*Laudate Dominum* 1
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重く厚い雲が空を覆い、冷たい雨を降らす。
何時もは見える月も、今日は見えないだろう。
昨日の月の事を思い出せば、今日はさぞかし綺麗な満月だっただろうに…。
雨を凌げる屋根の下、黒い仔兎は空を見上げながらふと、そんな事を考えて居た。
しかし、雨は凌げるが夏とはいえ風は冷たい。
通行人が拾ってはやれないが、コレくらいでもと、掛けてくれたタオル。
そのタオルを、〝分け合い〟、〝皆で〟身体を温め合う。
そう…この小さなダンボールには黒い仔兎以外に5匹の動物がいた。
それぞれ種類の違う生まれたばかりの小さな仔達―…。
「おやおや、身体を震わせて。可哀想に…」
突然聞こえた落ち着いた聲――。
「今日のワタシは機嫌がイイからね…助けてあげる」
楽しそうに言うそのヒト…。
この人物が巷を騒がしている〝魔法使い〟だと、
この時の仔兎達が思いも付かなかった。
ただこの時思ったのは、
ダンボール越しに伝わるその者の暖かい体温に
「このまま委ねてもいいか…」
と、只それだけが頭の中に広がった――…。
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