真実
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「……居ない」
翌朝。起きてすぐにコモンルームに来たランスだったが、あの三人は居なかった。
そういえば真夜中から任務が有るとか言って、早めに仮眠を摂っていたのを思い出した。
「という事はまた留守番か。つまんないの」
少し機嫌を損ねて、メインフロアへと向かう。
しかし、雇われ遊撃隊には必須な空中戦が苦手な為に任務に連れて行き辛いのは、彼女自身も分かっている。
「また守るか」
言いながら、サルガッソーコロニーにスターフォックスが来た時の事を思い出す。
ランスは密かに彼等にまた会いたいと思っていた。暇さえあれば自分から出向くのだが、生憎〔あいにく〕留守番という仕事があるので、なかなか行けないのだ。
「……そういや、左眼」
ランスは黒眼帯の上から、覆うように左眼に手をあてた。
スターフォックスの印象が記憶に残り過ぎて、左眼が失明した事や記憶喪失の事をすっかり忘れてしまっていた。
どうして失明したのだろう。
一週間の意識不明状態。
部分的な記憶喪失。
この二つから考えると、絶対に大切な事を忘れてしまっているに違いない。
「あの時、一体何が……」
「教えてやろうかぁ?」
「!」
聞き覚えのある声が、メインフロア内に響き渡った。
この上から目線な物言い、ランスの知る人物の中では一人しか居ない。
「……オイッコニー。コソコソ隠れてないで、出て来いよ」
ランスが溜息混じりに言うと、吹き抜けた上階フロアから飛び降りて着地をしたのは、アンドリュー・オイッコニーという長身の猿男。
元々はスターウルフの初期メンバーだったのだが、その性格や実力を見限られてしまい、追放されてしまったのである。
「相も変わらず無愛想な小娘だな~」
「何しに来た?」
「フン。本来ならば此処にはピグマが来るはずだったのだ。しかし、この前のアパロイドとやらに侵食されたせいでそんな場合ではなくなったと。そこで、私が仕方なく奴の代理を引き受けて此処に居るという訳だ!」
スターフォックスと出会ったあの日から数日後、ピグマはアパロイドに侵食された後に行方不明になっているとランスはウルフから聞かされていた。
正直、今はもう仲間でも何でもないから、彼がどうなろうと知った事ではないが。
「で? 左眼失明の理由をキミは知ってるの?」
「あぁ知ってるとも! 私もピグマから聞かされた時はまさかと思ったがなぁ」
「何で、僕の左眼は──」