地球最終防衛戦線 アルマゲドン


>序章

 21世紀末、休み無く働き続ける街ニューヨーク。
 しかし、今は違う。超高層ビルの高層階で最後の仕事を終えた男は、コーヒーを片手に窓辺にある椅子に腰掛けた。眼下には摩天楼が広がる。
 恐らく、この危機的状況で仕事をしていた人間はニューヨークであろうと、自分一人であろう。男が少し優越感を感じつつ空を眺めてコーヒーを口に含んだ。
 しかし、そのコーヒーを男は飲みこむことなく、呆然と開かれた口から滴らせた。
 男の見る空には、無数の隕石が飛来していたのだ。
「あぁ……神よ」
 男が呟いたのが先か、彼のいた超高層ビルは隕石によって崩れ落ちた。このビルだけではない、摩天楼が今は黒煙をあげながら倒壊していた。
 ニューヨークは瞬時にして壊滅状態になった。
 巨大隕石が衝突するまでの猶予は、20日となった。
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