真実
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「貴様はかつてアンドルフおじさんの元に居たらしいな」
「……それが、何」
そうぶっきらぼうに言ったものの、正直心中で動揺していた。
彼が言っている事は事実。ランス・フロートという白栗鼠の少女は、かつてベノム軍皇帝──アンドルフの元に居た。
そしてこれを知るのは、極少数の者だけ。仲間であるスターウルフの中でもウルフしか知らない秘密の事情なのだ。それなのに……。
何故、何処で、彼は知った?
「アンドルフおじさんは貴様の左眼に、ある重要な電子チップを埋め込んだ。そしてこの事は軍内でも超の付く機密事項として処理される事になる」
要するにアンドルフは、ランスを電子チップを守る為の器として選んだ。
そして現在、何者かがその電子チップを欲しいが為に彼女の左眼を失明させた、という事なんだろう。
「そんな話は聞きたくない。直接、僕の左眼を失明させたのは一体誰だ?」
「ピグマだ」
それを聞いた途端、不思議な事にふと脳裏に走馬灯のように忘れていた記憶が蘇る。
『その左眼は、物凄い大金に換わるんや』
『ホンマ、お前の中に残しとくなんて宝の持ち腐れやで』
すると、激しい頭痛がランスを襲う。
目醒めろ、我が兵器よ。
「うぁ……っ!」
ランスはあまりの激痛に頭を抱え、うずくまってしまう。
「……話は本当だったのだな」
オイッコニーは、ランスの様子を見て驚いていた。こういう事になると、此処に来る前からピグマに聞かされていたのだろう。
「うあぁぁぁぁあああ゛っ!!」
激しい頭痛。過去の痛み。
それらが彼女を狂気へと導いているに違いない。
これが、事の始まり。
それからプツンと、ピアノ線が切れるようにランスの意識は無くなった。