落乱
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くノ一が、新しく忍術学園にやってきた。
『スズネです!よろしくお願いしますね。』
華やかなその笑顔に、丁寧な物腰。
実力も申し分なく、人目をひいていた。
何より目立っていたのは、身に着けている大きめなリボン。
それが、彼女のチャームポイントの一つになっていた。
食満・潮江「「スズネ、今暇か!?」」
見かけるやいなや声をかけたのは、食満留三郎と潮江文次郎。
互いに睨みあう。
潮江「お前は引っ込んでろ。俺が先に声をかけたんだ!」
食満「てめぇが引っ込んでろ文次郎!そもそも同時だっただろうが!!」
スズネは、困ったように二人を見る。
前から、勝負を挑まれたりお茶に誘われたりと声をかけられることは多かったが、最近はめっきり減ってこの二人ぐらいになっている。
と、いうのも。
彼女の保護者が、あの【雑渡昆奈門】と判明したからだ。
そりゃあ減る訳である。
『二人は、パパのこと気にしないんですね。』
食満「当然だ!」
潮江「むしろ受けて立つ!」
彼女がパパと呼ぶ人物こそタソガレドキの組頭、雑渡昆奈門である。
彼女のリボンは、タソガレドキ忍者の服と同じ生地のものだ。
それが彼女がタソガレドキの者だという証になっており、わかる人物にはわかるようになっている。
わざわざ身に着けさせているあたり、過保護なのかもしれない。
食満「で、今回はどうするんだ!?」
潮江「もちろん俺だよな!?」
食満「なんでだよ!」
それでも声をかけるあたり、この二人は度胸があった。
というより、すっかりスズネに執着するようになってしまったのだが。
『じゃあ今日は二人とも相手いたしますので、かかってきてください!』
この二人にそんなことが言えてしまうあたり、スズネのタソガレドキでの教育は伊達ではなかった。
そんな感じで学園長や組頭の計画通り、彼女が忍術学園で生徒たちと一緒に学ぶのは互いに良い影響を与えていた。
そんな、ある日のこと。
『ごめんなさい。今度の休日は予定があるんです。さっき約束しちゃって。』
約束、という言葉に潮江はショックを受けた。
街へ二人きりで買い物に行くという約束。
いわゆるデートというものである。
自分も誘おうとしたことはあるが、邪魔が入るたびに勝負の約束だとごまかしてしまっていた。
それは食満も同じようだったが・・・。
潮江「(ど、どこのどいつとだ!?まさか食満じゃねぇよな!??)」
誰と出かけるかは秘密にされてしまった。
さっき約束したということは、この学園内であることは間違いない。
ならばここの生徒という可能性が高い。高すぎる。
くノ一ならば良いとして、男性だったら?
それが気になった潮江はこっそり町に出かけて様子を伺っていた。
後をつけていけばバレる可能性がある。先回りからの待ち伏せの方が効率が良かった。
せめて女友達との約束であってほしいと願いながら待つ。
そして、現れたのは。
潮江「(食満!?)」
食満がふらりと歩いているのを見かけた。
まさかと思いながら覗いていれば、誰かを待っている様子がうかがえた。
いやいや伊作なのだろうと思おうとしたが、そこにスズネがやってくるのが見えた。
潮江「な、な、ななななな。」
ギシリ、と。握りしめた手が木に食い込んだ。
冷静さを失って、潮江は二人の元へとズンズン歩いていた。
潮江「食満留三郎っ貴様ぁ!抜け駆けは許さんぞ!!」
食満「は!?潮江文次郎!??なんでっ」
動揺する食満に反して、スズネは何事だろうと不思議そうに見つめていた。
しばらくして、そういうことかと納得したような顔をした。
『もしかして、文次郎さんと約束してたんですか?』
食満&潮江「「え。」」
『珍しいですね。あんなに喧嘩していらしたのに。』
食満「あー。そ、そんなところですかね?」
潮江「は!?」
食満から、いいから話を合わせろと合図が来た。
どうやらスズネは食満を見かけて、誰を待っているのか聞いていただけだったらしい。と、話の流れから理解した。
つまりは、食満もスズネのデートのことを聞きつけて同じ行動をとっていただけということである。
まさかスズネが来るのを待っていたとはいえず、話を合わせることにしたそうだ。
潮江は気に食わなかったが、自分自身もどうして町にいるかと聞かれたら困るので、仕方なくその提案にのっかることになった。
潮江「(それじゃあ、一体誰との逢瀬なんだ??)」
食満「(わからん!一体誰が??)」
互いに、こいつ以外に誰がスズネに声をかけるのだろうと必死に考えていると。
よく知った声が聞こえた。
雑渡「やぁ、こんなところにいたのかい?」
『パパ!お待たせーっ。』
食満&潮江「「なぁあああ!??」」
そこにいたのは紛れもなく雑渡昆奈門。
スズネは喜んで飛びついているが、他の二人は心中穏やかではなかった。
そう。冷静に考えればわかることだった。
【学園で約束をした】と言っていたので、てっきり学園内の人物だと勘違いしていたが。
昆奈門だって学園に来ることはあったのだから。
雑渡「おやおや?君たちも来てたのかい?仲良いねぇ。」
ニヤニヤとした顔で言ってるあたり、全て理解した上でわざと言ってることは明白である。
つっかかろうにも、ひらりと避けられてスズネと一緒に歩きだしてしまった。
雑渡「それじゃあ早速買い物しに行こうか、スズネ。」
『うん!』
なんとも嬉しそうにしているスズネを見て、悔しい思いをするばかりな二人。
だが、そこで雑渡はスズネを少し先に行かせて二人に告げた。
雑渡「私の娘も守れない男に、娘は任せられないからね。」
二人が店に入るのを見届けてから、両者は立ち上がる。
食満「うおおおお!!絶対ぇ強くなってやる!!!」
潮江「はっ!負けるてたまるかよおおおおお!!!」
町を背にして、二人は駆け出した。
より強くなるために、今から鍛錬に向かうのだ。
雑渡「ところで、スズネは今気になる人はいるかい?」
『え!?そ、その。』
雑渡「まだ早かったかな?」
ただでさえ、タソガレドキにも彼女に好意をよせる輩はいるのだ。
せいぜい、娘にふさわしい相手が出てくることを願った。
そうでもないと、誰にも渡す気などないのだから。
〆
『スズネです!よろしくお願いしますね。』
華やかなその笑顔に、丁寧な物腰。
実力も申し分なく、人目をひいていた。
何より目立っていたのは、身に着けている大きめなリボン。
それが、彼女のチャームポイントの一つになっていた。
食満・潮江「「スズネ、今暇か!?」」
見かけるやいなや声をかけたのは、食満留三郎と潮江文次郎。
互いに睨みあう。
潮江「お前は引っ込んでろ。俺が先に声をかけたんだ!」
食満「てめぇが引っ込んでろ文次郎!そもそも同時だっただろうが!!」
スズネは、困ったように二人を見る。
前から、勝負を挑まれたりお茶に誘われたりと声をかけられることは多かったが、最近はめっきり減ってこの二人ぐらいになっている。
と、いうのも。
彼女の保護者が、あの【雑渡昆奈門】と判明したからだ。
そりゃあ減る訳である。
『二人は、パパのこと気にしないんですね。』
食満「当然だ!」
潮江「むしろ受けて立つ!」
彼女がパパと呼ぶ人物こそタソガレドキの組頭、雑渡昆奈門である。
彼女のリボンは、タソガレドキ忍者の服と同じ生地のものだ。
それが彼女がタソガレドキの者だという証になっており、わかる人物にはわかるようになっている。
わざわざ身に着けさせているあたり、過保護なのかもしれない。
食満「で、今回はどうするんだ!?」
潮江「もちろん俺だよな!?」
食満「なんでだよ!」
それでも声をかけるあたり、この二人は度胸があった。
というより、すっかりスズネに執着するようになってしまったのだが。
『じゃあ今日は二人とも相手いたしますので、かかってきてください!』
この二人にそんなことが言えてしまうあたり、スズネのタソガレドキでの教育は伊達ではなかった。
そんな感じで学園長や組頭の計画通り、彼女が忍術学園で生徒たちと一緒に学ぶのは互いに良い影響を与えていた。
そんな、ある日のこと。
『ごめんなさい。今度の休日は予定があるんです。さっき約束しちゃって。』
約束、という言葉に潮江はショックを受けた。
街へ二人きりで買い物に行くという約束。
いわゆるデートというものである。
自分も誘おうとしたことはあるが、邪魔が入るたびに勝負の約束だとごまかしてしまっていた。
それは食満も同じようだったが・・・。
潮江「(ど、どこのどいつとだ!?まさか食満じゃねぇよな!??)」
誰と出かけるかは秘密にされてしまった。
さっき約束したということは、この学園内であることは間違いない。
ならばここの生徒という可能性が高い。高すぎる。
くノ一ならば良いとして、男性だったら?
それが気になった潮江はこっそり町に出かけて様子を伺っていた。
後をつけていけばバレる可能性がある。先回りからの待ち伏せの方が効率が良かった。
せめて女友達との約束であってほしいと願いながら待つ。
そして、現れたのは。
潮江「(食満!?)」
食満がふらりと歩いているのを見かけた。
まさかと思いながら覗いていれば、誰かを待っている様子がうかがえた。
いやいや伊作なのだろうと思おうとしたが、そこにスズネがやってくるのが見えた。
潮江「な、な、ななななな。」
ギシリ、と。握りしめた手が木に食い込んだ。
冷静さを失って、潮江は二人の元へとズンズン歩いていた。
潮江「食満留三郎っ貴様ぁ!抜け駆けは許さんぞ!!」
食満「は!?潮江文次郎!??なんでっ」
動揺する食満に反して、スズネは何事だろうと不思議そうに見つめていた。
しばらくして、そういうことかと納得したような顔をした。
『もしかして、文次郎さんと約束してたんですか?』
食満&潮江「「え。」」
『珍しいですね。あんなに喧嘩していらしたのに。』
食満「あー。そ、そんなところですかね?」
潮江「は!?」
食満から、いいから話を合わせろと合図が来た。
どうやらスズネは食満を見かけて、誰を待っているのか聞いていただけだったらしい。と、話の流れから理解した。
つまりは、食満もスズネのデートのことを聞きつけて同じ行動をとっていただけということである。
まさかスズネが来るのを待っていたとはいえず、話を合わせることにしたそうだ。
潮江は気に食わなかったが、自分自身もどうして町にいるかと聞かれたら困るので、仕方なくその提案にのっかることになった。
潮江「(それじゃあ、一体誰との逢瀬なんだ??)」
食満「(わからん!一体誰が??)」
互いに、こいつ以外に誰がスズネに声をかけるのだろうと必死に考えていると。
よく知った声が聞こえた。
雑渡「やぁ、こんなところにいたのかい?」
『パパ!お待たせーっ。』
食満&潮江「「なぁあああ!??」」
そこにいたのは紛れもなく雑渡昆奈門。
スズネは喜んで飛びついているが、他の二人は心中穏やかではなかった。
そう。冷静に考えればわかることだった。
【学園で約束をした】と言っていたので、てっきり学園内の人物だと勘違いしていたが。
昆奈門だって学園に来ることはあったのだから。
雑渡「おやおや?君たちも来てたのかい?仲良いねぇ。」
ニヤニヤとした顔で言ってるあたり、全て理解した上でわざと言ってることは明白である。
つっかかろうにも、ひらりと避けられてスズネと一緒に歩きだしてしまった。
雑渡「それじゃあ早速買い物しに行こうか、スズネ。」
『うん!』
なんとも嬉しそうにしているスズネを見て、悔しい思いをするばかりな二人。
だが、そこで雑渡はスズネを少し先に行かせて二人に告げた。
雑渡「私の娘も守れない男に、娘は任せられないからね。」
二人が店に入るのを見届けてから、両者は立ち上がる。
食満「うおおおお!!絶対ぇ強くなってやる!!!」
潮江「はっ!負けるてたまるかよおおおおお!!!」
町を背にして、二人は駆け出した。
より強くなるために、今から鍛錬に向かうのだ。
雑渡「ところで、スズネは今気になる人はいるかい?」
『え!?そ、その。』
雑渡「まだ早かったかな?」
ただでさえ、タソガレドキにも彼女に好意をよせる輩はいるのだ。
せいぜい、娘にふさわしい相手が出てくることを願った。
そうでもないと、誰にも渡す気などないのだから。
〆