永遠の二人へ
優雅に微笑む月のプリンセス。
貴女は今も笑っていますか?
「星野?」
バルコニーで外の空気を吸っていると、夜天が声を掛けてくる。
「せっかくのパーティーなのに、こんなトコで涼んでていいの?」
「もう切り上げる頃だし、いいじゃないか」
今日はキンモク星、丹桂王国の復興セレモニーが行われた日。各国から様々なキング、クイーンが訪問されたけど、その中に『あの子たち』の姿はなかった。
「まーた気にしてる」
「だって、別れの挨拶すらできなかった」
「それはどちらに対してですか?」
大気だった。まだわたしが彼女へある種の想いを抱いていることへクギを刺しに来たのだろうか?
「両方だよ。あの子たちは幸せを掴めたのかなって……」
「こうしてわたしたちも復活できたんです。太陽系のみんなも元気にやっていますよ」
「そーだよ、それにもうすぐ表敬訪問で地球へ行くじゃないか」
そう、銀河の危機はセーラームーンによって救われた。ギャラクシアに滅ぼされた星々と住人は甦り、復興の道を辿っている。
そんな中、キンモク星を代表して火球皇女。つまり我々のプリンセスが改めて地球へ赴くことになっていた。もちろんわたしたちもそれに同行する。
「公の場じゃ私的な話もできないだろ? それにあの子はプリンセスだ」
「そんなの関係ないと思うけどなぁ」
「そうですよ。積もる話をすればいいじゃないですか」
「全く……」
みんな結構楽観的というか、遊びに行くつもりなんじゃないかと思わせる素振りだ。国同士の大切なイベントだというのに。
「それなら、こういうのはどうかしら?」
「プリンセス!?」
抜け出してきちゃった。とお茶目にウインクをしながらこちらへ来るので流石の二人も驚いているようだった。
「いいんですか? こんな所で雑談していて」
「いいのよ、ああいう場所は堅苦しくってイヤになっちゃうもの」
体を伸ばしながら愚痴をこぼす姿を見ていると、何だかあの子を思い出す。
「それより星野、貴女を使者に任命します」
「使者?」
「わたしたちが正式に地球へ赴くこと、あちらのプリンスとプリンセスに伝えてください」
「プリンセス……」
これは紛れもなくわたしの想いを知ったうえでのご厚意。公私混同だとも思ったけれど、このチャンスを逃したら一生後悔する。そう思い大きく頷いた。
「ありがとうございます」
「素敵なお土産話を待ってるわね」
「プリンセス……それが目的とか言いませんよね?」
夜天が汗を流しながら問うと、プリンセスはわざとらしく目を逸らしながら笑っていた。
貴女は今も笑っていますか?
「星野?」
バルコニーで外の空気を吸っていると、夜天が声を掛けてくる。
「せっかくのパーティーなのに、こんなトコで涼んでていいの?」
「もう切り上げる頃だし、いいじゃないか」
今日はキンモク星、丹桂王国の復興セレモニーが行われた日。各国から様々なキング、クイーンが訪問されたけど、その中に『あの子たち』の姿はなかった。
「まーた気にしてる」
「だって、別れの挨拶すらできなかった」
「それはどちらに対してですか?」
大気だった。まだわたしが彼女へある種の想いを抱いていることへクギを刺しに来たのだろうか?
「両方だよ。あの子たちは幸せを掴めたのかなって……」
「こうしてわたしたちも復活できたんです。太陽系のみんなも元気にやっていますよ」
「そーだよ、それにもうすぐ表敬訪問で地球へ行くじゃないか」
そう、銀河の危機はセーラームーンによって救われた。ギャラクシアに滅ぼされた星々と住人は甦り、復興の道を辿っている。
そんな中、キンモク星を代表して火球皇女。つまり我々のプリンセスが改めて地球へ赴くことになっていた。もちろんわたしたちもそれに同行する。
「公の場じゃ私的な話もできないだろ? それにあの子はプリンセスだ」
「そんなの関係ないと思うけどなぁ」
「そうですよ。積もる話をすればいいじゃないですか」
「全く……」
みんな結構楽観的というか、遊びに行くつもりなんじゃないかと思わせる素振りだ。国同士の大切なイベントだというのに。
「それなら、こういうのはどうかしら?」
「プリンセス!?」
抜け出してきちゃった。とお茶目にウインクをしながらこちらへ来るので流石の二人も驚いているようだった。
「いいんですか? こんな所で雑談していて」
「いいのよ、ああいう場所は堅苦しくってイヤになっちゃうもの」
体を伸ばしながら愚痴をこぼす姿を見ていると、何だかあの子を思い出す。
「それより星野、貴女を使者に任命します」
「使者?」
「わたしたちが正式に地球へ赴くこと、あちらのプリンスとプリンセスに伝えてください」
「プリンセス……」
これは紛れもなくわたしの想いを知ったうえでのご厚意。公私混同だとも思ったけれど、このチャンスを逃したら一生後悔する。そう思い大きく頷いた。
「ありがとうございます」
「素敵なお土産話を待ってるわね」
「プリンセス……それが目的とか言いませんよね?」
夜天が汗を流しながら問うと、プリンセスはわざとらしく目を逸らしながら笑っていた。
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