◆月の姫君
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雷蔵「あれからすっかり大きくなったね。」
久作「見た目は雷蔵先輩ぐらいになりましたよね。そろそろ敬語を使うべきなんだろうか。」
『既に何人かには敬語を使われるようになってしまいました。』
忍術学園に来てから何日か過ぎ、鈴音は4、5年生ぐらいにまで成長していた。
ここ数日は体に変化は無く、おそらく今後は異常な速さで成長することは無いと判断され、心配していた保健委員を含めた学園の人間は皆、とりあえず安心できたのだった。
とはいえ、この間まであまりに小さかった女性だ。今の姿にどう対応すべきか迷う人もまだ多い。
怪士丸「きり丸としてはどうなの?」
きり丸「俺?鈴音のことは妹のように思ってたんだけど、何か今だと姉ちゃんみたいだなとは思う。」
『変な感覚だよね。私はまだお兄ちゃんって気分もあるんだけど、きり丸はどっちがいい?』
きり丸「え!?えっと、俺は、どっちでもいいけど。」
きり丸は困ったように照れ笑いをした。
長次「今日は、どんな本が読みたいんだ?」
『そうですねぇ。』
怪士丸「この本とかどうですかね。」
久作「今日は雷蔵先輩が本を読んであげるんでしたっけ。」
雷蔵「うん。だけど、大きさが前と違うから何だか照れくさいな。」
小さい体では本を読むのも難しかったので、鈴音が本を読む時はいつも図書委員が本を探して読んであげていた。
もうそんな必要はないのだが、大きくなってもきり丸が習慣としてやりたがったのもあって今でも図書委員全員の日課になっている。
鈴音としては一人でいろいろやってみたかったのだが、きり丸に頼まれては仕方が無いと諦めたのだった。
長次「ところで、鈴音。」
『何ですか?』
長次「お前は、急にどこかにいなくなったりはしないよな?」
『え?どうして、そんなこと。私は、もう小さくはないですし、これからどうなるかはわからないです。』
長次「そうか。・・・鈴音、お前はもう私達の仲間だ。何かあったらいつでも相談するといい。」
よさそうな本を見つけたのか、きり丸が鈴音に本を手渡す。
本を受け取る鈴音を、長次は黙って見つめた。
長次があんな質問をしたのは、とある書物のことを思い出したからだった。
異界から訪れた女性が、ある日突然帰ってしまうという物語。
その物語の女性に鈴音が重なる。
質問をしてからの彼女の態度に、長次はもしかしたらという疑いをはらすことができなかった。
久作「見た目は雷蔵先輩ぐらいになりましたよね。そろそろ敬語を使うべきなんだろうか。」
『既に何人かには敬語を使われるようになってしまいました。』
忍術学園に来てから何日か過ぎ、鈴音は4、5年生ぐらいにまで成長していた。
ここ数日は体に変化は無く、おそらく今後は異常な速さで成長することは無いと判断され、心配していた保健委員を含めた学園の人間は皆、とりあえず安心できたのだった。
とはいえ、この間まであまりに小さかった女性だ。今の姿にどう対応すべきか迷う人もまだ多い。
怪士丸「きり丸としてはどうなの?」
きり丸「俺?鈴音のことは妹のように思ってたんだけど、何か今だと姉ちゃんみたいだなとは思う。」
『変な感覚だよね。私はまだお兄ちゃんって気分もあるんだけど、きり丸はどっちがいい?』
きり丸「え!?えっと、俺は、どっちでもいいけど。」
きり丸は困ったように照れ笑いをした。
長次「今日は、どんな本が読みたいんだ?」
『そうですねぇ。』
怪士丸「この本とかどうですかね。」
久作「今日は雷蔵先輩が本を読んであげるんでしたっけ。」
雷蔵「うん。だけど、大きさが前と違うから何だか照れくさいな。」
小さい体では本を読むのも難しかったので、鈴音が本を読む時はいつも図書委員が本を探して読んであげていた。
もうそんな必要はないのだが、大きくなってもきり丸が習慣としてやりたがったのもあって今でも図書委員全員の日課になっている。
鈴音としては一人でいろいろやってみたかったのだが、きり丸に頼まれては仕方が無いと諦めたのだった。
長次「ところで、鈴音。」
『何ですか?』
長次「お前は、急にどこかにいなくなったりはしないよな?」
『え?どうして、そんなこと。私は、もう小さくはないですし、これからどうなるかはわからないです。』
長次「そうか。・・・鈴音、お前はもう私達の仲間だ。何かあったらいつでも相談するといい。」
よさそうな本を見つけたのか、きり丸が鈴音に本を手渡す。
本を受け取る鈴音を、長次は黙って見つめた。
長次があんな質問をしたのは、とある書物のことを思い出したからだった。
異界から訪れた女性が、ある日突然帰ってしまうという物語。
その物語の女性に鈴音が重なる。
質問をしてからの彼女の態度に、長次はもしかしたらという疑いをはらすことができなかった。