スターフォックス(前編)
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断片的に失われている記憶を、ランスは全く思い出せていなかった。
そう簡単に思い出せるのなら、こんなにも悩む必要は無いのだけれど。
記憶の真実を知っている様子であったウルフに一度だけ聞いてはみたのだが、
「いずれは話してやるよ」
と、先延ばしにされてしまう始末だった。
ランスとしては、早く失われた記憶の真実を知りたいと思っている。なのに彼はまるでそれを隠すように、話す事を拒否している。
そんなにも重要な事を忘れているのか、はたまたランスには話せないような内容なのだろうか。
気になって仕方がなかった。
「あれ、リーダー達は?」
いつも居るはずのコモンルームには、手下のならず者が一人だけ居るだけで、ウルフ達の姿は見当たらなかった。
「お留守ですよ。内容は極秘、との事なので」
ランスの疑問に、彼が答えた。
自分もスターウルフの一員のはずなのに、どうして極秘なのだろう。
最近、任務の内容はいつも極秘だと言われ、その一切の事を教えてくれない。
何もかもを隠したがる。
記憶も任務も。
「いつかキレてやる」
「へ? 何がっスか?」
突然の彼女の発言に、きょとんとするならず者。
「あ、何でもない」
思わず本音を言葉にしてしまった。彼は全く関係の無い猿なので取り繕っておいた。
訳も何も分かっていない手下のならず者は、頭に『?』をたくさん浮かべている。
「気にしなくて良いよ。それよりも、スターフォックスが来るらしいね」
「ええ。どうやらピグマという人物を捜しているらしく」
「ピグマ……」
ランスはその人物を知っていた。覚えていたくはないのだが、厭でも覚えている。
ピグマ・デンガー。
かつてはスターウルフに所属していたパイロットで、一流メカニックも兼任していた男。
だが彼は尋常ではない強欲さを持ち、金の為なら信用をも捨てる。きっと人徳は無いに近いだろう。
だからこそ今はウルフに追放され、スターウルフには在籍していない。
「ランスさんも奴を知ってるんスか?」
「大っ嫌いだけどね。で、アイツは此処に来たの?」
「あ、はい。しかし不審者と思ったので、追い出しちまったんスよ」
「へぇ~……」