◆月の姫君
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会計委員会に、神崎左門だけが一向に現れないのは毎度のことだ。
潮江文次郎は田村三木ヱ門に探しに行かせたのだが、三木ヱ門が見つけてきた左門はなぜか鈴音も一緒に連れて来ていた。
潮江「左門、どうした。なぜ鈴音を連れてきたんだ。」
左門「潮江先輩、大変なんです!一大事なんです!」
左吉「三木ヱ門先輩。一体何が一大事なんですか?」
三木「それが、私もまだ詳しい話を聞いてなくて。」
左門の話では、ここに来るまでに迷っていたら悲しそうに俯く鈴音に出会ったのだという。
どうしたのかと聞いても黙ったままの彼女を置いていけず、手を掴んで強引にひっぱりまわしていたらしい。
三木ヱ門に発見されてからもずっと、左門は彼女の手をしっかり掴んでいた。
三木「そうだったのか。鈴音、私も今のお前を見て何もないとは思えない。」
左吉「よければ話してくれませんか。心配なんです。」
『・・・私、帰らなくちゃいけないんです。』
会計委員「「え!?」」
鈴音の話は複雑だったが、潮江達は大体を理解した。
彼女は元々別世界の住民で、この世界で十分に成長したために元の世界に戻ることになってしまったのだという。
普通ならば信じがたい話ではあるが、彼女の存在そのものがこの世のものとは思えないものだったのだ。
おそらく本当なのだろう。
団蔵「そんな、嫌だよ!土井先生や、きり丸はどうするの?」
話を聞いて悲しくなった団蔵は、目に涙をいっぱい溜めて鈴音に飛びついた。
他の委員会のメンバーも、彼女のあまりに衝撃的な話に呆然としていた。
そのまま団蔵は顔から出るものを全部出して泣きつく。
団蔵「どっか行っちゃうなんて言わないで、ずっとここにいてください!」
『でも私は、ここにいちゃいけない人間で。』
潮江「お前はそれでいいのか?」
重苦しい顔をする鈴音。
潮江は、ゆっくりと彼女に近づいてその頭を撫でた。
潮江「忍のように、お前もいろいろと事情があるんだろう。俺はお前がそうしたいと言うのなら別に止めようとは思わない。だが、そうではないんだろう?」
『潮江さん。でも。』
潮江「たしかにお前は奇妙で怪しくて、いろんな奴に迷惑をかけてるようだがな。他にも変な奴はいるし、誰だってなんかしらの迷惑をかけてるもんだ。」
左吉「そうですよ!それに、嫌なのに別れなきゃいけないだなんておかしいです。」
鈴音は自分にくっついている団蔵を含めた全員を見回す。
潮江「無理やりお前を連れ出そうとする奴なんか振り払ってやる。この俺を信用しろ、鈴音。」
三木「私達に任せてください!ユリコも黙ってませんから!」
『皆さん・・・。はい!私、皆さんを信じます。ありがとうございますっ潮江さん!』
団蔵をくっつけたまま、今度は鈴音が潮江に飛びついた。
まさか抱きつかれるとは思っていなかった潮江は受け止めつつも動揺する。
潮江「ま、まったく。しょうがない奴だ。おいお前ら!そうと決まったら今日は作業の前に一度気合を入れるぞ。しっかりついて来い!」
100キロ算盤を持って走り出した潮江に、他の後輩も慌ててついて行く。
そんな会計委員を見送った後、鈴音は再び夜空を見上げた。
悩みも悲しみも振り払った彼女は、月を瞳に映したまま明るい笑顔を浮かべるのだった。
潮江文次郎は田村三木ヱ門に探しに行かせたのだが、三木ヱ門が見つけてきた左門はなぜか鈴音も一緒に連れて来ていた。
潮江「左門、どうした。なぜ鈴音を連れてきたんだ。」
左門「潮江先輩、大変なんです!一大事なんです!」
左吉「三木ヱ門先輩。一体何が一大事なんですか?」
三木「それが、私もまだ詳しい話を聞いてなくて。」
左門の話では、ここに来るまでに迷っていたら悲しそうに俯く鈴音に出会ったのだという。
どうしたのかと聞いても黙ったままの彼女を置いていけず、手を掴んで強引にひっぱりまわしていたらしい。
三木ヱ門に発見されてからもずっと、左門は彼女の手をしっかり掴んでいた。
三木「そうだったのか。鈴音、私も今のお前を見て何もないとは思えない。」
左吉「よければ話してくれませんか。心配なんです。」
『・・・私、帰らなくちゃいけないんです。』
会計委員「「え!?」」
鈴音の話は複雑だったが、潮江達は大体を理解した。
彼女は元々別世界の住民で、この世界で十分に成長したために元の世界に戻ることになってしまったのだという。
普通ならば信じがたい話ではあるが、彼女の存在そのものがこの世のものとは思えないものだったのだ。
おそらく本当なのだろう。
団蔵「そんな、嫌だよ!土井先生や、きり丸はどうするの?」
話を聞いて悲しくなった団蔵は、目に涙をいっぱい溜めて鈴音に飛びついた。
他の委員会のメンバーも、彼女のあまりに衝撃的な話に呆然としていた。
そのまま団蔵は顔から出るものを全部出して泣きつく。
団蔵「どっか行っちゃうなんて言わないで、ずっとここにいてください!」
『でも私は、ここにいちゃいけない人間で。』
潮江「お前はそれでいいのか?」
重苦しい顔をする鈴音。
潮江は、ゆっくりと彼女に近づいてその頭を撫でた。
潮江「忍のように、お前もいろいろと事情があるんだろう。俺はお前がそうしたいと言うのなら別に止めようとは思わない。だが、そうではないんだろう?」
『潮江さん。でも。』
潮江「たしかにお前は奇妙で怪しくて、いろんな奴に迷惑をかけてるようだがな。他にも変な奴はいるし、誰だってなんかしらの迷惑をかけてるもんだ。」
左吉「そうですよ!それに、嫌なのに別れなきゃいけないだなんておかしいです。」
鈴音は自分にくっついている団蔵を含めた全員を見回す。
潮江「無理やりお前を連れ出そうとする奴なんか振り払ってやる。この俺を信用しろ、鈴音。」
三木「私達に任せてください!ユリコも黙ってませんから!」
『皆さん・・・。はい!私、皆さんを信じます。ありがとうございますっ潮江さん!』
団蔵をくっつけたまま、今度は鈴音が潮江に飛びついた。
まさか抱きつかれるとは思っていなかった潮江は受け止めつつも動揺する。
潮江「ま、まったく。しょうがない奴だ。おいお前ら!そうと決まったら今日は作業の前に一度気合を入れるぞ。しっかりついて来い!」
100キロ算盤を持って走り出した潮江に、他の後輩も慌ててついて行く。
そんな会計委員を見送った後、鈴音は再び夜空を見上げた。
悩みも悲しみも振り払った彼女は、月を瞳に映したまま明るい笑顔を浮かべるのだった。