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  • 〝読み切り裏話〟について

    20240225(日)17:45

     こんにちは。


     いきなりですが、

    〝あれ〟をどう受け止めるか。


     そのことについて書いてみたいと思います。



     ◇



     昨日(2024/02/24)、原作者先生(以下、先生)と奥様によるYouTubeでの配信がありました。1月末にジャンプ本誌に掲載されたアイシの特別読み切りについて語るというテーマでした。
     配信開始まで獺祭でいっぱいやっておられたという先生。奥様と丁丁発止の掛け合いを見せながら様々な裏話を聞かせてくださいました。

     以下、「」内は先生のお言葉です。

    「21周年記念をやろうという話は1年くらい前からしていた」
    「やるならファンへの感謝として」
    「ではファンが何を見たいと思っているか」
    「マスの部分がそれ! と思ってくれるのはやはりセナとヒル魔の対決だろう」

     先生は担当さんとそんな話をしていらしたようです。

     お話は次第にコミックスの最終巻、最終話の話題に移ります。

    「大学のトップと社会人のトップがぶつかるのがライスボウル」

     そうですね。
     栗田とヒル魔とムサシ、別々の道を行くことで〝これからは三国志だ〟ということになりました。

     ところが。

     2021年度にライスボウルはルールに大きな変更がありました。
     〝社会人対学生〟ではなく、
     〝社会人対社会人〟の試合へ、という転換です。
     ここに先生の言及は続きます。

    「ではアイシはどうなるの(という問題がある)」
    「作中の世界ではどうなるの」
    「読み切りだとこの点が説明しきれない」

     そして。

    「ムサシが顔を出すとこの問題が出てくる」

    「この問題、(すなわち)ノイズが出てくる」



     そこで、先生はムサシを



    「ややこしいから出せなかった」



     とおっしゃいます。



     そうおっしゃいました。



     言うまでもなくムサシは泥門高校を卒業後、武蔵工バベルズというクラブチームを創立しています。キッドや峨王とともに。
     そのキッドや峨王は、読み切りではスタンドにいる場面が描かれていました。
     これについて先生がおっしゃるには

    「(彼らは)読み手にとって、どういう進路を選んだかよく分からないだろう。だから出しても大丈夫だろう」(ムサシや社会人チームを読み手に連想させるようなキャラではない。従って出しても問題はない、ということのようです。)

     そしてなおも先生は続けます。

    「赤羽、コータローはキックチームのシンボル」

    「彼らを出してしまうとどうしてもそこからムサシへと(読み手の)連想が行ってしまう。だから(ムサシだけでなく赤羽もコータローも)出さなかった」



     上記のまとめとして、先生は言っておられます。
    「(ライスボウルのルールが変わったことで)社会人リーグを出すと色んな問題がある。だから(ムサシたちは)出さなかった」



     この後、ある方の質問に先生は答えておられました。読み切りに登場しなかったデビルバッツのメンバーはどうしているの? というご質問でした。

    「小結はバベルズ。読み切りの最後のプレーで(炎馬の一員として)出てきたのはよく似た別人」

    「雪光は医大」

    「黒木と戸叶はバベルズ」

    「十文字にしゃべらせると黒木戸叶はどうなのということになる(だからしゃべらせなかった)」

     そう話してくださいました。

    「コミックス1冊分書けたら良かったんだけど……」
     とも。



     奥様からも質問がありました。
     結局、読み切りではセナとヒル魔どっちが勝ったの? と。

     それに対する先生の答えは。

    「あはは。対決することが大事だからね笑」
    「(完成画を見たら)いい感じに分かんない感じで良かった」
    「6:4でセナが抜いた……かな?笑」

     先生のお話は上記のように進んでいきました。





     以前の日記で、私はこの特別読み切りについて自分なりの思いを書きました。
     ひとつはセナとヒル魔の対決について。
     これはセナの勝利に終わったのだろうなと。
     そしてもうひとつがムサシの不在についてです。
     ネタバレ配慮やその他に何か理由があったのだろうとこの日記に書いたことを覚えています。



     ただ。



     ムサシの不在。それが上に記したような先生のお考えからだとは全く、予想だにしておりませんでした。



     えっ……?



     ルールが変わった……から……??



     「これが読みたかった、そうファンから言われるようなものを作ろう」

     この先生のお気持ちは理解できます。
     それならまずセナとヒル魔の対決だろう、そう考えるお気持ちもわかります。

     だけどムサシについては、つまるところ



    〝現実(リアル)と照らし合わせた時に不自然になるから出せなかった〟



     ということですよね。

     ある意味、これはこだわるところにこだわり抜く先生らしい部分なのかもしれません。

     理屈は分かります。理屈は。でも。





     正直に言います。



     私は寂しいです。



     私はとても寂しいです。



     あの場にムサシがいなかったことが。
     とてもとても寂しくてたまりません。



     これは私だけが感じる寂しさでしょうか。

     私にはそうは思えません。
     X(Twitter)やあの配信の視聴者の方々、私と同じような寂しさを持つ方は少なくはないのではないかと感じます。

     先生のおっしゃる理屈は分かる、でも感情がついていけていない。

     そんな心持ちです。



     ただ、配信の中で先生はこんなことも言っておられました。
    「好きな漫画の最終回が昔からすごく悲しかった」
    「(好きな)キャラクターたちにもう会えないんだというのが嫌だった」
    「(だからアイシでも、連載が終わって)キャラがなくなったわけじゃない。生きて動いていくんだよと昔話した」
    「カメラに映ってないだけで生きてるよ」



     このうちの最後のお言葉。

    「カメラに映ってないだけ。生きているよ」

     先生の思いはまさにこれに凝縮されているのではないかと思います。



    〝たまたま〟映らなかった。

     でも「生きてる」。



     このお言葉を今噛み締めています。これからもずっとそうしようと思います。



     先の日記に書いたように、セナだけでなくヒル魔もムサシも、栗田も他のキャラクターたちもみな生きている。
     この空の下。いのちを持って暮らしている。

     無論、ムサシだってそうです。

     きっと生きて動いて暮らしていくのだと思います。



     


     描かれなかったムサシ。

     やっばり生きてる。

     生きて、あの読み切りの中のどこかでヒル魔の勝利を信じてる。

     そんな風に思います。




     正直なところを言いますと、配信を聴きながら非常にモヤモヤした思いを抱えていました。
     が、聞き書きしたメモを読み返して整理してみると、(当たり前ですが)先生はアイシという作品を心から愛しているのだと感じます。
     その思いが読み手と食い違うこともあるかもしれない。でも作品を愛する気持ちは読み手だとて同じ。
     だから、読み手としての私は今抱いているこの寂しさを飲み込もうと思います。
     あの場に居ないムサシを思うと寂しい。けれどムサシは生きている。ヒル魔や栗田やセナと同じように。

     生きている。

     そう思います。



     寂しいけど信じる!!!!




     理屈はどうあれ、お時間を作って語ってくださった先生には感謝しております。
     そして、ここまでお読み下さったレディにもお礼を申し上げます。ありがとうございました。
     今日の日記はこのあたりでおしまいです。

     最後に私から先生へひとつだけ。





     ネームやりながら泣いてた場面トップ3、二つは語ってくださりありがとうございました。

     あとひとつはどの場面なんですか!!!!

     せんせいーー!!!!



    [了]

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    〝読み切り裏話〟について

  • 14年ぶりの!

    20240130(火)20:36
    「俺たちは全員」
    「痛いほど知っているはずだ」

    「かつて 泥門デビルバッツという 奇跡のチームがいたことを──」。

     

     作中のこの言葉を噛み締めながら読み切りを読了しました。

     こんにちは。
     久しぶりの日記の更新です。



     タイトルは以前から告知されていたので、ある程度ストーリーの予測はしていました。
     でもやはりいざ読むとなるとドキドキしますね!!

     以下、感想やその他を綴ってみたいと思います。

     思うままに綴るだけですのであまりまとまっていないかもしれません。
     お含みおきください。





     最初のページをめくるともうさっそくドアップ!
     セナと、そしてそしてヒル魔の!

     これだけでもうありがとうございますという気持ちになります…。

     そしてまた見開きのカラー表紙の右にセナ、左にヒル魔。
     ヒル魔の足元にあるBRAIN×BRAVEのタイトルロゴがすごくかっこいいなと思いました。これを眺めるだけでもわくわくします。

     ウィザーズのユニフォーム、良いですね。地獄のQBが白いユニを身につける。颯爽と見えますし稲妻のような赤い縦筋が入っているのも綺麗だなと眺めました。
     作中で描写されているのは甲子園ボウル。このような大試合の時には確か、どちらかが白っぽいユニを着けるという決まりがあったような気がします(うろ覚えなので誤りでしたらすみません)。ウィザーズのこのユニも「特別な試合のため」のものであったらいいなと思います。資金、潤沢そうですし(笑)。



     ヒル魔は相変わらずの金髪ピアス、私服は剣呑な黒づくめ。最先端の技術を熟知し駆使し、脅迫手帳も健在。試合中にガムは噛む、フェイクに巧み。
     推しが推しのままですごく嬉しいです。



     私は最京大学が関東にあると考えており、それも都区内にあるという設定で何度も作品を書きました。
     でもそうではなかったようですね。読み切りでは関西代表という位置付けのようです。
     ということはやはり、モデルとなっているのは。

     最京大学→関西学院大学(以下、関学)
     ウィザーズ→ファイターズ(関学アメフト部)
     なのかもしれません。

     この読み切りの中で高見がウィザーズを「無敗の王者」と言っていますし、その次のページでは新聞紙面に「無敗記録をまたも更新」と記されています。
     ウィザーズのこういう強さは、とても似ているんですよね。関学(のアメフト部であるファイターズ)に。

     X(旧Twitter)でもたびたび呟いているのですが、私は関東の大学が関学に敵わないことが以前から悔しくて仕方ありませんでした。交流試合でも甲子園ボウルでも、とにかく関東のチームに分が悪いのです。本当に。関東生まれの関東育ちとしてはとても悔しいです。
     でもこの読み切りを読んで、少し違った見方ができそうだなと思いました。

     関学はある意味「強くて当然」です。なんてったってあのヒル魔の進学した大学のモデルですから。
     関学の勝利。そういうニュースを目にしたら、今後は「そりゃヒル魔がいるから」なんて思うことができそうです(笑)。



     読み切り作中でヒル魔はドンと共に炎馬を訪れます。(黒の開襟シャツってなんなんでしょうね……意味が分からないですねえっちですね……)
     ここでは栗田がヒル魔を目にしてとても喜んでいます。この喜びようから考えると、泥門高校を卒業してから数年、あまり頻繁には会っていなかったようですね。創作をする際にどう描くか、このことはとても気になっていたものですから、一つの答えが出ていたように思います。

     読み切りを開いて最初にこのあたりまで読んで、学年はどのような設定なのだろうと考えました。ただ、読み進めていくと作中にチューボーが登場するんですよね。炎馬ファイアーズの一員として。それにウィザーズには番場や山伏も。

     つまり

     チューボー……1年
     セナ……2年
     ヒル魔、栗田……3年
     番場、山伏……4年

     ということなのかなと思います。
     

     
     ドンのチームに必要なのは走者か投手。
     セナかヒル魔、どちらかを迎え入れよう。
     そうドンは言っています。
     
     セナは当然のこととして、ヒル魔がドンとそのチームに評価されたことを私はとても嬉しく思います。ヒル魔の実力は数年前の高校世界杯ですでに知られていたのかもしれませんが。

     コミックスの32巻の巻末に、おまけページがあります。

     ここには帝黒のスカウトによる各選手たちへの評価が載っているんですね。

     5つ星が満点。

     で、ヒル魔に対する評価はというと。

     1つ星。

     たった1つ星です。

    「運動能力不足」

    「引き抜くにも値しない」。

     これが帝黒の評価です。

     コミックスでこれを見た時どんなに悔しかったか。

     クリスマスボウルのあと、帝黒スカウト団はもしかしたら手のひらを返したかもしれませんね。
     何食わぬ顔でヒル魔にコンタクトを取ってきたり、セナを引き抜こうとしたり。
     そんな場面があってもおかしくはないですし、またそれを泥門デビルバッツの面々は鼻にも引っかけなかったのだろうなと思います。

     そんなことを常々考えていたものですから、読み切りのこの展開は嬉しかったです。



     ドンとの会見のあと。ヒル魔とセナは二人で夜道を歩きます。
    「テメーに勝って頂点のプロに行く」
    「もうこんなもんも必要ねえ」
     そう言ってヒル魔は放り捨てました。長年肌身離さず利用してきた脅迫手帳を。

     ……あれ、絶対ヒル魔はあとで回収してると思うんですよ(笑)。

     切り札なんていくらあってもいい。
     ヒル魔ならそう考えるんじゃないかと思いますから。





     そして決戦の日。
     溝六先生はどういうポジションなんでしょうね。鈴音と一緒にいるから炎馬のトレーナーを務めていたのかもしれませんね。
     それと、炎馬には小結もいるようです。泥門高校を卒業してから運送業に就いていたはずですが……あれ?(このへんは深く考えないことにします)



     試合も大詰め、ヒル魔は大和にトスしたと見せかけて鷹へのパスプレーを選択します。
     鷹のキャッチ、ウィザーズのタッチダウン。

     アメフトの試合では特に、逃げ切りたいというような場面ではプレーで時間を稼ぎます。ヒル魔もここのタッチダウンでゲームセットとなるように無論計算していたはずです。ここで逆転して。
     でも炎馬の激しいプレッシャーでそうはできなかった。

     試合時間残り1秒。

     ここからあとは多分、読み手によってかなり見方が割れると思うんですが。

     私は。

     この時点で、ヒル魔は「敗れる」と読んでいたんじゃないかなあ……と考えています。

     もしくは、敗北の確率が限りなく跳ね上がった。

     無論ヒル魔のことですから諦めるなどという選択肢はない。ですが残り1秒あれば少なくともここでのセナにとっては十分すぎますし(本人は必死ですけれども)。



     最後のドライブはウィザーズのキックオフから始まります。
     ヒル魔のチームのキッカーは優秀でしょうから、かなり飛距離はあったと思います。ということは、炎馬は自陣のかなり深いところで守っていたはずですし、そこから陣地を獲らねばならない。
     リターナーはまず俊足の陸、でもすぐに振り返って後ろのセナへパス。
     ところがすでにそこまで一休が走り込んでいた。
     この辺の攻防は現実の、ナマの試合でも手に汗握るところです。
     
     セナの最後のランが始まります。ヒル魔はでも諦めていません。
     阿含がいますからね。
     最後のプレーをヒル魔は阿含に託したんですね。
     
     だ け ど。

     こんなこと言っていいのかどうか分からないけれどここは私のサイトの私の日記なのでここだけの話として発言しますが……



     誰よりもヒル魔が
     
     セナの勝利を信じていた

     ……のではないかと思うんですよね……。



     AIの判断では阿含を回避するのが最適解。

    「だからこそ」

    「行く」「だろ」

    「セナ」

     ヒル魔はそう言っています。
     
     なぜなら

    「最適解の先へ 勇気だけでもがき続ける」

    「それが人間(プレイヤー)」

     だから。



     最後までヒル魔は勝つことを諦めなかっただろうと思います。
    「死んでもトップ獲りにもがくのが たりめーだ」
     昔、高校世界杯の時もこう言っていましたしね。

     ただ、ラストプレーの阿含とセナの対決。

     セナが阿含を抜くだろうことを誰よりもヒル魔が信じていたのではないか。

     読了してみて、何度か読み返してみて、やはりそういう思いを抱きました。



     理論と勇気。
     もがき続ける勇気を持つ生き物、それが人間。
     読み切りは人という生き物の可能性をまた私に教えてくれました。
     連載終了から14年、しかも最終話のその後。
     創って下さった先生方には感謝しかありません。
     本当にありがとうございますという感謝の気持ちでいっぱいです。
     そんな気持ちとともに今日のこの日記を終え──





     ──いやいやいやいや




     待って待って待って待って(※早口)



     まだ終えられないです。



     だってあの男が──



     あいつ。
     
     あの男。

     アレ。




     あいつナニしてんでしょうね?!?!??!!!!???



     大事なヒル魔の、それも大一番の試合ですよ?!?!?!!?



     なんでいないの?!?!?!?!?!





     ……失礼しました。



     少し取り乱しました。



     一度読んだ時点で「居ないな、見落としたのかな」と考え、二度三度と読みました。

     でも何度読んでも居ませんね。

     ムサシ。



     その男ムサシ。



     この日記の冒頭で掲げたのは、読み切り作中の(大和の)言葉です。
     この言葉と共にデビルバッツの円陣が描かれていますが、そこにムサシは居ません。
     そして(目を皿のようにして探しましたが)スタンドにも。

     ムサシはおりません。



     えーーと……



     どうして居ないんでしょうか。


     
     友人と少し話したり見聞したりしたところによりますとですね。

     ①これから原作を読む人たちのために先生方が配慮した(ネタバレ回避)
     ②あの円陣はオフェンス勢のメンバーによるもの(ムサシはキッカー兼ラインバッカー、守備要員)

     などが挙げられるようです。また、私が目にしていないだけで他のご意見もあるかと思います。
     上のどちらもそうかと納得できるように思いますし、どちらが間違っていてどちらが正しいということもないと思います。
     
     ただここは(前述したように)私の日記なので好き放題に述べさせていただきますけれども。



     円陣の中にいないことはちょっと置いておいて。

     ムサシは、読み切り作中の時間軸の中で



     絶ッッ対に



     ①スタンドのどこかにいる(ヒル魔の勝利を確信しながら)
     もしくは
     ②ヒル魔が勝つと信じているから観戦に来なかった



     上の二つのうちどちらかだと思うんですよ……。

     

     どっちにしたって、ムサシは、ムサシだけはヒル魔の勝利を信じていたでしょう。
     ヒル魔の番、魂の恋人。
     その男であるムサシは。

     そしてこの試合で(おそらくは)敗れたであろうヒル魔が帰るのは東京の住まい。

     ムサシとの住まい。

     ドアを開けたらおう、おかえり、なんて淡々とムサシが迎える。

     そんな場面がまざまざと目に浮かびます。

     いつだってどこだって、どこにいたってヒル魔の帰る場所はムサシのいるところ。

     たった一人の、ムサシという男の隣がヒル魔の帰るところ。

     心からそう思います。






     ヒル魔とセナの決戦。

     もしもヒル魔がどこかで敗北を感じたとしてもあの大きな空の下、ムサシだけはヒル魔を、ヒル魔の勝利を信じていただろうな。

     そう思います。



     そして読了して改めて思いましたがやはりヒル魔はひょいと渡米しそうですね。大学卒業後。
     やれるとこまではとことんやってみてぇ。
     そうムサシに言って、じゃあなと身軽に出掛けて行きそうです。
     おう、行ってこいなんて言うムサシもまざまざと浮かびます。




     今回の読み切りから、もしかしたら何か思いついて書きたくなることがあるかもしれません。ただ、多分それはずっと先のことかと思います。
     心を動かされた時、それを飲み込んだり言語化したりするのに時間がかかる方なので。
     その代わり、現在書こうとしている構想に、可能ならば少しでもこの読み切りの要素を加えることができたらいいなと考えています。

     読み切りを読んでやっぱりヒル魔が好き、ムサシが好き、ムサヒルが好きとしみじみ思います。

     これからも励みます。

     つらつらととりとめもなく綴ってきましたが今日はこの辺で。

     この日記を書きながら思い出しましたが、以前に「試合中のヒル魔をスタンドでムサシが見守っている」という設定の小説を書いたことがありました。随分前の作品ですが『雨やどり』『追憶』などがそれです。もしも興味を持って下さったなら覗いてみて下さると嬉しいです。
     渡米するヒル魔とその帰りを待つムサシも書いたことがありまして、今思い出せる限りですと『快晴』がそれにあたります。手前味噌にもほどがありますが挙げさせていただきます。



     以上、久方ぶりの日記の更新でした。

     ここまでお読みくださりありがとうございました!

    【2024/02/05追記】
     今日の日中、原作者先生が仰っていました。「十文字は関西の強いとこ行ったんですよ」。
     これで最京大学は関西と確定しましたね…!
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    特別読み切り!

  • ムサヒルといけばな

    20230517(水)11:28
    こんにちは。ひさびさの日記の更新です。

    注文しておいた花材がようやく届いたので、ムサヒル&栗田&泥門デビルバッツのメンバーというイメージで生けてみました。いけばなのお作法を少し取り入れましたが、ほとんど自己流といいますか自由に生けています。
    design
    こちらはちょっと明るさが足りないので、時間を変えてお花の位置も少し変えて撮り直しました。それが下の画像になります。
    design
    中心部のアップ
    design

    四方に細かい緑葉を広げているのがドウダンツツジです。のびのびと、でも細やかにチームを、仲間を包容するムサシを表現しました。枝はあえて整理せず、繁るままにしています。
    中心部の輝くような黄色いルドベキアがヒル魔、オレンジのガーベラが元気印の栗田となっています。赤いガーベラはチームカラーということでやはり入れたいと思いました。
    他にもいろいろな花材を使いました。エリンジウム、スターチス、斑入りアオキ、ナルコラン。ムサヒル&栗田の周りに散りばめて、個性豊かなチームメイトたちを表しています。
    決して洗練されてはいない、泥臭いチーム。でも生命力とエネルギーに満ち溢れている。
    そんな我らが泥門デビルバッツを表現したつもりです。

    生けている間は本当に楽しくて、時間を忘れて夢中で取り組んでおりました。 

    ムサヒルのイメージでお花を生けてはというマシュマロをいただいてから、ずいぶん時間がかかってしまいました。
    マシュ主さまにお詫び申し上げるとともに、深く感謝いたします。生けさせてくださってありがとうございました。

    私1人の力では生まれなかった作品です。
    重ねてお礼を申し上げます。
    本当にありがとうございました!
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    ムサヒルといけばな

  • 王城戦

    20230221(火)12:53
     雁屋のシュークリームはメロンオイルが入っているそうです。
     バニラビーンズとメロンオイル。
     めちゃめちゃおいしそうですね。
     こんにちは、華丸です。
     べしょべしょ泣きながら王城戦を読み終わったので1週間ぶりに日記を更新したいと思います。



     11月23日、王城高校の学園祭。
     ヒル魔はVネックのシャツを着ているようです(207)。黒づくめでVネック、良いですね。こういう格好が本当に似合いますねヒル魔は。
     4段ぶち抜きでメイド姿を披露してくれる桜庭。
     格好は何ですがこの桜庭も成長しましたね。
     そんな桜庭をショーグンが見守っています。
     「強いからこそもがくのだ」と。
     良い指導者ですねショーグンは。
     進にビンタをかます(218)ような厳しいところもあるけれど、ホワイトナイツのようなチームの監督にふさわしい人物だと思います。
     良い指導者と言えば溝六先生もそうです。
     栗田のことを「仲間が増えるほど心が強くなるバカ」と表現しています(208)。
     理解と愛情のあふれる言葉。
     ホワイトナイツも、デビルバッツも指導者に恵まれています。


     決戦の日は雨模様でした。
     雷雨でなくて本当に良かった。
     どんな雨でも試合は中止にはなりませんが、雷だけは別です。選手が危険ですからね。
     試合前のコイントス(209)。
     普通ここで選択権を得たチームは先攻を選ぶものです。
     ヒル魔もそうでした。ここは定石通りに行ったんですね。
     尤も、超攻撃的なのが我らがデビルバッツですから、どんな試合でも先攻一択だろうという気もします。
     対する王城も気合十分ですね!
     猪狩は鎖をぶち破って雄叫びをあげていますし、またこの次のページの大田原が良い顔をしている。闘志あふれる、一人のフットボーラーの顔です。
     いよいよ開戦。見開きで王城と泥門の一声です。
     この、試合前のハドルというのは本当に見応えがあります。主将の声に皆が呼応して雄叫ぶ。空に轟く戦士たちの雄叫び。
     アメフトを好きになって良かったと思う場面はいくつかありますが、そのうちの一つがこの試合前の一瞬です。

     キックオフされたボールをキャッチして陣地を回復するのがリターナーの役目。
     役目柄、足の速い選手が担います。RBと兼任していることも多いです。
     フィールドを駆け抜けてチームのために陣地を回復する。そんなリターナーは見ていて胸のすくものがあります。
     ところがそのリターナーのセナに大田原が迫ります!
     大田原、いきなりどかんと丸ごと1ページです!
     かっこいいですね。
     初手から息もつかせぬ展開ですね。



     何度も繰り返すようですが私は十文字が好きで、その十文字の「見せ場」はやはり嬉しい。211話がカッコ良すぎますね、猪狩を何と片腕で! 止めていますから。
     この211話では猪狩の過去が語られますが、それを聞いたムサシが猪狩と十文字を評しています。

    「似てんな」

    「タイプがよ」

     ここを読むと思うのは、ムサシとヒル魔の口調も似ている部分があるなあと。
     どちらも口は悪いんですよね、決してお上品なんかではない。
     選手としても荒削り。洗練されたわけでは決してない。
     その、どこか似たもの同士のムサヒルがつがいであるということはとてつもなくエモいと感じます。

     猪狩と十文字の対決は続きます。
     212話の表紙は迫力ですね、猪狩によるQBサックの瞬間。
     阿含がヒル魔の頭を地面に叩きつけた場面と同じほどの迫力。
     後者はともかく前者は実際に見ていても迫力満点です。というか、見ているだけで怖いです。あんなプレッシャーを、QBというポジションはよく耐えてるなとつくづく思います。

     そういえばムサシは桜庭のことも評しています。

    「姿勢ってのは気持ちの持ちようだ」

    「闘う覚悟が変わったってことだ」

     ここのムサシはいい顔をしていますね。
     決してムサシは美形ではない。
     でも緊張に頬を引き締めた良い顔。
     いくら眺めても飽きません。

     桜庭のプレッシャーで、ヒル魔のモン太へのパスは2回とも失敗に終わります。けれどヒル魔はその2回の「捨てパス」で「読めた」と言う。
     試合を見ているとこういうことは度々あります。やはりパスプレーに多いのですが、例えば外側へのパスを何度かやって相手の出方を試す、見るということがあるようです。
     それでも泥門の攻撃は3度とも失敗。
     4度目は定石通りパントです。
     ムサシです。
     ムサシの出番です。

    「仕事だな」

     クッソ格好いいですね…!!(言葉が悪くてすみません…)

     この後のムサシのせりふ。
     そして49ヤードの堂々たるパントキック。
     漢気とはこういうことかと思います。
     つくづく、ヒル魔もいい男に惚れたものだと思います。
     本当につくづくと。



     泥門攻撃から王城の攻撃へ。
     ここでいわゆる「黒高見」が現れます(215)(笑)。
     Twitterでも呟いたのですが私はこの黒い高見(ずっと後の231話でも見られます)が割と好きです。
     過去の怪我ゆえに走れないQB。そういう高見だからこその黒さで、その黒さもちゃんと高見の一面だと思うのです。
     だからあの焼肉屋でのカマの掛け合いの場面なんか大好きです。QBはこうでなきゃ、とも思います。

     試合は混戦模様ですが緊張感とスピード感とユーモアが矢継ぎ早にやってきてぐいぐい引っ張られます。
     ムサシと十文字という「冷静組」のツッコミが楽しいですね(216)。
     本当にぐいぐいと読ませられます。

     王城の強気のパス守備。
     ヒル魔への度重なるブリッツ(217)。
     ヒル魔は進のトライデントタックルで倒されますがファンブルはしていません。
     死んでもボールは離さない、落とさない。
     ヒル魔らしいと思います。

     218話では進の回想シーンがあります。
     高1の栗田ヒル魔ムサシが創部10分で王城に試合を申し込みに来た。
     試合は99点取られて泥門の完封負けです。栗田は泣いていますね。
     この場面、石丸の後ろ姿が描かれています。この頃から助っ人をしてくれてたんですね。
     いい人だなあとも思うし、すごい人だなあとも感じます。
     だってデビルバッツにずっと加わって、すなわちその死闘にも加わってくれている。ついてきているわけですから。
     地味な普通の人として石丸は描かれていますが、決して「それだけ」ではありません。
     本当に、両先生方はよく描いてくださっていると思います。

     第2Qの開始直後、進にタッチダウンされて泥門は引き離されます。3-13。これ以上差をつけられるわけにはいきません(219)。
     こういう時、やはり栗田はヒル魔を頼るんですね。何か思いついたらしいヒル魔に声をあげています。
     いつもいつもヒル魔を頼りにしていた栗田。
     その栗田の変貌はもう少し先です。それも楽しみです。



     雨足は強まるばかり。
     激しい雨の中、「泥まみれの地上戦」(220)。

    「この世に無敵の奴なんざいねえ!!」

     はー……。

     丸ごと1ページの推しが尊い……。

     ここはヒル魔もいいんですがこのあと、栗田の後ろに浮かび上がるムサシの姿、そしてそのせりふも見応えがあります。言いながらムサシの脳裏には中学時代の3人の姿が浮かんでいる。それもイイですね。ヒル魔が持っているのは栗田の分のユニフォームです。そこも何もかももうじんと胸に来ます。
    「きずな」と口にしたりこうして書くのは簡単ですが表現するのは難しい。その難しい「きずな」というものを両先生方は十分に伝えてくれます。
     
     息詰まるハーフタイムを経ての後半戦。
     泥門にインターセプトの大技が出ます(225)。
     桜庭のボールをモン太が跳ね上げた。そのボールをヒル魔がキャッチしたのです。
     桜庭とモン太の身長は30㎝以上差があります。その小柄なモン太が試合の流れを引き寄せるかのような大技に貢献した。
     良い場面ですね。
     それにさらに良いのはこの失敗で桜庭が折れていないことです。

    「もう心で負けるもんか……!」

     危うく涙が出そうになります。
     モン太にも桜庭にも良い結果が出るように、そんな祈りを捧げたくなる場面です。
     しかも良い場面はこの後も続きます。
     憧れの本庄にフィールドで邂逅したモン太(226)。
     動揺して使い物にならないんじゃないかとヒル魔は危惧しましたが、そんなことはまるでなかった。

    「試合中に感極まってる場合じゃねえ」

     涙を拭う顔が最高にカッコいいです。
     
     泥門は王城ゴールに肉薄します。モン太へのロングパスのチャンス、だけど王城の守備は鉄壁。モン太を囲んでヒル魔にパスを繰り出させない(229)。
     悔しそうなヒル魔。
     ところがその表情が一転、いつもの悪魔笑いへ。


     
     今しかないというロングパスのチャンス。

     だからこそ

     走で行く……!!



     おッもしろいですねえ……!!!!
     ヒル魔はフェイクの達人。その手にもうボールはありません。
     こういうヒル魔の采配とプレーに私はいつも騙されます。手に汗握ります。
     エースランナー、セナの登場です!!

     
     どの試合もそうですが、この泥門対王城も激戦であり死闘です。セナの登場でタッチダウンして素直に勝つことができるならどんなに良いか。
     でもそうはならないから面白いんですよね……。

     王城の自殺点。
     ヒル魔のタッチダウンでついに泥門は逆転。
     その後はシーソーゲーム。



     29-34でついに残り2分半。
     泥門は残り40ヤード。
     もう皆が皆限界に近い。
     雪光も、モン太もそうです。
     そのモン太のタッチダウン(235)。
     残り1分15秒、でも王城は誰一人として目が死んではいません。大田原も、進も。
     大田原に至ってはあの栗田を青天させています。そして攻撃開始わずか数秒で中央付近までのビッグリターン。
     王城の反撃。
     鼻血を出したセナの代わりをヒル魔はベンチから探します(236)。
     そしてヒル魔が選んだのは──。

    「雪光」

    「16番」

    「雪光だ」。

     ……この辺りから私は涙が出ます……。



     進のタッチダウン。

    「欠片も止められない」ことを悟った雪光。

     止められないなら──。



     このプレーの後に雪光は言っていますね。

    「僕にできるのはここまでだ」

    「こんな些細なことだけだ」

     と。
     こうして文字を打ち込んでいても涙ぐむ思いです。
     私はどうしてもこの場面に、雪光によわい。
     「凡弱」の雪光だからこそ成し得たプレー。

     些細なんかじゃない。

     本当に些細なんかじゃない。

     泥門デビルバッツに雪光という選手がいてくれて本当に良かった。

     心からそう思います。



     雪光の残してくれた残り1秒。
     その1秒で泥門は勝利をもぎ取りました。
     240話では試合後の選手たちの姿が描かれます。
    「雨の日も晴れの日も」。
     そんなタイトルとともに。


     
     文字通りの死闘を泥門はくぐり抜けた。
     読み終わって改めてそう思います。
     でもこれは「終わり」では決してない。
     目指すはクリスマスボウル。
     さらなる高みへ。
     そしてまた改めて涙する場面がこの後も続きます。

     楽しみに読み返していきます。



     日記の更新はここでいったん止まります。
     次作の準備に取りかかるためです。
     また気が向いたらこの後の試合も振り返ってみたいと思います。

     ここまでお読みくださりありがとうございました。


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    原作読み返し日記

  • 神龍寺戦

    20230214(火)19:00
     こんにちは、神龍寺戦を読むのに2日かかった華丸です。

     突然ですが阿含の「天才」、天賦の才能は阿含が神様に頼んで持って生まれたものじゃないですよね。
     まして雲水のせいでもない。
     お父さんのせいでもない。
     誰のせいでもないから哀しいと185話を読んで思います。
     阿含がいくら神に愛された男(176)でも別に本人がそうしてくれと望んだわけではないですし。

     以下、ほぼ話順に書きたいと思います。



     さて20巻です。
     170話はリコのインタビューの回です。

     「おもしれえから」

     こう言い放つヒル魔の目、表情。
     本当にヒル魔は「とてシャン」だなと思います。
     とても美人(シャン)。※古めかしい表現です
     ヒル魔は男ですから美人なんて言葉はふさわしくないのですが、どうもここのヒル魔はとてシャンとしか私には言い表すことができません。
     171話の表紙は神龍寺の制服を着た栗田ムサシヒル魔の後ろ姿。
     体格差がとてもいいですね。
     たまらないですね本当に。
     夢のかけらというタイトルも。
     3人揃って神龍寺に進学するはずだった、ところが横槍が入ります。
     阿含です。

     「いらねーよテメーらなんか」

     こう放言していますね。

     阿含はそんなに栗田が羨ましかったのでしょうか。
     ヒル魔の「親友」の栗田が。
     阿含の行動は無論褒められたものではないですしここでむしろ阿含を気の毒と言ってしまっては栗田があまりにも救われない。
     でもとにかく阿含は栗田には繰り返しひどい言葉を浴びせています。
     気に入らない子をいじめる大きな駄々っ子のように。
     刺青したり誰彼かまわずカス呼ばわりしたり、あとヒル魔の頭を地面に叩きつけたり(175)してるけど。
     最悪の天才と溝六先生も言ってるけど(175)。
     ヒル魔の挑発にいちいちムキになってるところとあいまって、私には阿含が歳相応の男の子に見えて仕方ありません。むしろ歳相応というより子供っぽいかも。
     まるで栗田への嫉妬のような行動。
     頭脳も身体能力ももちろん阿含は並外れています、百年に一人の天才(175)ですから。
     でもやはり……という気持ちが拭いきれません。
     ナーガ戦を読めば読むほどそう思います。
     
     
     獅子搏兎を期する神龍寺はドラゴンフライという戦法に出ます。関東大会で誰一人として止められなかった、という。
     泥門は立ち向かいますがここで戸叶と黒木が雲水を潰しにかかるんですね。
     罠だと叫ぶムサシ。
     次に二人はボールキャリアになった阿含に向かいます。
     ここではヒル魔がムサシと同じことを叫ぶんですよ。
     こういう冷静さというのはヒル魔は言わずもがな、キッカーを務めるムサシにも必要なんだろうなと思います。

     この回でも阿含は栗田に冷酷な言葉を浴びせています。
     インタビューの時も栗田を酷評していましたし、この先の196話でもそうです。
     これはどういうことなんでしょうね。
     そんなに阿含は栗田が羨ましかったんでしょうか。
     もしかしたら阿含はヒル魔とならつるんでいけると思っていたのかもしれない(177)。
     でもヒル魔が「選んだ」のは阿含ではなかった。
     ことこの点において私は阿含が気の毒だなと感じます。

     178話ではセナが初めての顔を見せますね。
     あの温厚な、争うことの嫌いなセナが阿含の言葉に殺気立っています。

     3人の夢を馬鹿にするのだけは許さない……!!

     ところが泥門はどう見ても劣勢です。観客も席を立ってしまいます。
     しかもヒル魔の言葉。
     「もう勝ち目なんざねえ」
     178話はここで終わっています。
     引っ張られますね!!



     ヒル魔の言葉の裏。真っ先に気づいたのはムサシです。
     誰よりもまずムサシでした。
     そして次々とヒル魔の隠された意図(オンサイドキック)に気づくメンバー。
     もう読んでいて涙が出そうです。
     そして文字通り全員一丸となったオンサイドキック。
     ここで静かにスタンドを去る男がいます。
     葉柱です。
     頬を流れる涙が心に染みるようです。

     いよいよ泥門ボール。
     鍵を握るのは雪光。
     雪光です。
     私、泥門の体育祭でヒル魔が雪光を担いでいたシーンが好きです。
     体格差から言えば当然なのですけれども。

     雪光。

     雪光はヒル魔を恐れてはいません。脅されてアメフトをやっているわけでもありません。
     同級生です。ヒル魔の。
     こんな友人は(石丸もそうですが)ヒル魔にとってはまるで宝石のように貴重なものだと思います。
     そしてその伏兵、雪光のタッチダウン。
     危ないタッチダウンですねこれ、間一髪。
     もしも雪光がエンドゾーン手前で膝でもついてしまっていたらただのパスインコンプリート(失敗)に終わっていたでしょう。
     でもそうはならなかった。
     人の気持ち。強い思いというのは時に強い力を発揮するものです。
     雪光のプレーにそれを見た気がします。

     話変わりますがこの後もムサヒルシーンがありますね。
     阿含を煽りまくるヒル魔。
     あの挑発力はどっから湧くんだと呆れる戸叶。
     ここでムサシが一言。

    「まあ昔からだ 奴のアレは」

     あらまあ(笑)。
     どうしてこうこの男は「ヒル魔をよく知ってる」アピールをするんでしょうね!
     この場面、泥門はまだやっと1タッチダウン。神龍寺に大差をつけられて絶体絶命です。余裕なんか誰にもありません。
     でもヒル魔のことなら知り尽くしてるという顔。
     イイですね……。


     ドラゴンフライ対策はないの。
     そう栗田に言われたヒル魔はセナにある指示を出します。実はこれがヒル魔の布石でしたがそれが明らかになるのはやっと190話です。
     引っ張られますね!
     ムサシはセナの脚を心配しますがヒル魔は行くしかねえんだと答えます。このヒル魔は珍しく憔悴したような目。
     こういう目に私はすぐ騙されます。どうなるんだろうとついはらはらしてしまいます。無論、だからこそ面白いのですけれども。
     
     死に物狂いの泥門。
     その中で十文字(出ました私の好きな十文字)が魅せますね!! 184話で!!
     ラインというのは本来ボールにさわらないポジションです。投げるのはもちろんボールを持って走るわけでも捕球するわけでもありません。
     その十文字が、しかも阿含に捕まりながらも素晴らしい粘りと意地を見せます。タッチダウン。
     このあとが最高に可愛いですね、戸叶と黒木にキックされてます。しかも後ろからのキック。戸叶黒木は誰かの真似をしたんでしょうか。

     セナの脚が危険なための泥門タイムアウト。
     ここで金剛兄弟の過去が語られます。
     雲水は非情な言葉を口にしていますね。少なくとも私はそう思います。
     万能の弟へのせりふ。

    「凡人は踏み潰して進め」

    「そうしてこそ 俺が報われる」

     雲水が哀れです。

     こんな「呪い」を弟にかけなければならない雲水が。

     そして弟の言葉。

    「そのつもりだよ」

     こんな風に応える阿含も哀れです。

     本当に。




     雲水は悪人なんでしょうか。
     私には分かりません。
     阿含は悪人なんでしょうか。
     これも私には分かりません。

     ただこの兄弟が哀れでなりません。
     恵まれた立場のはずのこの兄弟が。



     このあとのプレーではモン太が魅せてくれます。
     188話の表紙はモン太と一休。
     それが189話ではモン太の人差し指!
     タッチダウンです。

     読み返しを進めながら、このあたりから息をつくのももどかしいと感じました。一刻も早く読み進めたい、そんな気持ちで。

     そしてまたもムサヒルシーンです。190〜191話。
     ヒル魔の「三文芝居」に付き合うムサシ。
     ここを読むたびに思うんですが、連載と並行して、つまりリアルタイムでムサヒルをやっていなくてよかったのかもしれない、と。
     週刊でこんな場面を拝んでいたら萌えて萌えて、自分がどうなっていただろうと思います……(笑)。

     セナのタッチダウンで35対28。
     雲水は超安全策、ゴールデンドラゴンフライという手に出ます。
     しかも神龍寺のパントキックはこれ以上ないくらい上出来でした(192)。
     泥門のゴールライン目の前に落下しましたから。これでは泥門はエンドゾーンからエンドゾーンへ、ほぼ完全にフィールドを縦断するしかありません。その距離約97ヤード。
     この後はひたすら時間との戦いにもなるわけですが、

     モン太〜〜〜!!!!

     おまっお前……!!!!

     芝生、芝生……!!!!

     やったなあ、やったなお前……!!!!

     そう叫びたいですね心から(196)。
     でもここで終わりじゃないんですよね。
     
     栗田。

     ラストのプレーは栗田。

     栗田が魅せます。

     これ以上ないくらい最高のプレーを(199)。

     

     雪光。
     モン太。

     神龍寺戦で光ったのは「凡人」たちです。
     彼らは決して天才ではない。すば抜けた非凡な才能に恵まれているわけでは決してない。
     彼らを動かす「思い」というものの強さに私は惹きつけられます。
     人という生き物の無限の可能性がそこにはある。
     数日前の日記で私はプリキュアを語りました。
     彼女たちには可能性があると。
     泥門デビルバッツのメンバーも同じです。
     無限の可能性。
     その可能性をこれからも彼らは見せてくれるでしょう。
     
     王城戦。

     楽しみに読み返すことにします。
     それでは今日はこの辺で。


    追記
    今朝ちょっとゆううつなことがあったのですが神龍寺戦を読んでいたらそんなもの吹っ飛びました。推し活はよく効きます。


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    原作読み返し日記

  • 盤戸戦から抽選会

    20230212(日)19:19
     キックオフ、パント、フィールドゴールキック。トライフォーポイント。
     アメフトにおけるキックというのは高い職人技が求められます。
     その割にキッカーというのは地味にしか扱われません。これは現実でもそうです。キックチームは縁の下の力持ち。盤戸の部員もそう言っています。
     ところが赤羽はそのキックチームの名を全国に轟かせてみせると言っています(159)。
     盤戸戦はどうなるのでしょうか。



     去年の盤戸は東京で唯一、王城から得点したチームだそうです。コータローがキックを2本決めて。
     ということはタッチダウンは無理でもフィールドゴール圏内までは陣地を進めることができたということです。
     コータローのキックは(そのように意識的に描かれていますから当然なのですが)綺麗ですね。誰かとは違うとヒル魔も笑っています(152)。
     ただ綺麗だからこその弱点もある。
     落下点を教えてるようなもんじゃねえかとのちにヒル魔は言っています(164)。
     そのヒル魔は映像を見ながら赤羽を「めんどくせえ野郎だな〜」と評しています。
     リードブロッカーでしかもパワーだけですら強い。何でもできる。
     ポジションはアメフトにおける「何でも屋」タイトエンド。
     試合前からヒル魔には瀧のことが頭にあったでしょうね。
     それでも何らかのアクションを瀧に対して起こしていないように見えます。
     試合中の成長はセナの、そしてデビルバッツの得意技。
     そんな変化を瀧に対しても待っていたのでしょうか。

     154話ではムサシの練習風景が描かれています。フーッと息を吐くムサシ。
     良い顔をしていますねえ。
     「網乃に勝ったくらいで」と言い放ったあの時とはもう違いますね。
     ムサシ自身のために、ヒル魔のために。そして泥門デビルバッツのために。
     そんな変化を心から嬉しいと思います。
     
     そして人気投票(155)。
     なんと主人公のセナを差し置いてヒル魔が1位です。
     「当然!」と笑っているような不敵な笑顔。
     いい顔ですねつくづく。
     この回では選手入場が描かれます。正体をもう隠さないことに決めたセナを筆頭に、一人ずつ。
     ヒル魔のコマが大きいのは読者サービスなんでしょうか(笑)。


     私はシーズン中はできるだけフィールドに足を運んで、試合観戦をすることにしています。
     オンサイドキックは何度か見ました。
     普通これは競り負けているチームが起死回生のために取る戦法です。ところが盤戸はそのオンサイドキックを初手から連発。
     最初のコータローのキックはフィールドのほぼ真ん中へんから蹴っているように見えます(156)。
     ということは約50ヤード。
     フィールドゴールというのは35ヤードくらいまでならほぼ確実に決まるそうです。このキックをコータローは決めていますから、熊袋記者の言うように「飛距離はない」(155)と評してしまうのは少し気の毒な気もします。
     盤戸はオンサイドキックの連続でゴールラインまでわずか7ヤードに迫り、そこでまたFGを選択するのですがここにちょっとヒル魔の油断があったかもしれないと思います(157)。
     エンドゾーン7ヤード手前。ここまで来れば普通どんなチームでもタッチダウン狙いのプレーを選択します。ランまたはパスで。
     盤戸のFGポジションはフェイクでしかもそれをヒル魔は見抜いたのですが、それでも間に合わなかった。赤羽のタッチダウンを許してしまいましたから。
     でもヒル魔は自分の尻を自分で拭いましたね。このあと赤羽の動きを一瞬でも止めてボールを泥門のものにしていますから(158)。
     そして何より!!
     激しい赤羽のプレッシャーをものともしなかった男がいます。

     我らがムサシ。

     他でもない泥門デビルバッツ11番、ムサシです。
     きッッちりトライフォーポイントを決めましたね。
     そして赤羽への一言。

    「ん」

    「何かしたか 今」

     イイですねえ!!

     めっちゃムカついてた顔ですねこれ。
     たまらない顔ですねこれ。
     そしてヒル魔の高笑い。

     とんでもなく素晴らしいムサヒルですね!!!!



     赤羽を中心とする盤戸の攻撃と守備。
     泥門は攻めあぐねているようです。
     そこへセナのある申し出(161)。
     ここ、セナはヒル魔に申し出たんですが次のコマでヒル魔は栗田と顔を見合わせてるんですね。
     このコマも、ほんとうにイイですねえ……。
     栗田とヒル魔のコンビが私は本当に好きなんです。
     ムサシ不在の間、デビルバッツを守っていたふたり。
     きっとふたりで支えあっていたんだろうなと思うといじらしくていじらしくて。
     当たり前のことながら栗田にないものをヒル魔は持っていますし、ヒル魔にないものを栗田も持っている。
     お互いに足りないものを補いあって、支えあって、時には相手に救われたりしながらチームを守っていたんだろうなと思います。
     このコマにはそんな栗田とヒル魔の関係性が垣間見えている。
     何気ないけれど良いコマだなと思います。

     盤戸のキックの達人としてコータローは描かれていますが、そのコータローでも失敗することはある。
     前半でコータローが外した50ヤードのキックを、ムサシはここでもきっちり決めています。
     そして瀧への言葉(164)。

     闘い方一つで トッププレイヤー共に肉薄していく男を

    「何年も」

    「何年も側で見てきた」



     ……告白……?


     
     ムサシのような男からこういう言葉が出るとそれは盤石の重みを持つようですね。
     どんな思いで「見てきた」のでしょう。
     ムサヒルですね。
     これ以上ないくらい良いムサヒルですね。



     泥門対盤戸。
     例を見ないほど激しいキックゲームになった試合。
     この試合を制したのは泥門デビルバッツ。
     連載を読んでいて胸を撫で下ろした記憶があります。


     この試合の後、ヒル魔はムサシをモヒカンにさせています。
     責任を取るという気持ちはもちろんあったのでしょうが、本気で嫌ならムサシは拒んだと思うんですよね。
     それでもヒル魔の言葉に従ったというのは、やはりどこかヒル魔に対しては「弱い」からなんじゃないか。
     そう思うとついにやにやしてしまいます。
     ムサシはモヒカンにしてますます威圧的になりましたが、そのムサシの渋さと対照的なヒル魔が拝めるのが抽選会(168)。
     いつもの黒ずくめから一転、純白ですもんね。
     やっぱりこれは験担ぎなんだろうなと思います。白星、勝ち星。
     そしてこの抽選会では久しぶりに阿含が登場しますね。
     ワッルイですね阿含。ワルさ爆発してますね。瞳孔開いてますね。
     ここでだから言えますが私は阿含の初登場時「何だこの小悪党みたいなキャラは」と思ったのでした……。
     その後あの江ノ島のエピソードで大変分かりやすい悪役だなとは思ったものの、どうしても「小悪党」のイメージが抜けず。
     でもこの抽選会の場面を読んで、これは一筋縄では行かないなと感じました。
     セナは、ヒル魔は、デビルバッツはどう戦うんでしょうか。
     次巻も楽しみです。
     それでは今日はこのへんで。

     小悪党だと思っててごめんね……阿含……。

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    原作読み返し日記

  • 巨深戦後〜西部戦まで

    20230211(土)13:25
     ★(カッコ)内の数字は話数です。

     時々、どうして自分はムサヒルが好きなんだろうと考えます。
     ふたりとも性格がいい。
     顔がいい。
     つがいであることがいい。
     そんな風に漠然と思うだけでなかなかうまく説明することができないため、せめて書くもの(小説)で表現しようとしています。
     私はムサヒルを運命のつがいだと考えています。
     永遠の恋人。最上のパートナー。
     そう思っているので出来るだけ夫婦という言葉は使わないようにしています。ふたりは同性なので(※あくまで私の個人的な見解です)。
     ただそれでも亭主という語を使わざるを得ないこともあります。
     復帰した途端のムサシがそれで、銃をぐるぐる回すヒル魔の解説をするところなんか亭主面としか言いようがありません(笑)。
     今日はそこまでの所感を書いてみたいと思います。


     巨深戦が終わった後、泥門の体育祭。
     偵察に来たキッドをヒル魔が挑発しています(131)。
     わッるい顔してますねヒル魔。イイ顔ですね。
     本当にこの子は人を挑発するのが好きなんだなと思います。
     つくづく様子が良いし(※格好いいと言うより様子が良いと言うほかありません)可愛いですね。
     そして132nd down。
     栗田とヒル魔、原付に乗って城下町病院へ駆けつける場面。
     可愛いですねこの原付の二人乗り。
     ストーリー的にはもっとずっと先ですが中2のヒル魔は通学に折り畳み式の自転車を使っていました。これも可愛いです。
     推しは何をしていても可愛いです。

     巨深戦の勝率は五分五分。泥門はまさに辛勝しました。
     まして「東京最強」の西部と戦って勝つなんて至難の業です。
     「キックの点差がでかすぎる」。そんな風にヒル魔は言っていました(133)。

     少し話が変わるようですが、小説を書く時にいつも悩むことのひとつがタイトルです。
     とにかく毎回よく悩みます。悩んで悩んで、上手くつけられたと思うこともあればその逆もあります。
     アイシは毎回毎回、タイトルが秀逸ですね。
     特にここはもう最高です。
    「タイムアウトの夜明け」(16巻&141)。
     一体どうすればこんなタイトルをつけることができるんでしょう。
     ただただ感嘆するしかありません。

     テレビ中継されている試合を病院でムサシは見ています。
     私、ムサシがヒル魔を「あのバカヤロー」と表現しているところ(135)が好きなんですよ。きっと本心からそう思ってるんだろうなと微笑ましく感じます。
     どの試合もそうですが、この西部戦も見せ場が多いですね。
     モン太の派手な空中戦。1ページまるごと3兄弟(かっこいい…)(137)。
     そして何より駆けつけるムサシ!
     このシーンは心が震えます。涙する栗田の心に共鳴するかのようにどッと目が熱くなります。
     キックを決めたムサシの目はまるで生き返ったようです。
     17歳の夏。この夏をムサシはとても辛い思いで過ごしたのではないでしょうか。渡米するチームをただ見ていることしかできなかったわけですから。16の夏よりきっと何倍も辛かっただろう暑い季節。
     この夏を、そして夏も含めた1年半の空白をやっと埋めることができた(本当は埋めたわけではないのですが。それはクリスマスボウルで明らかになりますよね)。
     迷いのないムサシの目。そんな目を見られるようになったことが心から嬉しいです。
     嬉しいといえばヒル魔もそうですね、どれだけ嬉しかったでしょう。
     アスリートというのは普通姿勢が良いものですが、ヒル魔は時折猫背になっています。
     猫背で歩いたり猫背で(銃を回しながらw)考え事をしたり。
     カワイイですねえ。
     糞ジジイと胸に書いてあるムサシもカワイイ(142)。
     結論、推しは何をしていても可愛いものです(大事なことなので二度)。

     アメフトのプレーには定石というものがあって、この試合でもそうですがあと一歩でファーストダウン獲得なんていう場面では普通ランプレーを選択するものです。失敗するかもしれないパスよりランの方が確実に進むことができますから。
     ところがヒル魔は違う。
     意表をついたパスプレー、それも超ロングパス(143)。
     正攻法で行っても西部には勝てない。だからこその作戦であり戦術です。
     ひと試合ひと試合ごとに、どれだけその頭脳を振り絞っていることか。
     そしてその背景には何が何でも勝つという執念がある。
     全国大会決勝、クリスマスボウルにかける思い。
     この思いはヒル魔がひとりでに持ったわけではありません。
     栗田とムサシと、仲間と紡いだ夢です。
     だからこそ強い思いであり願いであるのだと思います。
     ムサシが戻ったことで、タッチダウンごとに7点獲得できる。そう騒いでいるセナたちに背を向けて一言「バカばっかしだうちは」(143)。
     この「うち」という言葉を使うヒル魔はつくづく愛おしいです。

     西部戦は泥門の敗北に終わりました。
     もともと勝率は「ほぼ0%」だった試合です。ムサシが復帰したからと言ってそれで勝てるような相手ではありませんでした。
     リアルタイムで連載を読んでいた頃、この結果にはたいそう驚きましたし気を揉みました。
     ただこの結果によって、物語はますます面白くなったのだと今は思います。
     次は盤戸戦ですね。
     一戦一戦ごとにじっくりじっくり読み返したくなります。
     楽しみです。

     大田原にぐるぐる巻きにされたコータロー(140)はいつ鎖を解いたんだろうと思う華丸がお送りしました。

    追記
     ヤンキー座りの3兄弟がカワイイ……(142)。
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    原作読み返し日記

  • 心臓がもたない(笑)

    20230210(金)19:07
     黒木は自分で「卑怯がモットー」と言ってますね。
     この「卑怯」は「ヒキョー」と読むそうです。

    「ヒキョーがモットー」。

     可愛いなあ。
     こういうのを見るともうにこにこしちゃいます。

     柱谷と巨深の試合後、ヒル魔がビデオを撮っていたまもりに「全部の数字洗え」と言っています。
     アメフトは単なる肉弾戦ではなく、徹底した情報戦でもある。そんな一面がよく表れていると思います。
     作戦(アサインメント)や戦略。そういったものを私はまだよく理解しているとは言い難いです。それでもやっぱり観戦は楽しい。
     試合というのはある意味生き物のようなものだと思います。たった1プレーでくっきりと明暗が分かれてしまうことがある。
     例えばそれはインターセプトであったりQBサックであったり。もしくはライン勢の激しい競り合いであったりします。
     ただ原作では両先生方はそういう描き方をされていませんね。要所要所に見せ場を作りながらも非常に巧みに試合の流れを作っておられる。
     現実も、そしてフィクションであってもアメフトは面白い。
     フィクションが面白いのですからまして現実はもっと面白い。
     そんな両先生方のアメフト愛が伝わってくるようです。

     水町の語る筧の過去、という形で「本物の」アイシールド21が登場しました。
     長身でしかもパワフル。その強靭な腕で敵をいなす。
     アメフトにはスティフアームという技があります。まさにそのスティフアームが「本物」は巧みです。
     NFLはもちろんのこと、この国の某強豪チームにも同じタイプの名RBがいます。
     片腕でタックラーを

     ぶっ飛ばす

     んですよ……。

    「何を見させられてるんだろう?」と自分の目を疑います。

     巨深戦と言えば泥門チビーズ。
     キックオフ前、あまりの体格差にチビーズは少し呑まれていましたね。
     そんな仲間にヒル魔が告げたのはなんとも格好良いせりふ。

    「背が高い方が勝つんじゃねえ」
    「アメフトが強え方が勝つんだ」

     で、次のページがアップで

    「ぶっ殺す!!」

     じゃないですか。

     そして121st downの表紙でまたアップと来て、ウィッシュボーンで真骨頂発揮。

     あの……………………

     待って供給が過剰……………………

     もうこれ心臓がいくつあっても足りないですよ。動悸息切れめまい。
     それでハアハアしながら推しを愛でてるといきなり

    「アハーハー!」

     てキラキラしたでかいの(失礼)のドアップじゃないですか。

     もうね、面白くて面白くて読むのがやめられなくなりますよ。
     先の展開は分かってる。
     分かってるのにぐいぐい引っ張られちゃう。
     しかも巨深戦のラスト2秒。
    「時計止めろー!!」
     絶叫するのは十文字ですよ十文字(しつこいですが私は十文字が好きです)。
     
     どうしてこんなに面白いんでしょうね……。

     読み返し作業、おそらくこの週末には16巻に手が届くと思います。
     あの16巻に。
     またここで叫ぶと思いますがどうぞよろしくお願いします。

     ポセイドンのチアの衣装はちょっとエッチだなあと思う華丸でした。
     
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    原作読み返し日記

  • 読み返し

    20230209(木)20:33
     こんにちは、自分のアカウントにログインすらできなくなった華丸です。
     告知用アカウントはもう大丈夫だと思いますが、日常用アカウントは未だキンキンに凍っています。
     でも諦めない。

     最近ぽつぽつと原作の読み返しをしております。
     忘れていた設定を思い出して冷や汗を流すことがよくあります。
     例えばNASA戦は7/20と原作に日付がありまして、私は過去これをもちろん読んだしメモも取っていたんですね。
     ところがその「メモを取った」という事実すら忘れている始末……(崩れ落ちる顔文字)。
     もうお迎えが近いのかもしれません(←)。

     今日の読み返しは主に11〜12巻でした。
     桜庭の鬚に見惚れ、そしてまたしても十文字の顔に見惚れていました(私は十文字が好きなんです)。

    「なら俺らの仕事は」「ルート作りだな」。

     かっこいい……!!
     私などが今更言うのも何ですが、アイシに出てくるのはみんないい子たちですね本当に。健気に成長する。
     セナを乗せて突っ走る葉柱の横顔なんか、なんていい顔なんだろうとしみじみ眺めてしまいます。
     みんな本当にいい顔。
     いい顔になる。

     だからこそ「網乃に勝ったくらいで」と言い放つムサシの目は胸にせまるものがありますね。一体どんな思いだったのかと考えると。
     
     王城は三閣に大差をつけて勝っていましたが、現実でもこういう大差はあるからスポーツというのは残酷なものです。
     これだけ差がついてしまうと、負けている側のベンチは本当に暗いんです。誰もが目を伏せて仲間と視線を合わせない、というような。
     昨シーズンのある社会人チームがそうでした。来季は少しでも好成績を上げてほしいと願っています。

     それと柱谷の試合の観戦中に黒木がホットドッグを食べていましたね。
     観戦しながらぱくつくスナックというのは本当に美味しいものです。応援するチームがリードしているなら尚更(笑)。
     流行病のせいで一時は観戦すらできず、売店も閉鎖され、という状況がかなりもとに戻ってきています。
     チアの号令にチアスティックやハリセンの音。賑わうスタンド。
     観戦は楽しいです。夏の炎天下や厳冬はかなり過酷な条件に置かれますけれども。

     考察や解釈というのが苦手なので軽い感想や所感を述べるくらいしかできませんが、時折こうしたことを書いていこうと思います。
     ご笑納くだされば幸いです。
     ではまた明日お会いしましょう(多分)。
     デビルバッツのキャップとTシャツが心底欲しい……。

     
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    原作読み返し日記

  • ムサヒルイメージの花

    20230208(水)17:04
     こんにちは。日常垢が凍りついたままの華丸です。
     先ほど思ったことを今日は少し。

     私は数年前から生け花を習っていて、その旨ツイートもしています。
     ある時マシュマロをいただきました。
     ムサヒルのイメージでお花を生けてはいかがですか、というメッセージでした。
     拝読してすぐ浮かんだのはヒル魔のイメージです。旺盛な生命力で咲き誇るルドベキア。そして次に浮かんだムサシのイメージが伸びやかに枝を広げるドウダンツツジでした。
     生き生きと葉を広げるドウダンツツジ、その下でまぶしく輝くルドベキア。私のムサヒルイメージを花で表現するならこのようになります。
     生け花(特に、盛花)のいわゆる約束事では、これにもう一つ何かを足して計3種類で生けるのが一般的です。
     ムサヒルに何か足すなら当然栗田。では栗田のイメージの花は何だろう。
     そう考えた時に、今日のお稽古でも使ったガーベラがふさわしいかもしれないと思いました。可憐な愛らしさがまさに栗田の性格を表しているような気がして。
     ドウダンツツジ、ルドベキア、ガーベラ。
     ムサヒルというより麻黄中トリオとなりますが、花材を揃えることができたら生けてみたいと思います。生け花の技術はまだまだですけれど出来るかもしれない、そんな気持ちになってきました。
     ただ、このマシュマロをいただいたのがずいぶん前なので、マシュ主様がジャンルを去ってはいないかと気がかりです。
     マシュ主様がここを見てくださるといいのですが。
     そしてもし「覚えてるよ」とだけでもご連絡くださったらいいのですが。
     ひそかに(?)お待ちしております。
     マシュマロそのものにはお返事したにもかかわらず、なかなか生けられなかったことをお詫びしたいと思います。
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    ムサヒルといけばな