【OP夢】泡沫人【シャンクス】

「……というわけで、ダイアナ様は海賊になったのでした」
 テトリーの学校で、エイミーが昔話を子どもたちに聞かせていた。今日話したのは、海賊になった領主ダイアナ様の物語。子どもたちには人気の話で、何度も何度も話して!とせがまれるのだ。
「ねえ先生!いまダイアナ様は何してるのかな?」
 少女の疑問にエイミーはそうねえ、と空を見上げる。その時エイミーの頬を風が撫で、窓へ吹き抜けていった。その風がまるで彼女のようで、エイミーはくすりと微笑んだ。
「空を旅しているではないでしょうか?」
「え――!うっそだあ!」
「本当かもしれませんよ、何たって空から鐘の音が聞こえてくるのですから」

 ダイアナがテトリーから旅立った後、彼女はテトリーに帰ることはなかった。彼女がどのような旅路を送ったか、誰も知らない。ただ一人、彼女が最愛とした赤い髪の男を除いては。
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