- シェフ -
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不気味なホテルに迷いこみ、得体の知れない恐怖と非日常的な世界への戸惑いでいっぱいだった私。
不安で精神がすり減りそうな心境の中、私は地獄のシェフという存在に出会った。
「料理はダシが命~。」
一目惚れでした。
「新しい客か~?」
「はっはい!」
ものの数分のうちに私は彼に夢中になっていた。
さすがに彼の料理までは受け入れられなかったけれど、どうやら一度抱いた思いは捨てきれなかったようで。
その後も私は、気がつけばシェフのことばかり目で追っていたのだ。
「モクモクキラーイ。」
『(今日も魅力的だなぁ…。)』
そうして過ごしてるうちに大きな包丁を扱いこなす姿にときめいたり、いろんな一面を知ったりで。
つまり、惚れ直した。恋は盲目というものだろう。
知れば知るほど好きになる始末で、私の頭はシェフのことでいっぱいだった。
当時この場所に抱いていた不信感もどこへやら。
シェフのおかげで毎日幸せだった。
『シェフご機嫌だね。何かあったの?』
嬉しいことに最近はよく話すようになったりで、仲良くなれた。
なんだかんだで、これまで話したり手伝ったり助けたり助けられたりしたからだろう。
我が恋敵のキャサリンの注射で倒れたと聞いた時はビックリした。
「いい材料が手に入った。」
『よかったね。』
材料が何かについては詳しく聞かないでおく。
しかし、少しばかり羨ましい。これほどまでにシェフを喜ばせ、愛情をそそがれるのだから。
対象に向ける情熱的な目や言葉がいわゆるソレとは違うとはわかっていても、私にとってはすごく魅力的なものに思えた。
幸か不幸か、私にその目線が向けられることは未だないのだけれど。
「スズネ。」
『なぁに?』
「お前は、よく働くな。」
『シェフのためですから!』
まったく恋というのはやっかいだ。
夢中になってしまったら、何があっても好きでいてしまうのだから。
それはきっと、何度もその人に恋をしてるから。
---------
一目見た時から、他の奴らとは違う存在だと感じていた。
『シェフはこれから料理?』
「他にも材料を調達してからだ。」
スズネのことは何故か材料として見れなかった。客とも、少し違う。
それならば興味すら持たないはずなのに、気がつけばスズネのことばかり目で追っていた。
そうして過ごしているうちに話すことも多くなり、知れば知るほどおかしな奴だと思う時もあった。
「スズネ、あとで食堂に来い。」
『え?ど、どうしようかな。』
「お前に、食わせたい料理がある~。」
何かと役に立ってくれるスズネとの日々は、害も無くて悪くない。
だから、一日に一度や二度でなく何度だって会いに来てくれてかまわないんだ。
不思議なことに、お前を見ない日は物足りない気がするから。
『(これは、愛の試練なのかもしれない。)』
「(さて、どんな料理を食わせてやろうか)」
せっかくだ。特別な料理を、お前に。
〆
不安で精神がすり減りそうな心境の中、私は地獄のシェフという存在に出会った。
「料理はダシが命~。」
一目惚れでした。
「新しい客か~?」
「はっはい!」
ものの数分のうちに私は彼に夢中になっていた。
さすがに彼の料理までは受け入れられなかったけれど、どうやら一度抱いた思いは捨てきれなかったようで。
その後も私は、気がつけばシェフのことばかり目で追っていたのだ。
「モクモクキラーイ。」
『(今日も魅力的だなぁ…。)』
そうして過ごしてるうちに大きな包丁を扱いこなす姿にときめいたり、いろんな一面を知ったりで。
つまり、惚れ直した。恋は盲目というものだろう。
知れば知るほど好きになる始末で、私の頭はシェフのことでいっぱいだった。
当時この場所に抱いていた不信感もどこへやら。
シェフのおかげで毎日幸せだった。
『シェフご機嫌だね。何かあったの?』
嬉しいことに最近はよく話すようになったりで、仲良くなれた。
なんだかんだで、これまで話したり手伝ったり助けたり助けられたりしたからだろう。
我が恋敵のキャサリンの注射で倒れたと聞いた時はビックリした。
「いい材料が手に入った。」
『よかったね。』
材料が何かについては詳しく聞かないでおく。
しかし、少しばかり羨ましい。これほどまでにシェフを喜ばせ、愛情をそそがれるのだから。
対象に向ける情熱的な目や言葉がいわゆるソレとは違うとはわかっていても、私にとってはすごく魅力的なものに思えた。
幸か不幸か、私にその目線が向けられることは未だないのだけれど。
「スズネ。」
『なぁに?』
「お前は、よく働くな。」
『シェフのためですから!』
まったく恋というのはやっかいだ。
夢中になってしまったら、何があっても好きでいてしまうのだから。
それはきっと、何度もその人に恋をしてるから。
---------
一目見た時から、他の奴らとは違う存在だと感じていた。
『シェフはこれから料理?』
「他にも材料を調達してからだ。」
スズネのことは何故か材料として見れなかった。客とも、少し違う。
それならば興味すら持たないはずなのに、気がつけばスズネのことばかり目で追っていた。
そうして過ごしているうちに話すことも多くなり、知れば知るほどおかしな奴だと思う時もあった。
「スズネ、あとで食堂に来い。」
『え?ど、どうしようかな。』
「お前に、食わせたい料理がある~。」
何かと役に立ってくれるスズネとの日々は、害も無くて悪くない。
だから、一日に一度や二度でなく何度だって会いに来てくれてかまわないんだ。
不思議なことに、お前を見ない日は物足りない気がするから。
『(これは、愛の試練なのかもしれない。)』
「(さて、どんな料理を食わせてやろうか)」
せっかくだ。特別な料理を、お前に。
〆