◆月の姫君
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庄左ヱ門「と、いう訳で。このたび学級委員長委員会でしばらく預かることになりました。」
『鈴音です。これからお世話になります。』
忍術学園に鈴音が来た時は、それはもう大騒ぎになった。
土井先生は彼女を連れて来たくは無かった。
しかし、小さく幼い彼女を誰もいない家に一人置いて置いてはいけない。
悩んだ末に学園長の提案で、鈴音も一緒に忍術学園にいることになったのだった。
鉢屋「こうして見ると、本っ当に小さいなぁ!」
彦四郎「でも、どうして僕達学級委員長委員会が預かることになったんですか?彼女は女性ですから、くの一教室であずかるべきでは?」
庄左ヱ門「忍者になる訳じゃないし、責任者は土井先生だからなるべく近くにいてもらうことになったんだって。」
彦四郎「だったら土井先生かきり丸が面倒を見ればいいんじゃ?」
庄左ヱ門「土井先生はほら、学園や火薬委員会での作業もあるし。きり丸はアルバイトがあるから。」
尾浜「つまり、二人のどちらかが迎えにくるまで俺達が彼女の忍術学園においての処遇とかについて話し合うってことだよ。学級委員長委員会の活動にピッタリだろ?」
鉢屋「くの一のとこに行かせないのは土井先生やきり丸の個人的な意見や学園長の思いつきだとは思うけどな。」
鉢屋は楽しそうに鈴音のことをつっついている。
『あの、私がいるのはご迷惑になるでしょうか?』
尾浜「そんなことないない!そうだろ?彦四郎。前に鈴音と会ってる一年は組が羨ましいって言ってたもんな。」
彦四郎「え!?あ、あの。」
彦四郎は顔を真っ赤にしてうつむいた。
たしかに、噂になっていた彼女には一度会ってみたいと思っていた。
だって普通じゃありえないほど小さい女の子なんて信じられなかったし、それをつれてきたのが一年は組だっていうし。
だから、こうしてこの委員会に来てくれて本当はすごく嬉しいんだけれども。
鉢屋「そういうことだ、これからよろしくな。しかし不思議なもんだなぁ。」
もし大きくなったらこんなところか?と、鉢屋は鈴音の顔を作ってみせる。
その完成度に驚きながら、鈴音は鉢屋の自分の顔と見つめ合う。
それを見た鉢屋は隙をついて一瞬で伝子さんに変えて、よりいっそう驚いた顔をした鈴音を見て大笑いした。
鉢屋「はははっ、かわいいなお前!」
尾浜「鉢屋、そんなにからかってやるなよ。」
鉢屋「せっかく面白い奴が来たんだ、からかわない方がおかしいだろ?」
『い、いじわるな人ですね。』
尾浜「悪いな。どうもこういうことをするのが好きな奴なんだ。あとで代わりに仕返ししておいてやるからな。」
庄左ヱ門「先輩、あんまりそういうことしてたら土井先生に言いつけますからね。」
鉢屋「ま、待てよ。冗談だって冗談。」
二人からの厳しい目線で、さすがの鉢屋も大人しくなった。
尾浜が何をするのかも怖かったが、彼女をきり丸と同じように大事にしているようだった土井先生に告げ口されるのは余計に恐ろしく思えたからだ。
尾浜「じゃあそろそろちゃんと始めようか。まずはそうだな、彼女の食事についてとか?」
鉢屋「最初っから地味だな。」
尾浜「何言ってるのさ、大事なことだろう?鈴音、遠慮しないでこのお菓子でもどうぞ。」
『あ、ありがとうございます。』