◆THE STRAY CHILD
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死神「何やあんさん。やっとここまで来なはったんか。」
気がつけば、暗闇にいくつかのぼんやりとした光が巡っている世界にいた。
目の前には、大きな鎌を持った骸骨。
これは夢なのだろうかと冷静に考えながら、スズネは話しかけてみることにした。
『死神さん、ですか?』
死神「たしかにワテは死神やけど、あんたはただ、ここに迷いこんだだけやで。」
『迷い込んだ・・・。』
スズネはネコゾンビの言っていたことを改めて整理する。
あのホテルは本当は危険な場所。
帰れるか帰れないかは、自分次第。
死神「あんさん、何を悩んでるんや。あそこに未練でもあるんならワテがこの鎌で断ち切ってもええんやで?」
『いえ、大丈夫です。ありがとうございます。自分次第、なので。』
死神「せやけど、あんまり時間もないみたいでっせ。」
示された方を見てみれば、そこに光る道が現われた。
しかし、その道は所々崩壊しかけている。
死神「ホンマはわかってたんやろ?自分の進む道ぐらい。ずっと自分で隠してただけなんや。」
『でも、あの道が本当に私の道なんですか?』
死神「それは、あんたが一番よくわかっとるはずや。」
あの道を行けば、本当に帰れるのだろうか。
一歩一歩近寄ってみれば、その道は少し歪んだように見えた。
死神にせかされつつも、彼女はその道に足を踏み入れる寸前でハッとする。
『ごめんなさい、私一回戻らなきゃ。もし本当に帰れるなら、やりのこしたことがあるんです。』
死神「はぁ、しゃーないなぁ。早う行っとき。未練残しとったら帰るに帰れんやろうからな。道さえわかっとけば、また道は出てくるさかい。今度は見失わんように気ぃつけや。」
『はい。ありがとうございます、死神さん。』
死神「ほな、がんばりや。スズネはん。」
『あれ?名前、教えたかな?』
帰ってから、スズネは忙しかった。
頼まれていた仕事を片付けて、困ってる人のお手伝いをして。
お世話になったカクタスガンマン達にお礼を言ったり、お詫びを言ったり。
もちろん、自分が帰るということは秘密にして。
そして最後に、ネコゾンビの所へと向かった。
ネコゾンビ「どうしてまだここにいるニャ。」
『やりのこしたことが、ありましたから。』
スズネは、扉の隙間からネコゾンビを覗く。
『わぁ、あなたがネコゾンビさんなんですか。思ってたとおり可愛いです。』
ネコゾンビ「この姿を見て怖くないのかニャ。変わり者だニャ・・・それより、僕の姿がみたいから戻ってきたのかニャ。」
『まさか。でも、それも理由の一つですかね。お礼を言いに来たんです。全ては、ネコゾンビさんのおかげですから。導いてくれて、ありがとうございました。』
周りをうかがいながら、スズネはネコゾンビに語りかける。
『たしかに、ここはいてはいけない場所かもしれません。でも、ここの人達も私にとって大切な存在なんです。ネコゾンビさんも。』
スズネは、手紙を取り出した。
『だけど、向こうには私を待ってくれる人がいる。必要としてくれる人がいる。だから私は帰ります。でももし、そんな人がいなくなって。こっちに私を必要としてくれる人がいてくれたのなら。』
手紙を床に置いて、ネコゾンビの方へと滑りこませた。
『私はきっと戻ってきます。だって、皆が幸せになって欲しいから。必要としてくれる人の側に、いたいから。』
ネコゾンビ「・・・本気かニャ。」
『はい。戻ってくるようなことがあれば、きっと私のように迷い込んだ人達と、皆を幸せにしてみせますね。』
さようなら。
そう言って、スズネは姿を消した。
ネコゾンビは呆気にとられる。そんなことが可能なものかと。
しかし、この世界の住民の中には姿を変えておかしな能力を持つ者もいる。
たしかに、ここに来た住民があの鼠より強力な存在になれる可能性はありえなくはないのだが。
ネコゾンビ「のん気なもんだニャ。」
扉の隙間から入れられた手紙。
それを見てネコゾンビは微かに笑ったのだった。
そして彼女は今度こそ、光る道へと足を踏み入れた。
気がつけば、暗闇にいくつかのぼんやりとした光が巡っている世界にいた。
目の前には、大きな鎌を持った骸骨。
これは夢なのだろうかと冷静に考えながら、スズネは話しかけてみることにした。
『死神さん、ですか?』
死神「たしかにワテは死神やけど、あんたはただ、ここに迷いこんだだけやで。」
『迷い込んだ・・・。』
スズネはネコゾンビの言っていたことを改めて整理する。
あのホテルは本当は危険な場所。
帰れるか帰れないかは、自分次第。
死神「あんさん、何を悩んでるんや。あそこに未練でもあるんならワテがこの鎌で断ち切ってもええんやで?」
『いえ、大丈夫です。ありがとうございます。自分次第、なので。』
死神「せやけど、あんまり時間もないみたいでっせ。」
示された方を見てみれば、そこに光る道が現われた。
しかし、その道は所々崩壊しかけている。
死神「ホンマはわかってたんやろ?自分の進む道ぐらい。ずっと自分で隠してただけなんや。」
『でも、あの道が本当に私の道なんですか?』
死神「それは、あんたが一番よくわかっとるはずや。」
あの道を行けば、本当に帰れるのだろうか。
一歩一歩近寄ってみれば、その道は少し歪んだように見えた。
死神にせかされつつも、彼女はその道に足を踏み入れる寸前でハッとする。
『ごめんなさい、私一回戻らなきゃ。もし本当に帰れるなら、やりのこしたことがあるんです。』
死神「はぁ、しゃーないなぁ。早う行っとき。未練残しとったら帰るに帰れんやろうからな。道さえわかっとけば、また道は出てくるさかい。今度は見失わんように気ぃつけや。」
『はい。ありがとうございます、死神さん。』
死神「ほな、がんばりや。スズネはん。」
『あれ?名前、教えたかな?』
帰ってから、スズネは忙しかった。
頼まれていた仕事を片付けて、困ってる人のお手伝いをして。
お世話になったカクタスガンマン達にお礼を言ったり、お詫びを言ったり。
もちろん、自分が帰るということは秘密にして。
そして最後に、ネコゾンビの所へと向かった。
ネコゾンビ「どうしてまだここにいるニャ。」
『やりのこしたことが、ありましたから。』
スズネは、扉の隙間からネコゾンビを覗く。
『わぁ、あなたがネコゾンビさんなんですか。思ってたとおり可愛いです。』
ネコゾンビ「この姿を見て怖くないのかニャ。変わり者だニャ・・・それより、僕の姿がみたいから戻ってきたのかニャ。」
『まさか。でも、それも理由の一つですかね。お礼を言いに来たんです。全ては、ネコゾンビさんのおかげですから。導いてくれて、ありがとうございました。』
周りをうかがいながら、スズネはネコゾンビに語りかける。
『たしかに、ここはいてはいけない場所かもしれません。でも、ここの人達も私にとって大切な存在なんです。ネコゾンビさんも。』
スズネは、手紙を取り出した。
『だけど、向こうには私を待ってくれる人がいる。必要としてくれる人がいる。だから私は帰ります。でももし、そんな人がいなくなって。こっちに私を必要としてくれる人がいてくれたのなら。』
手紙を床に置いて、ネコゾンビの方へと滑りこませた。
『私はきっと戻ってきます。だって、皆が幸せになって欲しいから。必要としてくれる人の側に、いたいから。』
ネコゾンビ「・・・本気かニャ。」
『はい。戻ってくるようなことがあれば、きっと私のように迷い込んだ人達と、皆を幸せにしてみせますね。』
さようなら。
そう言って、スズネは姿を消した。
ネコゾンビは呆気にとられる。そんなことが可能なものかと。
しかし、この世界の住民の中には姿を変えておかしな能力を持つ者もいる。
たしかに、ここに来た住民があの鼠より強力な存在になれる可能性はありえなくはないのだが。
ネコゾンビ「のん気なもんだニャ。」
扉の隙間から入れられた手紙。
それを見てネコゾンビは微かに笑ったのだった。
そして彼女は今度こそ、光る道へと足を踏み入れた。