GHS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あの夜に見た月のことは、よく覚えてる。
ベランダに座り込んで、遙か遠くでぼんやりと光っている丸い月を眺めていた。
よほど幻想的に見えたのか、わりと本気でこのままおとぎ話のように異世界へと行けるような気がした。
まぁ、もちろんそんなことはありえるはずがないと思っていた。
思っていたのだけれど。
「やぁ。相変わらず変わったことしてるね、スズネ。」
手のひらからこぼれ落とした品々から、謎の笑みを浮かべる彼へと目線を移し、黙って見つめた。
「そんなに暇なら君をまた審判してあげようか?思い切って行動するか、諦めるか。」
『どうせ、前と答えは変わらないんでしょ?』
どちらにせよ行動には移せないのだ。
『何が正しいのかなんてわかってるんだよ。この行動にどれだけ意味がないのかも。それでもね・・・・衝動に身を任せたくなる時があるんだ。』
そう、わかってる。きっと危惧していることは起こり得ないのだろう。
だからきっと、語るほどの意味なんてないのだ。
幻想になど頼れるはずもない。
「現実が見えてるならいいけどね。やれやれ、本当に君は厄介そうだ。」
ここの住人の人達には何故か私のことを知っているかのような口ぶりをされる。
特に審判小僧には。
誰も知らないはずの自分の心情を知られているというのは、私にとっては恐怖というより安心と呼べるものだった。
「よし、なら次は君が納得するようなジャッジを用意してくるとしよう。楽しみにしていてくれ。」
『うん。楽しみにしてるね。』
それまでは審判小僧の言うとおり大人しくしているとしよう。
異界に行くのは一回で十分なのだから。
〆
ベランダに座り込んで、遙か遠くでぼんやりと光っている丸い月を眺めていた。
よほど幻想的に見えたのか、わりと本気でこのままおとぎ話のように異世界へと行けるような気がした。
まぁ、もちろんそんなことはありえるはずがないと思っていた。
思っていたのだけれど。
「やぁ。相変わらず変わったことしてるね、スズネ。」
手のひらからこぼれ落とした品々から、謎の笑みを浮かべる彼へと目線を移し、黙って見つめた。
「そんなに暇なら君をまた審判してあげようか?思い切って行動するか、諦めるか。」
『どうせ、前と答えは変わらないんでしょ?』
どちらにせよ行動には移せないのだ。
『何が正しいのかなんてわかってるんだよ。この行動にどれだけ意味がないのかも。それでもね・・・・衝動に身を任せたくなる時があるんだ。』
そう、わかってる。きっと危惧していることは起こり得ないのだろう。
だからきっと、語るほどの意味なんてないのだ。
幻想になど頼れるはずもない。
「現実が見えてるならいいけどね。やれやれ、本当に君は厄介そうだ。」
ここの住人の人達には何故か私のことを知っているかのような口ぶりをされる。
特に審判小僧には。
誰も知らないはずの自分の心情を知られているというのは、私にとっては恐怖というより安心と呼べるものだった。
「よし、なら次は君が納得するようなジャッジを用意してくるとしよう。楽しみにしていてくれ。」
『うん。楽しみにしてるね。』
それまでは審判小僧の言うとおり大人しくしているとしよう。
異界に行くのは一回で十分なのだから。
〆