第三話
夢小説設定
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サルガッソーのメインフロアは天井まで高く吹き抜けている上に、とてつもなく広い。
その為、戦い慣れた者を捕らえるには、時間と知恵を必要とされてしまうのが難点だった。
「くそ……っ、スターフォックスめ!」
ウルフ達に厳しく訓練されてきたならず者達でさえ、こうして手こずってしまっている。
相手は宇宙の英雄と呼ばれた者達である。
ならず者達が次々と、倒れていく。
「やっぱり、やり手だね」
ランスは最上階にあるメインコンピュータ室に居た。画面に映し出されるカメラ映像からスターフォックスの様子を見ていた。
ウルフ達が手こずる程の相手だと知ってはいたが、まさかこんなにも早く味方が倒されるとは思ってもみなかった。
「空は?」
「制空権を取られ掛けています!」
「全く、あのデカイ戦艦は見た目だけ?」
言って、大きな溜息を吐くとホルダーに仕舞っていた二丁拳銃の片割れをくるくると巧みに回して手に持った。
「ランス嬢、こんな所にいてはあなたまで殺られてしまいます!」
「大丈夫」
「しかしっ──」
「君達が思ってる程、僕は柔(やわ)じゃない。それより医務室の方はどうなってるの?」
「負傷者多数。ただ、急所は全て避けられているようで」
「ふーん。甘く見られてるのかな」
言って、ランスは入力装置を慣れた手つきで操作する。
すると、内部の映像からサルガッソーコロニーの周辺の宇宙(そら)が映し出された。
其処には空を切り裂くように飛行し、サルガッソー側の戦闘機を撃墜していく二機の敵機。
「戦い慣れてるって感じだね」
一息吐いて、周りを見回す。
「君、確か応急処置要員だったよね。だったら、重傷者優先で手当てして来てあげてよ。空ではともかく、僕は地上では無敵だから、さ」
「!」
ならず者は思い出していた。
そうだ、彼女は幼少期から親分に育てられている。
そんなにすぐやられる訳がない。
それに、強化訓練にだって何度も顔を出していて、射撃に関しては教官として立っているくらいだ。
何を心配する必要がある?
「ほら、行って?」
「俺、行きます……ご武運を!」
ランスの言葉を信じてくれたらしい。
心配をしていたならず者はメインコンピュータ室から退出して行った。
「……ありがとう」
周囲の銃撃音に掻き消されてしまう程の、小さな囁きだった。
それから数十秒後だ。
再度、メインコンピュータ室の自動扉の開く音がした。
だが、今度は味方の気配じゃない。
──スターフォックスだ。