第三話
夢小説設定
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振り返ってすぐに銃を構える。
それからランスは静かに尋ねた。
「……誰」
其処に居たのは、狐の青年。
マシンガンを手に持ち、あちらもこちらに向かって構えていた。
「スターフォックスリーダー、フォックス・マクラウドだ」
「僕を殺しに来たのかな」
「俺達に戦う意志は無い。ピグマを引き渡して欲しい。ただ、それだけだ」
「無理だ、と言ったら?」
「……力尽くでも出してもらう」
「フフ、上等」
言って、即座に動いた。
二丁拳銃のもうひとつの片割れも取り出しながら、疾(はし)った。
「!」
青年、フォックスも臨戦態勢に入る。
ランスは壁を思い切り蹴ると、ふわりと宙を跳ぶ。
そこから舞うかのように銃弾を二発、三発と撃ち込む。
しかしフォックスはそれを軽々と躱(かわ)していく。
一度、地に着く。そして隙も与えずにもう一度跳ねた。
「させるか!」
フォックスも反撃する。
彼はマシンガンを空中にいるランスに向かって放つ。
連撃に優れたマシンガンは音を鳴り止む事がない。
咄嗟に身体を縮める。が、宙ではそれ以上の動きは出来ない。
故に彼女へマシンガンの弾が数発的中する。
「くっ……!」
痛みに耐え兼ね、地に落ちる。
それと同時に重力による更なる痛みも重なった。
「……っ」
「さぁ、話してもらおう。ピグマは何処だ」
カツ、カツと靴音を鳴らしながら近付きがらそう言うと、額にマシンガンを向けられる。
「断る。面倒事は御免なんだ」
「面倒事?」
「奴が関わってる案件には関わりたくない。そういう意味だよ」
「だけど、こっちはそうはいかないんだ。早く〈コアメモリ〉を手に入れないと大変な事になる」
「コアメモリ?」
「アパロイドがこの宇宙を襲撃してるのは知っているね?」
「……そういえば」
数日前。アパロイドという生命体がライラットの宇宙にやって来て、現在もあちこちの惑星を襲撃しまくっているという情報を聞いていた。
スターフォックスはその関連でピグマを探している、という事だろうか。
「そのアパロイドを倒すべく、俺達は動いている。しかし、途中でピグマが邪魔立てをして来てね」
「またアイツは何を企んで」
やはりそうだ。アイツはロクな事をしない。
今回もどうせ大儲け出来る、と思って動いてるんだろう。
馬鹿の一つ覚えか。
「だから、ピグマの居場所を教えてくれ。一刻を争うんだ」
真剣な表情でフォックスは言った。
アパロイド。そんな奴等にスターフォックスが負けでもしたら、ウルフはきっと憤るだろう。
それに、個人的に気に食わないピグマの仕業で、奴の思い通りになってしまってはこちらも面白くない。そうなるならば。
「……此処には、もういないよ」
「何!?」
「何処に行ったかは僕も知らないけど。ならず者達が追い出したってさ」
ランスは正直に話した。
彼らは確かに今は敵だが、まだ倒すべき相手ではない。
それにスターウルフが不在のこの状況で、スターフォックスに深手を負わせようものなら、「余計な真似はするな」と後でウルフにどやされそうだったから。
「……そうか。ありがとう。君なら教えてくれるって信じてたよ」
言って、フォックスは微笑む。
それから、静かにマシンガンを下ろした。
「勘違いしないで欲しいな。僕はリーダー達を思って言ったまでだよ」
「リーダー?」
「そうだよ。このサルガッソーコロニーを統べる、スターウルフのリーダー」
「!」
気配もなく、フォックスの背後に大柄の影が浮かぶ。
そして静かに彼の頭部に銃口をあてる。
「お前の好敵手、このウルフ様だ」