・夢見る相手
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それは数日前のことだ。
「おい!しっかりしろ!!大丈夫か!?」
6年同士でバレーボールをしていたのだが、俺がアタックしたボールが、くの一に当たってしまった。
「完全に気絶しているようだな。おい留三郎!さっさと保健室に運んでいけ。」
「うっせーな、お前に言われるまでもねぇよ!!」
文次郎に文句を言いながらも、すぐに抱えて保健室へ向かう。
くそっ、テメェがあんなトスすっから!
「起きたら謝らねぇとな。こいつ、たしかスズネって名前だったか?」
何度か会ったことがある。よかった、知らない奴よりはマシだ。
保健室に連れて行ったら伊作に怒鳴られたが、たいしたことはないと聞いてほっとする。
スズネの様子を見た後、伊作は用事があるそうで「少しの間だから」と保健室を出て行った。
しかし、スズネは全然目を覚まさない。
本当に無事なのか?と心配になって見つめる。
すやすやと眠っている様子から、どうやら本当に大丈夫のようだ。
・・・結構、かわいい顔してるんだな。
って何考えてるんだ俺は!!!
慌てて頭を振る。
そういえばこいつ、大人しいし真面目な奴だったな。
委員会で手伝ってもらったことがあるが、文句一つ言わずに働いてくれた。
後輩たちや、俺のことも気遣ってくれるような奴だった。
と、思い返しているうちに罪悪感が増していく。
申し訳なさでいっぱいになった俺は、顔を見ていることもできなくなる。
伊作はまだ帰ってこないのか。
少し廊下を覗いてみようかと立ち上がりかけた。
その時だった。
『んー。』
「?」
スズネが手を掴んできた。
寝ぼけてるのか?
手を掴まれていると、なんだか離すのが悪い気がする。
仕方なくもう一度そばに座ると、安心したかのように彼女の手が緩む。
まだ寝ぼけている様子だったが、ふっと微笑みながら一言つぶやいた。
『王子様・・・・。』
っ!?//////
バンッ!
「留三郎!?どうしたの、顔が真っ赤だけど。彼女は目覚めたのかい?」
「悪い伊作っ!!!訳は後で話す!!だから、こいつのことは頼んだ!!!」
「え!?ちょっと留三郎!?!?」
伊作の呼ぶ声に振り返ってる余裕なんてなかった。
何だよあいつ何なんだよあいつっ!!!
あんなの反則じゃねぇか!!!////