おそ松
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「君は誰だい?」
暗闇の世界で、虚ろな目をしてこちらを見てきた人。
それは紛れもなくカラ松だった。
私はカラ松を知っている。
画面の向こうで【カラ松事変】でのカラ松を眺めていた一人だ。
『カラ松・・・?』
「俺を、知っているのかい?girl。」
目の前にいるカラ松は、画面の向こうで喜劇を見せていたような明るい彼ではなかった。
これは夢なんだろうか。ここはどこなんだろうか。
わかるのは、ここがすごく暗くて寂しい世界で、私とカラ松だけだということ。
『カラ松、大丈夫?』
「心配してくれるのか?この俺を、君は気にしてくれるのか?」
『もちろん!だって私、カラ松大好きだし!』
「なんてことだ、信じらない。まさかカラ松ガールが、俺に会いに来てくれるなんて。」
カラ松は弱弱しく微笑む。
え、これ現実?夢?
どちらにせよ嬉しいけど、素直に喜べない。
病んだ彼も好きだけど、やっぱり彼が心配で。
「これが現実だったらいいのに。」
頭の中にこれまでの記憶らしき感覚が流れる。
兄弟からの裏切り、仕打ちの痛み、一人になった寂しい後景。
どうやらここにいるのは【カラ松事変】の後に病んでしまったカラ松であることは間違いないようだった。
そうして私はやっと理解する。
実際にあんな目に遭って、病まない方がおかしいのだと。
『カラ松、帰ろう。』
「帰るって、どこへだい?俺が帰る場所なんて。」
『帰る場所ならあるでしょ。おそ松くんたちのところだよ。きっと皆心配してるよ?』
「誰も、俺のことなんて心配してはいないさ。誰も俺を愛してはくれないんだ。」
『・・・そうだね。あの世界で、そんな都合の良い展開が絶対あるなんて綺麗ごとは言わないよ。でも、それでも私は帰ってほしい。』
「なぜ?」
理由ならいくらでもある。
『バッドエンドは嫌いなの。幸せそうなカラ松を見たい。六つ子で絡んでるのが見たい。っていうか六つ子じゃないと【おそ松くん】じゃない。』
正しくは【おそ松さん】だけど。
『あとさ、今のカラ松はきっと大事なことを忘れてると思う。』
「俺が、何を忘れてるんだ?」
『兄弟のことが大好きってこと!』
たしかに酷いことされたけど、辛かっただろうけど。
私の知ってるカラ松は誰より兄弟のことを想ってたはず!
【おそ松くん】の頃から、【おそ松さん】になっても。
『今でも、好きなんじゃないの?』
期待を込めて見つめる。
「俺は。」
カラ松の目には、光が戻っていた。
『帰れそう?』
「あぁ。世話をかけたなカラ松ガール。そういえば、君の名前は。」
『スズネです。これからも活躍、応援してます!』
「ありがとう!スズネ!」
カラ松が、私の名前を呼んでくれた!
そんな喜びをかみしめていると、だんだん目の前が真っ白になって。
カラ松も何も見えなくなった。
『やっぱり夢かぁ。』
しばらくして、私は自宅で目を覚ました。
うん、当たり前だよね。
でもそれにしては妙にリアルだった。
そんなことをいつまでも考えながら外に出た私。
すると、後ろから聞き覚えのある声がした。
『「え。」』
今度は、いつものように明るいカラ松がそこにいた。
「スズネ!」
『え、ええー!?』
まさかのオチである。
今度こそ現実?それともまた夢?
困惑する私をよそに、カラ松はさも嬉しそうに駆け寄ってくる。
それを当然のごとく、一緒に歩いていた他の兄弟が横暴に妨害してきたのだが。
『か、カラ松しっかりー!!』
彼の苦労は絶えないようだ。
〆
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
もしカラ松が病んでしまったらの世界のトリップ夢主。
【カラ松事変】の影響で、シリアスなカラ松の二次創作をたくさん見かけました。
救われる話も多かったのですが、あらゆる悲劇の主役にも結構なってるんですよね。
悲劇に愛された男だなぁと印象に残りました。
こんなの書いてる自分が痛い痛い痛けれど消化できて満足です。
暗闇の世界で、虚ろな目をしてこちらを見てきた人。
それは紛れもなくカラ松だった。
私はカラ松を知っている。
画面の向こうで【カラ松事変】でのカラ松を眺めていた一人だ。
『カラ松・・・?』
「俺を、知っているのかい?girl。」
目の前にいるカラ松は、画面の向こうで喜劇を見せていたような明るい彼ではなかった。
これは夢なんだろうか。ここはどこなんだろうか。
わかるのは、ここがすごく暗くて寂しい世界で、私とカラ松だけだということ。
『カラ松、大丈夫?』
「心配してくれるのか?この俺を、君は気にしてくれるのか?」
『もちろん!だって私、カラ松大好きだし!』
「なんてことだ、信じらない。まさかカラ松ガールが、俺に会いに来てくれるなんて。」
カラ松は弱弱しく微笑む。
え、これ現実?夢?
どちらにせよ嬉しいけど、素直に喜べない。
病んだ彼も好きだけど、やっぱり彼が心配で。
「これが現実だったらいいのに。」
頭の中にこれまでの記憶らしき感覚が流れる。
兄弟からの裏切り、仕打ちの痛み、一人になった寂しい後景。
どうやらここにいるのは【カラ松事変】の後に病んでしまったカラ松であることは間違いないようだった。
そうして私はやっと理解する。
実際にあんな目に遭って、病まない方がおかしいのだと。
『カラ松、帰ろう。』
「帰るって、どこへだい?俺が帰る場所なんて。」
『帰る場所ならあるでしょ。おそ松くんたちのところだよ。きっと皆心配してるよ?』
「誰も、俺のことなんて心配してはいないさ。誰も俺を愛してはくれないんだ。」
『・・・そうだね。あの世界で、そんな都合の良い展開が絶対あるなんて綺麗ごとは言わないよ。でも、それでも私は帰ってほしい。』
「なぜ?」
理由ならいくらでもある。
『バッドエンドは嫌いなの。幸せそうなカラ松を見たい。六つ子で絡んでるのが見たい。っていうか六つ子じゃないと【おそ松くん】じゃない。』
正しくは【おそ松さん】だけど。
『あとさ、今のカラ松はきっと大事なことを忘れてると思う。』
「俺が、何を忘れてるんだ?」
『兄弟のことが大好きってこと!』
たしかに酷いことされたけど、辛かっただろうけど。
私の知ってるカラ松は誰より兄弟のことを想ってたはず!
【おそ松くん】の頃から、【おそ松さん】になっても。
『今でも、好きなんじゃないの?』
期待を込めて見つめる。
「俺は。」
カラ松の目には、光が戻っていた。
『帰れそう?』
「あぁ。世話をかけたなカラ松ガール。そういえば、君の名前は。」
『スズネです。これからも活躍、応援してます!』
「ありがとう!スズネ!」
カラ松が、私の名前を呼んでくれた!
そんな喜びをかみしめていると、だんだん目の前が真っ白になって。
カラ松も何も見えなくなった。
『やっぱり夢かぁ。』
しばらくして、私は自宅で目を覚ました。
うん、当たり前だよね。
でもそれにしては妙にリアルだった。
そんなことをいつまでも考えながら外に出た私。
すると、後ろから聞き覚えのある声がした。
『「え。」』
今度は、いつものように明るいカラ松がそこにいた。
「スズネ!」
『え、ええー!?』
まさかのオチである。
今度こそ現実?それともまた夢?
困惑する私をよそに、カラ松はさも嬉しそうに駆け寄ってくる。
それを当然のごとく、一緒に歩いていた他の兄弟が横暴に妨害してきたのだが。
『か、カラ松しっかりー!!』
彼の苦労は絶えないようだ。
〆
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もしカラ松が病んでしまったらの世界のトリップ夢主。
【カラ松事変】の影響で、シリアスなカラ松の二次創作をたくさん見かけました。
救われる話も多かったのですが、あらゆる悲劇の主役にも結構なってるんですよね。
悲劇に愛された男だなぁと印象に残りました。
こんなの書いてる自分が痛い痛い痛けれど消化できて満足です。