◆THE STRAY CHILD
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―助けて。お願いだから助けてよ!
心の中の叫び。決して口にはしない悲鳴。
苦しみから解放されたいだけなのに、心は燃えるように熱く狂う。
―こんな世界なんて、大っ嫌い!!!!
手を伸ばしたいと思ったその先は・・・。
『変にリアルな夢、だったな。』
スズネは昨晩見た夢についてを思い返していた。
起きてから、夢のことがずっと気になって仕方が無い。
おかげでホテルの仕事のお手伝いもあまり、はかどらずにいる。
『せっかくお仕事休憩中なのに、夢の後味が悪かったからどうにも気分が落ち込じゃうなぁ。』
ため息をついていると、遠くからふわりと何か白いものが近づいて来た。
それは、彼女に懐くようになったTVフィッシュだった。
元気がないのを見て、心配そうに周りを飛ぶ。
『心配してくれてるんだね、ありがとう。』
スズネはTVフィッシュが現われたことで少し元気を取り戻す。
しかし、まだ笑顔がぎこちないのを見て、TVフィッシュはある映像を写した。
それは、誰もがとても楽しそうにしている日常。
ところが映像を見たスズネは、それが何なのかを察して恐怖した。
『っやめて!!』
スズネは動揺してTVフィッシュを突き飛ばそうとするも、その手は寸前て止まる。
そして、自分が何をしようとしたのかを把握すると目を塞いで座り込んだ。
TVフィッシュが慌てて映像を消して恐る恐る近寄ると、それに気づいたスズネはゆっくりと目を開けてTVフィッシュを優しく撫でた。
『ごめん。ごめんね。元気付けようとしてくれたんだよね。それなのに、ごめんね。』
ひたすら謝りながらTVフィッシュを撫で続ける。
そうしている間にも、先ほどの映像が頭の片隅に浮かんだ。
とても楽しかった思い出。楽しかった、過去。
それを何故、自分はあれほどまでに拒絶したのか。
審判小僧「顔色が悪いね、スズネ。」
いつの間にいたのだろう。
普段はガラガラと音をたててうるさいはずの審判が、唐突にそこに現われていた。
『私、顔色悪いですか?顔が青くなったり赤くなったりなんて、実際はしないと思ってましたけど。』
審判小僧「そうだねぇ。たしかに君の言うとおり、そう簡単に顔で人のことはわからないだろう。でも、僕にはわかるよ。今の君のこと。」
審判小僧はスズネを真っ直ぐに見つめる。
審判小僧「それじゃあ、そんな今の君にピッタリなジャッジをしてあげようか。」
意地が悪そうな笑みを浮かべながら、審判小僧は語り始めた。
内容は、耐え難い苦しみから逃れて今までの人生を捨てるかどうか。
彼女はその内容の意味を汲み取ろうと考えながら、自分なりの答えを出した。
『できれば、留まりたいですね。だって、逃れた先に幸せがあるかなんてわからないですし。』
審判小僧「君らしいね。だけど、それなら他人より自分を大事にすることだ。」
『え?』
天秤からはダラーが落ちる。
けれどスズネにとってその砕け散った破片は、なんとも物悲しく見えた。
審判小僧「もっと自分勝手に生きたらどうだい?スズネ。悪い事したって、罰なんてものは当たらないよ。」
スズネは、ダラーの破片を片付ける黒子を見つめながら「そうかもしれませんね。」と呟いた。
けれども、彼女は言い足した。
『それでも、私は良い子でいたいです。』
それが正しいことだと学んだから。信じてるから。
そんな自分が好きになれるから。捨ててしまったらきっと、自分を好きにはなれない。
審判小僧「やっぱりそれが答えなんだね。そのまま、やりたいことをやってればいいさ。いけるとこまで、ね。応援してるよ。」
審判小僧がいなくなってから、スズネは気にした様子もなくふらりと歩き出した。
TVフィッシュも後をついていく。
『今度こそ、いい夢が見たいなぁ。夢見が悪いと落ち込むよ。』
きっとあの感覚は、実体験と変わらない。
気の晴れない彼女を見てか、TVフィッシュは踊るようにうねってみせた。
それを見て少し曇りの無くなった笑顔を向けた彼女に、TVフィッシュはまた嬉しそうに回りをぐるりと回ったのだった。
心の中の叫び。決して口にはしない悲鳴。
苦しみから解放されたいだけなのに、心は燃えるように熱く狂う。
―こんな世界なんて、大っ嫌い!!!!
手を伸ばしたいと思ったその先は・・・。
『変にリアルな夢、だったな。』
スズネは昨晩見た夢についてを思い返していた。
起きてから、夢のことがずっと気になって仕方が無い。
おかげでホテルの仕事のお手伝いもあまり、はかどらずにいる。
『せっかくお仕事休憩中なのに、夢の後味が悪かったからどうにも気分が落ち込じゃうなぁ。』
ため息をついていると、遠くからふわりと何か白いものが近づいて来た。
それは、彼女に懐くようになったTVフィッシュだった。
元気がないのを見て、心配そうに周りを飛ぶ。
『心配してくれてるんだね、ありがとう。』
スズネはTVフィッシュが現われたことで少し元気を取り戻す。
しかし、まだ笑顔がぎこちないのを見て、TVフィッシュはある映像を写した。
それは、誰もがとても楽しそうにしている日常。
ところが映像を見たスズネは、それが何なのかを察して恐怖した。
『っやめて!!』
スズネは動揺してTVフィッシュを突き飛ばそうとするも、その手は寸前て止まる。
そして、自分が何をしようとしたのかを把握すると目を塞いで座り込んだ。
TVフィッシュが慌てて映像を消して恐る恐る近寄ると、それに気づいたスズネはゆっくりと目を開けてTVフィッシュを優しく撫でた。
『ごめん。ごめんね。元気付けようとしてくれたんだよね。それなのに、ごめんね。』
ひたすら謝りながらTVフィッシュを撫で続ける。
そうしている間にも、先ほどの映像が頭の片隅に浮かんだ。
とても楽しかった思い出。楽しかった、過去。
それを何故、自分はあれほどまでに拒絶したのか。
審判小僧「顔色が悪いね、スズネ。」
いつの間にいたのだろう。
普段はガラガラと音をたててうるさいはずの審判が、唐突にそこに現われていた。
『私、顔色悪いですか?顔が青くなったり赤くなったりなんて、実際はしないと思ってましたけど。』
審判小僧「そうだねぇ。たしかに君の言うとおり、そう簡単に顔で人のことはわからないだろう。でも、僕にはわかるよ。今の君のこと。」
審判小僧はスズネを真っ直ぐに見つめる。
審判小僧「それじゃあ、そんな今の君にピッタリなジャッジをしてあげようか。」
意地が悪そうな笑みを浮かべながら、審判小僧は語り始めた。
内容は、耐え難い苦しみから逃れて今までの人生を捨てるかどうか。
彼女はその内容の意味を汲み取ろうと考えながら、自分なりの答えを出した。
『できれば、留まりたいですね。だって、逃れた先に幸せがあるかなんてわからないですし。』
審判小僧「君らしいね。だけど、それなら他人より自分を大事にすることだ。」
『え?』
天秤からはダラーが落ちる。
けれどスズネにとってその砕け散った破片は、なんとも物悲しく見えた。
審判小僧「もっと自分勝手に生きたらどうだい?スズネ。悪い事したって、罰なんてものは当たらないよ。」
スズネは、ダラーの破片を片付ける黒子を見つめながら「そうかもしれませんね。」と呟いた。
けれども、彼女は言い足した。
『それでも、私は良い子でいたいです。』
それが正しいことだと学んだから。信じてるから。
そんな自分が好きになれるから。捨ててしまったらきっと、自分を好きにはなれない。
審判小僧「やっぱりそれが答えなんだね。そのまま、やりたいことをやってればいいさ。いけるとこまで、ね。応援してるよ。」
審判小僧がいなくなってから、スズネは気にした様子もなくふらりと歩き出した。
TVフィッシュも後をついていく。
『今度こそ、いい夢が見たいなぁ。夢見が悪いと落ち込むよ。』
きっとあの感覚は、実体験と変わらない。
気の晴れない彼女を見てか、TVフィッシュは踊るようにうねってみせた。
それを見て少し曇りの無くなった笑顔を向けた彼女に、TVフィッシュはまた嬉しそうに回りをぐるりと回ったのだった。