- シェフ -
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いつもは薄暗く気味の悪い雰囲気のホテルの周辺は、一面の白い世界。
ホテルの外はすっかり雪景色だった。
『すごい雪。さっきより積もってる。』
中庭に出た私は寒さに震える。
それでも雪をかき分けていくのは理由があった。
『うーっ冷たい。でも、もしかしたらここに。』
本来なら畑がある場所を見回してみた。今は雪がつもっていて何も見えないのだけれど、よく見てみれば何か大きな雪の山があった。
まさかと思うけれど、あれがそうだろうか。
半信半疑でその雪を少しくずしてみると、見覚えのある赤い布が見えた。
『シェフ!?シェフしっかりして!!』
雪の中身がシェフだとわかり、慌てて雪をどんどんどけていく。
頭上にあるはずの炎は当然消えていて、シェフは意識の無い状態だった。念のためにとあらかじめ持っていた道具で火を灯す。
初めて出会った時もこんな状態だった。
大きな置物だと思って観察とかしていたものだから動き出した時はかなり驚かされたし、勘違いしてたことを謝りながら照れ笑いをしてたっけ。
「んー?」
『シェフ大丈夫?もうびっくりしたよ。』
「スズネ?どうした。」
『皆がしばらくシェフを見かけてないっていうから心配して探しに来たの。見つかってよかった。』
まだほんの少しだけついてる雪をはらいながらシェフに事情を説明していく。
唯一の調理担当のシェフがいないとなれば皆騒ぎだすのも当然な訳で、私も頑張って地下とかを歩き回って行方を捜していたのだ。
『見つからない訳だよ。シェフも雪も真っ白なんだもん。何回かここに来たけど全然気づかなかった。』
「ハーブを、取りに来た~。」
『雪か風で意識が途切れてる間に雪まみれになってたってことか。』
「雪、キラ~イ。」
『そうだね。寒いしまだ雪降ってるし、火がまた消えちゃう前に中に入ろうか。』
シェフと中庭から出て厨房に入る。普段入れてくれないから珍しい。
少し待ってろと言われたので大人しく待っているとシェフが何かを作り始めた。
目の前でシェフの調理が見れるのもなんとも珍しいことだろう。
しかしものによってはある意味すごい光景を見せられそうだ。走馬灯とか。と緊張していたのだが、それは想像以上に速くできあがって目の前に差し出された。
「飲め。」
『これって、ホットミルク?』
「見つけてくれた、礼。体、温まる~。」
たしかに、さっきまで外にいたのですっかり体は冷えきっていた。
ただでさえここは暖房設備が良いとは言えない。中にいても外の寒さが伝わってきたほどだ。
だから暖かい飲み物をもらえるのは本当にありがたい。
私は喜んでそれを受け取った。
『ありがとう、シェフ!本当に嬉しいよ。おかげですっかり温まっちゃった。今はシェフもいてくれるしね。』
「?」
『ほら、シェフの上には炎があるから近くにいると暖かいんだよね。見てるだけでも暖まる気がするよ。』
そういえば、火には癒しの効果があるって聞いたことがある。
シェフのは執念の炎らしいけど、その燃え盛る執念もなんだか見ていて落ち着く気がする。
そんな事を考えながら見ていると、急にその炎がよりいっそう燃え上がったように見えた。
『?どうかしたの?シェフ。』
「・・・なんでもない。」
『そう、ならいいけど。』
とりあえず冷める前に飲みきらなければと、ホットミルクを飲むことに集中してその味を堪能していた。
一方シェフはといえば。
そっぽを向いて赤くそまった顔を隠しながら、横目でスズネのことをひっそりと見つめていたのだった。
執念の炎を燃やしながら。
〆
ホテルの外はすっかり雪景色だった。
『すごい雪。さっきより積もってる。』
中庭に出た私は寒さに震える。
それでも雪をかき分けていくのは理由があった。
『うーっ冷たい。でも、もしかしたらここに。』
本来なら畑がある場所を見回してみた。今は雪がつもっていて何も見えないのだけれど、よく見てみれば何か大きな雪の山があった。
まさかと思うけれど、あれがそうだろうか。
半信半疑でその雪を少しくずしてみると、見覚えのある赤い布が見えた。
『シェフ!?シェフしっかりして!!』
雪の中身がシェフだとわかり、慌てて雪をどんどんどけていく。
頭上にあるはずの炎は当然消えていて、シェフは意識の無い状態だった。念のためにとあらかじめ持っていた道具で火を灯す。
初めて出会った時もこんな状態だった。
大きな置物だと思って観察とかしていたものだから動き出した時はかなり驚かされたし、勘違いしてたことを謝りながら照れ笑いをしてたっけ。
「んー?」
『シェフ大丈夫?もうびっくりしたよ。』
「スズネ?どうした。」
『皆がしばらくシェフを見かけてないっていうから心配して探しに来たの。見つかってよかった。』
まだほんの少しだけついてる雪をはらいながらシェフに事情を説明していく。
唯一の調理担当のシェフがいないとなれば皆騒ぎだすのも当然な訳で、私も頑張って地下とかを歩き回って行方を捜していたのだ。
『見つからない訳だよ。シェフも雪も真っ白なんだもん。何回かここに来たけど全然気づかなかった。』
「ハーブを、取りに来た~。」
『雪か風で意識が途切れてる間に雪まみれになってたってことか。』
「雪、キラ~イ。」
『そうだね。寒いしまだ雪降ってるし、火がまた消えちゃう前に中に入ろうか。』
シェフと中庭から出て厨房に入る。普段入れてくれないから珍しい。
少し待ってろと言われたので大人しく待っているとシェフが何かを作り始めた。
目の前でシェフの調理が見れるのもなんとも珍しいことだろう。
しかしものによってはある意味すごい光景を見せられそうだ。走馬灯とか。と緊張していたのだが、それは想像以上に速くできあがって目の前に差し出された。
「飲め。」
『これって、ホットミルク?』
「見つけてくれた、礼。体、温まる~。」
たしかに、さっきまで外にいたのですっかり体は冷えきっていた。
ただでさえここは暖房設備が良いとは言えない。中にいても外の寒さが伝わってきたほどだ。
だから暖かい飲み物をもらえるのは本当にありがたい。
私は喜んでそれを受け取った。
『ありがとう、シェフ!本当に嬉しいよ。おかげですっかり温まっちゃった。今はシェフもいてくれるしね。』
「?」
『ほら、シェフの上には炎があるから近くにいると暖かいんだよね。見てるだけでも暖まる気がするよ。』
そういえば、火には癒しの効果があるって聞いたことがある。
シェフのは執念の炎らしいけど、その燃え盛る執念もなんだか見ていて落ち着く気がする。
そんな事を考えながら見ていると、急にその炎がよりいっそう燃え上がったように見えた。
『?どうかしたの?シェフ。』
「・・・なんでもない。」
『そう、ならいいけど。』
とりあえず冷める前に飲みきらなければと、ホットミルクを飲むことに集中してその味を堪能していた。
一方シェフはといえば。
そっぽを向いて赤くそまった顔を隠しながら、横目でスズネのことをひっそりと見つめていたのだった。
執念の炎を燃やしながら。
〆