第三話
夢小説設定
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Episode.3
「あれ、リーダー達は?」
朝。目が覚めて共有ルームに行くと、手下のならず者が数人掃除をしているだけで、いつもならば居るはずのウルフ達の姿は見当たらなかった。
「お留守ですよ。内容は極秘、との事で」
ランスの疑問に、近くに居たならず者が答えた。
「そっか。仕事なら仕方ないか」
「何かご用件でも?」
「いや、特には。それよりも、もうすぐスターフォックスが来るらしいね」
「ええ。どうやらピグマという人物を捜しているらしく」
「ピグマ……?」
ランスはその人物を知っていた。
覚えていたくはないのだが、厭でも覚えている。
思い出すと虫唾が走る程に。
「ランス嬢も奴を知ってるんスか?」
「うん、大っ嫌いだよ。で、アイツは此処に来たの?」
「あ、はい。どうやら親分やランス嬢に用件があったみたいなんすけど。しかし不審者と思ったので、追い出しちまったんスよ」
「へぇ~……」
自然と口角が上がってしまっていた。
ランスもピグマの事をかなり嫌悪している。今も昔も。
そんな彼が不審者扱いされるとは、彼女にとっては愉快以上の何物でもない。
金にばかり執着し、人の信頼を裏切り過ぎているからこんな展開になったら喜ばれる。
ざまぁみろ。
もっとも、彼の性格を考えると全く気にしてもなさそうだが。
「でも、それならスターフォックスは来る必要は無いんじゃ?」
「奴等はピグマを追い出した事を知りません。だから、此処に居ると思って来やがると思います」
スターフォックスは、ずっとスターウルフの好敵手である同業チーム。特にウルフはそう思っているらしい。
ランス自身は彼らにまだ会った事はないのだが、ウルフ達が随分と手こずっているのをよく知っている。
まさかピグマは、そのスターフォックスにも何か仕掛けたのだろうか。
敵とは言え、大嫌いな彼に何かされていたのなら哀れな話だ。
「じゃあ、準備しようか」
「え……まさか」
「彼らに一度会ってみたかったんだ。僕も行く」
言って、ランスは笑みを浮かべる。
そして、共有ルームから嬉しそうに出て行った。
「あっ! でもランス嬢が何処か怪我でもしちまったら、俺が親分に半殺しにされちまう……って、聞いてないっすね!!」
その場でがくりと項垂れる、ならず者であった。