◆嫌われ夢
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・潮江文次郎の証言
くの一に有名な奴がいる。
名前は鈴音。
頭は良いし実技も得意な方だ。
だが、あいつを快く思っていない奴は多い。
・・・いや、おそらく誰もがあいつを嫌っているだろう。
俺もその一人である。
「貴様!また授業をサボったそうだな!!」
『あんたには関係ない。』
しれっとした態度のこいつが鈴音だ。
相手の嫌がることも平然とやるし、嫌味や暴言ばかり吐きやがる。態度も悪い。
おまけにまともに授業に参加していない。
それでも実力は劣らず、むしろ向上している。
なぜそれを断言できるかといえば、この俺が毎度こいつに戦いを挑んでいるからだ。
強い奴と戦いたいというのが一番の理由だが、きっかけは不真面目なこいつが気に食わなかったからだった。
「今日こそは勝つ!俺が勝ったらちゃんと授業を受けろ!!」
『面倒なのに。』
こうしていつものように俺と奴との戦いが始まる。
そして結果はまた同じ。
俺の負け、だ。
『弱い。あまりにも弱い。その程度の実力で偉そうな口を利かないで。』
どう戦っても俺が負ける。
最初負けた時はかなりショックだった。いくら優秀とはいえ性格の悪い奴に負けたことが悔しくて仕方なかった。
それから何度も戦いを挑んではいるが、毎回軽くあしらわれる。しかも奴は無傷でこっちはズタボロ。
そして奴は毎回、俺を馬鹿にして去っていく。
『そろそろ諦めてよ。無駄だってことわからない?』
「うるせぇ!今度こそ絶対ぎゃふんと言わせてやるからな。」
『懲りない人。・・・どうして。』
「?」
そう、いつもの鈴音だったら馬鹿にしてすぐに去っていくのだ。
いつもだったら。
『どうして諦めてくれないの。いい加減放っておいて。』
そう言って、奴は去った。その口調はいつもと違っていて。
「何でだよ!」
本当にお前はよくわからない。
ただ知っているのは、お前が隠れて鍛錬を行っていることぐらいだ。
偶然一度見かけたことがあるだけだが、その時の鈴音は普段と違って真剣で一生懸命だった。
新しい傷跡が増えていることから、おそらく今でも。
気に食わない奴ではある。
だが、影ながら努力をしている姿を見てからというものの、俺はあいつのことを放っておけなくなってしまった。
どうして怠けているふりをするんだ。
どうして嫌味ばかり言うんだ。
どうして今日はいつもと違って。
苦しげだったんだ。
あぁ、どうして
俺はこんなにも、お前のことが気になっているんだ。
くの一に有名な奴がいる。
名前は鈴音。
頭は良いし実技も得意な方だ。
だが、あいつを快く思っていない奴は多い。
・・・いや、おそらく誰もがあいつを嫌っているだろう。
俺もその一人である。
「貴様!また授業をサボったそうだな!!」
『あんたには関係ない。』
しれっとした態度のこいつが鈴音だ。
相手の嫌がることも平然とやるし、嫌味や暴言ばかり吐きやがる。態度も悪い。
おまけにまともに授業に参加していない。
それでも実力は劣らず、むしろ向上している。
なぜそれを断言できるかといえば、この俺が毎度こいつに戦いを挑んでいるからだ。
強い奴と戦いたいというのが一番の理由だが、きっかけは不真面目なこいつが気に食わなかったからだった。
「今日こそは勝つ!俺が勝ったらちゃんと授業を受けろ!!」
『面倒なのに。』
こうしていつものように俺と奴との戦いが始まる。
そして結果はまた同じ。
俺の負け、だ。
『弱い。あまりにも弱い。その程度の実力で偉そうな口を利かないで。』
どう戦っても俺が負ける。
最初負けた時はかなりショックだった。いくら優秀とはいえ性格の悪い奴に負けたことが悔しくて仕方なかった。
それから何度も戦いを挑んではいるが、毎回軽くあしらわれる。しかも奴は無傷でこっちはズタボロ。
そして奴は毎回、俺を馬鹿にして去っていく。
『そろそろ諦めてよ。無駄だってことわからない?』
「うるせぇ!今度こそ絶対ぎゃふんと言わせてやるからな。」
『懲りない人。・・・どうして。』
「?」
そう、いつもの鈴音だったら馬鹿にしてすぐに去っていくのだ。
いつもだったら。
『どうして諦めてくれないの。いい加減放っておいて。』
そう言って、奴は去った。その口調はいつもと違っていて。
「何でだよ!」
本当にお前はよくわからない。
ただ知っているのは、お前が隠れて鍛錬を行っていることぐらいだ。
偶然一度見かけたことがあるだけだが、その時の鈴音は普段と違って真剣で一生懸命だった。
新しい傷跡が増えていることから、おそらく今でも。
気に食わない奴ではある。
だが、影ながら努力をしている姿を見てからというものの、俺はあいつのことを放っておけなくなってしまった。
どうして怠けているふりをするんだ。
どうして嫌味ばかり言うんだ。
どうして今日はいつもと違って。
苦しげだったんだ。
あぁ、どうして
俺はこんなにも、お前のことが気になっているんだ。
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