◆THE STRAY CHILD
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『すいません。ここはどこですか?』
「おやおや、迷子でございましたか。」
『はい。いつのまにか見慣れない道に出てしまって、帰り道がわからないんです。』
「それはさぞ心細かったことでしょう。さぁ、どうぞ中へ。」
老けた鼠が、少女を玄関の扉からホテルの中へと案内する。
近頃はこんなに若い娘まで彷徨うようになったのか、と考えながら宿泊者の名簿を手にとる。
少女をよく観察してみれば、彷徨ってきたわりに今までの客のような疲れた表情をしていない。
若さといい、この様子といい、老けた鼠は少女の魂の質に期待をしていた。
どうやら少々人見知りをする様子だったので、年下ではあるものの丁寧に接することにする。
「申し遅れました、わたくしは当ホテルの支配人のグレゴリーと申します。」
『あっはじめまして、スズネといいます。』
「そんなに緊張をなさらくても宜しいのですよ。今日はもう夜も遅いことですし、とりあえずは当ホテルにお泊りになされたらよろしいかと。」
『いえ、帰り道さえわかれば大丈夫です。それに私、お金持ってませんから。』
「なんと!もしやこの暗い夜道を一人で帰るおつもりですか!?それはいけません!」
グレゴリーはずい、と少女に迫っていく。
「ホテルにいらした以上、どのような方であってもお客様同然でございます。わたくしどもはお客様の安全を考えるのが第一!さぁ、どうか気にせずお部屋の方へ。」
『そんな!お金も無いのに泊まるなんてできないです。』
グレゴリーは無理やりスズネをホテルの一室へと案内しようとするが、掴んだ手を振りきられる。
今まではこの流れで客を中へと引き込めたのだが、なかなか上手くいかない。
しかし相手は少女だ。グレゴリーは諦めずにスズネを説得しようとする。
「ですが、それならばどうするおつもりですか?あの森の中を戻ったところで、また迷うだけでございますよ。」
『でも、ただでホテルに泊まるなんて。とりあえず、もう一度道を戻ってみます。」
「お客様!?お待ちください!!!」
グレゴリーの静止もむなしく、スズネは一礼するとドアを開けて出て行った。
「全く、変わった客が来たもんだ。」
グレゴリーはため息をついた。
今までも金が無い客は少なくなかった。
それ以前に、金を払ってもらうようなことにはならなかったのだが。
しかし、いつもならば自然とホテルに泊まるように誘導できていたはずなのに、どうして彼女はそうできなかったのか。
「まぁ、別に構わんか。どうせしばらくしたら戻ってくるだろう。無事だったら、の話だが。」
少女の行方は時の流れに任せることにして、
グレゴリーは怪しく笑いながら仕事へと戻っていった。
「おやおや、迷子でございましたか。」
『はい。いつのまにか見慣れない道に出てしまって、帰り道がわからないんです。』
「それはさぞ心細かったことでしょう。さぁ、どうぞ中へ。」
老けた鼠が、少女を玄関の扉からホテルの中へと案内する。
近頃はこんなに若い娘まで彷徨うようになったのか、と考えながら宿泊者の名簿を手にとる。
少女をよく観察してみれば、彷徨ってきたわりに今までの客のような疲れた表情をしていない。
若さといい、この様子といい、老けた鼠は少女の魂の質に期待をしていた。
どうやら少々人見知りをする様子だったので、年下ではあるものの丁寧に接することにする。
「申し遅れました、わたくしは当ホテルの支配人のグレゴリーと申します。」
『あっはじめまして、スズネといいます。』
「そんなに緊張をなさらくても宜しいのですよ。今日はもう夜も遅いことですし、とりあえずは当ホテルにお泊りになされたらよろしいかと。」
『いえ、帰り道さえわかれば大丈夫です。それに私、お金持ってませんから。』
「なんと!もしやこの暗い夜道を一人で帰るおつもりですか!?それはいけません!」
グレゴリーはずい、と少女に迫っていく。
「ホテルにいらした以上、どのような方であってもお客様同然でございます。わたくしどもはお客様の安全を考えるのが第一!さぁ、どうか気にせずお部屋の方へ。」
『そんな!お金も無いのに泊まるなんてできないです。』
グレゴリーは無理やりスズネをホテルの一室へと案内しようとするが、掴んだ手を振りきられる。
今まではこの流れで客を中へと引き込めたのだが、なかなか上手くいかない。
しかし相手は少女だ。グレゴリーは諦めずにスズネを説得しようとする。
「ですが、それならばどうするおつもりですか?あの森の中を戻ったところで、また迷うだけでございますよ。」
『でも、ただでホテルに泊まるなんて。とりあえず、もう一度道を戻ってみます。」
「お客様!?お待ちください!!!」
グレゴリーの静止もむなしく、スズネは一礼するとドアを開けて出て行った。
「全く、変わった客が来たもんだ。」
グレゴリーはため息をついた。
今までも金が無い客は少なくなかった。
それ以前に、金を払ってもらうようなことにはならなかったのだが。
しかし、いつもならば自然とホテルに泊まるように誘導できていたはずなのに、どうして彼女はそうできなかったのか。
「まぁ、別に構わんか。どうせしばらくしたら戻ってくるだろう。無事だったら、の話だが。」
少女の行方は時の流れに任せることにして、
グレゴリーは怪しく笑いながら仕事へと戻っていった。