麦食べてるのに、海外に行ってまでも食べるつもりなの?
「そうか…」
焦凍はしゅんと肩を落としてしまった。
「て、店員さんにお蕎麦あるか聞いてみよっか。すみませ〜ん!」
「はーい」
「ご注文お伺いしますぜ〜」
「なんか聞いた事あるような声…」と振り返ると、そこに現れたのは、同じクラスの上鳴くんと峰田くんだった。
2人はウエイトレスのユニフォームに身を包んでいる。
「え、何で2人がここに?!」
「エキスポの間だけバイト募集してから応募したんだよ。な?」
「エキスポ見学できるし、給料貰えるしな!ただめちゃくちゃ忙しいのなんのって…!なのにオメーらは、呑気にデートかよ!」
下唇を噛む峰田くんに上鳴くんも続く。
「しっかし、橘はいいよな〜。エンデヴァーさんの息子とお付き合いなんて玉の輿じゃん!玉の輿!」
「…。」
上鳴くんがそう言ったのは、ちょっと茶化すつもりで、きっと悪気はなかったのだと思う。
そう頭で分かっては居ても良い気分がするものではなかった。
「…ごめん、焦凍。私、食欲なくなっちゃった。」
「…具合悪いのか?」
相変わらず鈍感な様子に呆れるが、とりあえずすぐにその場を離れたかったので、彼の手を引っ張ってエキスポから出た。
「…良かったのか?食った後、エキスポの展示も見るんじゃなかったのか。」
「うん、明日行こ。」
「分かった。」
何も考えずに、焦凍の手を引っ張って来てしまった場所は浜辺だった。
押し寄せては引いていく波をボーッと眺める。
何故私が上鳴くんの言葉をここまで間に受けているかと言うと、私自身が、最も気にしていた事だからだ。
分かっている。
私が焦凍と釣り合わないことなんて。
クラスでも成績も実力もトップで、将来期待されている彼に対して、私は成績も実力もパッとしない。
「はぁ」と、大きなため息をつくと私の手にそっと焦凍は手を重ねた。
「へ⁉︎」
あまりに突然のことで手を引っ込めてしまった。
「悪ぃ。嫌だったか?」
ケロリとした表情に反して、私の心臓はドキドキと脈を打っている。
付き合って約2ヶ月にして、初めて手に触れた。
「だ、ダメじゃないけど…あまりにも急で…」
「なら…」
彼は私の左手を握った。
長くて綺麗な指を私の手に絡ませて、恋人繋ぎの状態になる。
顔が熱い…絶対に真っ赤だ、見なくても分かる。
「芽瑠。」
名前を呼ばれて振り向くと、至近距離にある彼の顔。ガラス玉みたいに輝くオッドアイの瞳に吸い込まれそうになる。
「さっきの上鳴の言った事は、気にするな。」
「気付いてたんだ…」
鈍感だなんて思ってごめん。
「でも、間違ってないよ。期末テストだって、焦凍とヤオモモとペアだったから、私もついでに受かったようなもんだし…」
「そうか?あれは芽瑠のフォローもあってだろ。」
焦凍の反対の手が私の頬に触れる。
出会った頃の焦凍は、正直凄くツンツンしていて、まさしく一匹狼って感じだったのにいつの間にかこんなに優しい表情をする様になったんだ。
私は焦凍の恋人なのに、まだまだ知らない一面ばっかだな。
「ありがとう、焦凍。」
段々と太陽が西の海へと沈んでいって空も暗くなってきた。
「そろそろホテルに戻るか。明日はパーティーもあるし、クラスの奴らも到着するみたいだしな。」
「うん、そうだね!」
私は、焦凍の右手を握り返す。
私たちは手を握ったまま、ホテルへと戻った。
今日は、良い日になった。
上鳴くんには…少し言いすぎちゃったな。
明日謝ろう。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「あ〜、良いお湯だった。」
ホテル内の大浴場で、風呂を済ませた私は、焦凍の待つ部屋へと戻っている。
食事も済ませたので後は寝るだけだ。
部屋へと入ると、大きなキングサイズのベッドが目に入る。そうだ、忘れてた。…ベッド1つしか無いんだ。
躊躇う私とは反対に焦凍は本を読むのを辞めて、ベッドへと入った。
「寝ないのか?」
「ね、寝るけど…その、恥ずかしいというか…」
その場で立ち止まっていると、焦凍は私の手を引いてベッドへと連れていった。
「電気消すぞ」
そう言って彼はベッドの近くにある照明以外の電気を消してしまい、一気に辺りが暗くなった。
ベッドの中で向かい合う状態になると、恥ずかしくて目線を逸らしてしまう。
正面にいる焦凍からはお風呂上がりのいい香りがする。
すると、突然焦凍は私の上へと覆いかぶさるような体勢になった。
「え、え?!」
戸惑う私は、今日1日で急発展していく状態に頭が追いついて行かない。
焦凍の顔がどんどん私に近づく。
(ま、ままさか…これは…キス…される⁈⁈)
「し、しょうと…!ちょっと待って!!」
私は彼にストップを掛ける。
「ねえ、焦凍…キスする前に私の質問に答えて」
「質問…?なんだ。」
「私の…どこが好きなの…?」
これは彼に対して最も疑問に思っている事である。
何故、焦凍みたいな人が、私なんかのことが好きになったのか。
私は自信が持てないのだ。
だから、単なる自己満だけど…ずっと聞いてみたかった。答えて貰ったら、ほんの少しだけ自信が持てる気がしたから。
「好きなとこ…か。」
彼は少し考える素振りをした。
私も彼が答えるのをじっと待つ。
その時だった。
焦凍の携帯に着信が入った。
「悪ぃ…ちょっと出てくる。」
焦凍は、携帯を持って部屋を出て行ってしまった。
「…。」
私は見てしまった。
着信の相手に"八百万百"と表示されてたことを。
彼の少し慌てた様子から、相手がバレるのは不味かったのだろうか。
「よりによって、ヤオモモか…」
付き合う前は、焦凍とヤオモモはお似合いだの、お互い好きなんじゃ無いかなどと、噂されていた。
そんな相手からの着信だなんて、余計自信無くす。あーあ、せっかく思い出に残る日になると思ったのに。
暫くして、焦凍が部屋に戻ってきた。
「…悪ぃ、芽瑠、親父から連絡があって…って、寝てるのか?」
私は、背を向けて寝たふりをした。
焦凍はそんな私の見て、寝た事を確認すると、布団を掛け直して「おやすみ」と声を掛けた。
そんな彼に対して私は…
(嘘つき…)
心の中でそう呟いた。
豊富なメニューの種類に私達は頭を悩ましていた。
「ん〜どれも美味しそうだなぁ、焦凍はどれがいい?」
「温かくない蕎麦はないのか?」
「…ないと思うよ。」
この人学食でもいつも蕎麦食べてるのに、海外に行ってまでも食べるつもりなの?
「そうか…」
焦凍はしゅんと肩を落としてしまった。
「て、店員さんにお蕎麦あるか聞いてみよっか。すみませ〜ん!」
「はーい」
「ご注文お伺いしますぜ〜」
「なんか聞いた事あるような声…」と振り返ると、そこに現れたのは、同じクラスの上鳴くんと峰田くんだった。
2人はウエイトレスのユニフォームに身を包んでいる。
「え、何で2人がここに?!」
「エキスポの間だけバイト募集してから応募したんだよ。な?」
「エキスポ見学できるし、給料貰えるしな!ただめちゃくちゃ忙しいのなんのって…!なのにオメーらは、呑気にデートかよ!」
下唇を噛む峰田くんに上鳴くんも続く。
「しっかし、橘はいいよな〜。エンデヴァーさんの息子とお付き合いなんて玉の輿じゃん!玉の輿!」
「…。」
上鳴くんがそう言ったのは、ちょっと茶化すつもりで、きっと悪気はなかったのだと思う。
そう頭で分かっては居ても良い気分がするものではなかった。
「…ごめん、焦凍。私、食欲なくなっちゃった。」
「…具合悪いのか?」
相変わらず鈍感な様子に呆れるが、とりあえずすぐにその場を離れたかったので、彼の手を引っ張ってエキスポから出た。
「…良かったのか?食った後、エキスポの展示も見るんじゃなかったのか。」
「うん、明日行こ。」
「分かった。」
何も考えずに、焦凍の手を引っ張って来てしまった場所は浜辺だった。
押し寄せては引いていく波をボーッと眺める。
何故私が上鳴くんの言葉をここまで間に受けているかと言うと、私自身が、最も気にしていた事だからだ。
分かっている。
私が焦凍と釣り合わないことなんて。
クラスでも成績も実力もトップで、将来期待されている彼に対して、私は成績も実力もパッとしない。
「はぁ」と、大きなため息をつくと私の手にそっと焦凍は手を重ねた。
「へ⁉︎」
あまりに突然のことで手を引っ込めてしまった。
「悪ぃ。嫌だったか?」
ケロリとした表情に反して、私の心臓はドキドキと脈を打っている。
付き合って約2ヶ月にして、初めて手に触れた。
「だ、ダメじゃないけど…あまりにも急で…」
「なら…」
彼は私の左手を握った。
長くて綺麗な指を私の手に絡ませて、恋人繋ぎの状態になる。
顔が熱い…絶対に真っ赤だ、見なくても分かる。
「芽瑠。」
名前を呼ばれて振り向くと、至近距離にある彼の顔。ガラス玉みたいに輝くオッドアイの瞳に吸い込まれそうになる。
「さっきの上鳴の言った事は、気にするな。」
「気付いてたんだ…」
鈍感だなんて思ってごめん。
「でも、間違ってないよ。期末テストだって、焦凍とヤオモモとペアだったから、私もついでに受かったようなもんだし…」
「そうか?あれは芽瑠のフォローもあってだろ。」
焦凍の反対の手が私の頬に触れる。
出会った頃の焦凍は、正直凄くツンツンしていて、まさしく一匹狼って感じだったのにいつの間にかこんなに優しい表情をする様になったんだ。
私は焦凍の恋人なのに、まだまだ知らない一面ばっかだな。
「ありがとう、焦凍。」
段々と太陽が西の海へと沈んでいって空も暗くなってきた。
「そろそろホテルに戻るか。明日はパーティーもあるし、クラスの奴らも到着するみたいだしな。」
「うん、そうだね!」
私は、焦凍の右手を握り返す。
私たちは手を握ったまま、ホテルへと戻った。
今日は、良い日になった。
上鳴くんには…少し言いすぎちゃったな。
明日謝ろう。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「あ〜、良いお湯だった。」
ホテル内の大浴場で、風呂を済ませた私は、焦凍の待つ部屋へと戻っている。
食事も済ませたので後は寝るだけだ。
部屋へと入ると、大きなキングサイズのベッドが目に入る。そうだ、忘れてた。…ベッド1つしか無いんだ。
躊躇う私とは反対に焦凍は本を読むのを辞めて、ベッドへと入った。
「寝ないのか?」
「ね、寝るけど…その、恥ずかしいというか…」
その場で立ち止まっていると、焦凍は私の手を引いてベッドへと連れていった。
「電気消すぞ」
そう言って彼はベッドの近くにある照明以外の電気を消してしまい、一気に辺りが暗くなった。
ベッドの中で向かい合う状態になると、恥ずかしくて目線を逸らしてしまう。
正面にいる焦凍からはお風呂上がりのいい香りがする。
すると、突然焦凍は私の上へと覆いかぶさるような体勢になった。
「え、え?!」
戸惑う私は、今日1日で急発展していく状態に頭が追いついて行かない。
焦凍の顔がどんどん私に近づく。
(ま、ままさか…これは…キス…される⁈⁈)
「し、しょうと…!ちょっと待って!!」
私は彼にストップを掛ける。
「ねえ、焦凍…キスする前に私の質問に答えて」
「質問…?なんだ。」
「私の…どこが好きなの…?」
これは彼に対して最も疑問に思っている事である。
何故、焦凍みたいな人が、私なんかのことが好きになったのか。
私は自信が持てないのだ。
だから、単なる自己満だけど…ずっと聞いてみたかった。答えて貰ったら、ほんの少しだけ自信が持てる気がしたから。
「好きなとこ…か。」
彼は少し考える素振りをした。
私も彼が答えるのをじっと待つ。
その時だった。
焦凍の携帯に着信が入った。
「悪ぃ…ちょっと出てくる。」
焦凍は、携帯を持って部屋を出て行ってしまった。
「…。」
私は見てしまった。
着信の相手に"八百万百"と表示されてたことを。
彼の少し慌てた様子から、相手がバレるのは不味かったのだろうか。
「よりによって、ヤオモモか…」
付き合う前は、焦凍とヤオモモはお似合いだの、お互い好きなんじゃ無いかなどと、噂されていた。
そんな相手からの着信だなんて、余計自信無くす。あーあ、せっかく思い出に残る日になると思ったのに。
暫くして、焦凍が部屋に戻ってきた。
「…悪ぃ、芽瑠、親父から連絡があって…って、寝てるのか?」
私は、背を向けて寝たふりをした。
焦凍はそんな私の見て、寝た事を確認すると、布団を掛け直して「おやすみ」と声を掛けた。
そんな彼に対して私は…
(嘘つき…)
心の中でそう呟いた。