惑わす絵
それからの松と正樹は、まさに憑き物が落ちたように清々しい笑顔で、朗らかにお茶とおやつを用意すると行って、席を外してしまった。
何故か怪盗φに盗みを成功させて逃がしてしまった吾郎達にもお茶とおやつを用意すると、断る暇も与えずに部屋に残されてしまった。
「百合さん、すみませんでした」
吾郎は丁寧に頭を下げて謝りながら、百合にかけた手錠を外した。
そして、百合がそれに対して何か言おうとするが、それを遮って吾郎が言葉を続ける。
「いえ……」
「それで怪盗φに絵の呪いを盗まれた報告、というか反省文を作らなくてはならないんですが、その為に絵の写真と顔料を少し取らせていただけませんか? すみません」
「それは出来かねます」
断りにくい流れを作り、すっと絵への間合いを詰める吾郎に百合は鋭い口調で断った。
吾郎の動きが止まり、笑顔で彼女を見る。
「写真は構いませんが、絵を傷つけることは当主として、できません」
「なるほど。ちなみに不都合でも?」
「呪いや秘密がなくなっても、この絵は当家の大切な宝物です。それ以外にお断りする理由はありません」
「そうですか。絵の顔料を調べられると不都合があるのかと」
「それ以上強要するのであれば、手錠をかけられたことを含めて正式な形で抗議をさせていただくことになりますよ」
吾郎と百合は一歩も引かない。
吾郎も穏やかな口調を崩さず、百合に揺さぶりをかけている。
「そうですか。しかし、そうなると警察も意地になりますよ? 例えば、誰が絵に施された呪いの仕掛けを壊したか? 何せ、警視の失態の疑惑となれば、警察も正当か不当かを調べないといけません。僕はこう主張することになります。草加部百合は怪盗φの仲間で、呪いを盗んだのは狂言だった。そして、仕掛けを解除した為、手錠をかける判断をしたと」
「………」
「その場合、捜査令状を持って、この絵の表面に施された細工を調べることになります。当然、その過程で科学捜査で顔料も調べられます」
「そこまでして、絵の顔料を調べるつもりですか?」
百合が吾郎を睨み付ける。
伝と片桐が間に入るが、二人とも距離を取らない。
「僕は知りたいんですよ。本当の五十鈴昭文の遺産の正体を。これは日本の安全そのものにも関わるものですからね」
「あなたはそこまでわかっていて、調べるおつもりなのですか?」
「それはつまり、百合さんはご存じだということですね? 強引な方法であれば、そちらの方法でも捜査をすることができます。勿論、遺産の正体を世に知られるリスクがあるので、僕は避けたいが!」
その時、二人の間を割って、竹志が絵の前に飛び込んだ。
そして、掛けられた絵をその手に取った。
「なっ!」
思わず伝が声をあげる。
「この秘密は外に知られてはいけない! 例え警察であっても!」
竹志は年齢に似つかわしくない覇気のある口調、そして先ほどとは全く異なる若々しい立ち振舞いで吾郎達を牽制する。
「何を言ってやがる!」
「違う、こいつは怪盗φだ!」
片桐が声を荒くさせると、伝が叫んだ。
その言葉に片桐は反応し、竹志に殴りかかる。
「このぉぉぉーっ!」
「っ!」
「何っ?」
片桐の拳、体は空振り、竹志は瞬時に身を翻して彼の背後に立つ。そのまま片桐は床の間に突っ込んだ。
「悪いが、捕まる訳にもいかない」
吾郎も手錠を回して、素早く竹志を掴もうと手を伸ばすが、まるでスローモーションでゆっくりと動きを見て交わすかのようにその体を掴むことができない。
「蒲生警視でしたね? 確かに、この絵は日本の治安を大きく揺るがしかねない危険が隠されている。だが、いや! だからこそ、このことは草加部家の秘密として隠しておかなければならない!」
「隠し通せる保証はありません! それに、既に呪いという拘束力はない。百合さんの代で手放すことはなくとも、将来の世代がこの絵を手放さない保証はない! 僕は一人の警察官として、その因子を紡ぐ必要がある!」
「それであれば、俺はこのままこの絵を盗む!」
「怪盗φが予告にないものを盗むのかい? それはキミのルールに反する。怪盗φを継いだのなら、そのルールも継ぐんだ! それが怪盗φであるキミに科された呪いです!」
「! ……やはり、気づいていたんですね?」
竹志は力を抜く、そして吾郎は静かに頷いた。
「僕は唯一の怪盗φの専任捜査担当です。彼のことは誰よりも理解しているつもりです。怪盗φは怪盗であり、泥棒ではない。ルールに反するなら、僕は容赦のない捜査で君を逮捕する」
「………わかった。ただし、科学捜査をするなら、改めて予告状を警察に送りつける。絵と科学捜査の資料を盗むと」
「しかし、この絵の顔料を知る必要は警察にはある」
「なら、このデータを代わりにあなたに託します」
竹志はポケットから取り出した紙を吾郎に手渡した。
吾郎はその内容を確認する。
「顔料を直接採取していませんが、顔料と類似する成分の一覧です。万が一、今後この一覧にある薬が出た時は」
「速やかに取締対象となるようにしよう。しかし、これをこの短い間に作成できたとは」
一覧を見て吾朗はしみじみと言った。
「怪盗φに不可能はない。これでこれ以上、警視がこの絵に関わる理由もなくなったはずです」
「そうだね。この一覧はあくまでも僕の持つ情報網からリークされた情報であって、この絵とは何ら関係のないものだ」
吾朗の言葉を聞くと、竹志は頷き、百合に絵を渡す。
そして、そのままスタスタと庭へと出ていく。
「待ちな」
伝の声に竹志は足を止める。
「一応、お前にはちょいちょいと時効を迎えていない犯罪があるんだ。前の怪盗φとは別人なのかもしれないが、重要参考人なのは変わらないんだ。それから、さっきのは捜査の妨害だ。その面、拝ませてもらうぜ」
「薬物のその情報、どうやって調べたのか教えてもらおうか」
伝と片桐は同時に竹志に襲いかかる。
しかし、竹志は掴まる瞬間に素早く身を翻し、庭へと降り、同時に上着を脱ぎ捨てた。
同時に顎に手をかけ、ベリベリと顔を剥がす。
そして、怪盗φの仮面をかけた九十九は、竹志の仮面を上着と共に脱ぎ捨て、そのまま塀へと向かう。
「やはり今の怪盗φは複数か。だが、お前であってもこの塀は登れまい」
伝が九十九との距離を詰めて言った。塀は3メートル近い高さがある。
しかし、九十九は仮面の下でニヤリと笑った。左腕の腕時計に右手を当て、腕時計を操作する。アールがε戦後に戦力強化の為、推理漫画の影響を受けて開発した「腕時計型ショックガン」は、象でも痺れる超強力な小型ショックガンだ。
九十九はショックガンをチャージするが、伝達に撃つのではない。
腕時計型ショックガンを自分に向けて連続で撃った。
「っ! っ! っ! っ!」
「「何っ!」」
九十九は、腕時計型ショックガンから放たれる光線を回避して、塀を連続で蹴り、塀を登った。
これこそ、九十九が能力を最大限にに活かす為の秘策だ。元々は腕時計型ショックガンを三波が試作試験した際に偶然発見されたものだが、その後の特訓で九十九はある程度任意の動きを行うことができるようになっていた。
塀の上に登った九十九は、眼下の伝と片桐が驚く様を愉快に見下ろしながら、明るく、昨日から考えていた決め台詞を口にした。
「怪盗φに不可能はない。いつもあなたの隣に不幸を盗みに参上します怪盗φをどうぞ宜しく!」
腕をぐるぐると回す動きと合わせて言うが、今朝三波とアールが観ていた特撮ヒーロー番組の影響で動きやポーズと言っている内容が合わず、ポーズを決めてから「不幸を盗みに~」と口上が続いてしまった。
帰って鏡の前で練習しようと決めた九十九は、そのまま塀を外に向かって飛び降りた。彼の体は猫が高いところから着地するように、体を捻らせて着地した。
そして、既に屋根の上から移動し、外で待機していた三波とアールと合流し、伝達に見つかる前に走り、バス停に着たバスへ飛び乗った。
「待てぇ! 逮捕だー! ……って、パトカーに乗って追いかけてこないわね? おじさん達も、とっつぁんにはまだ程遠いみたいね」
バスの最後尾の座席に座って、後ろを見ながら三波が言った。
人一人歩いていない道と小さくなっていく草加部村が見えるだけだ。
「まぁ、本当に追われてバスを止められたら大変だけどね」
「何いってるよ、ももちゃん! 怪盗だったらインターポールと神奈川県警のパトカーに追われないと、一人前とは言えないわよ?」
「そんな真剣な顔をして言われても。……それから一ノ瀬九十九だ」
そう言って九十九は座席にだらしなく寄りかかった。
元々九十九の能力は、本能的に迫る危険を瞬時に回避する能力であり、多用するものではない。今になって物凄い疲労感と全身の筋肉が悲鳴を上げだした。
「それで、結局あの絵の呪いって何だったの?」
座席でぐったりと目を閉じている九十九に、三波はまだバスの後ろを見つめながら聞いてきた。
九十九は目を閉じたまま答える。
「ちゃんと俺と警視が謎解いてたんだけど」
「あんな二人だけがわかってたような会話は謎解きとは言わないわ!」
「じゃあ、謎解きは怪盗φに盗まれました」
「ゴラァ! 面倒だと思って怪盗φを使うな!」
三波の声が耳元で響く、このまま帰るまで喚かれたら疲れが取れるわけもない。
九十九は溜め息をついて、謎解きを始めることにした。座席にだらりと寄りかかり、目を閉じたままで。
「まずあの絵の前に、五十鈴昭文の遺産がどんなものだったか? 温泉というのは松さん達を納得させて遺産探しを諦めさせるための嘘。顔料の凹凸を見て思い付いたでまかせだよ。本来の五十鈴昭文の遺産は、無敵の兵隊を生み出すこと。そして、その遺産は草加部家に残されたが、歳月と共にわからなくなった。つまり、いつもそこにある温泉ではない」
バスが左右に揺れだした。山のくねくねした道に入った。三波も酔うと思ったらしく、体を前に向き直した。
「しかし、数百年後に絵師がわからなくなっていた遺産を見つけた。といっても、俺の考えでは元々絵師は遺産の正体を知っていたんだと思う。そして、遺産を復活させた絵師は、草加部家に絵として遺産を残した。絵には呪いとして、ヒントを遺した」
「それがあのからくり?」
「そう。長時間特定の箇所を見ていると不安が高まったり、酷ければ幻覚を見る。あの絵は本来女性を見るように描かれているみたいだけど、背景を見ようとすると、特定の場所に目が向かってしまうように配置されている。……んだよね? アール」
「そうでぇ! おめえらが疎すぎたから偶々呪いにかからなかっただけでぇ! んで、何度もそれを繰り返すと、脳も学習しちまって、松みてぇに5分かかんねぇで症状が出るようになるんでぇ」
「でも、最初の日は絵を広げて話していたんじゃないの?」
「んなもん、絵を見ねぇで話してたんに決まってるでぇ! 別に見ねぇでも人に話すことはできるでぇ! 恐らく警察の前で緊張していたのもあるんでねぇか? からくりにかかるにもある程度リラックスしてねぇと難しいからな」
「ふーん」
「それで今朝、百合さんに協力してもらってからくりを解除する装置を渡したんだ」
「厳密には上書きでぇ! 掌に貼れるパッチ型の転写装置でぇ! 既に絵の解析は終わっていたから、背景のからくりに反応して、パッチから転写、上書きをする使い捨ての代物でぇ! 見た目にはまず気づくことはねぇけど、僅かに色合いやポイントになる背景の一部が書き換えられてるでぇ!」
「なるほどね。……で、そうやって面倒なことをしたからくりがどうヒントになるの?」
三波の問いかけに九十九は、片目を開けてじろりと見るも、丁寧に答える。
「幻覚を見せるもので、無敵の兵隊を作り、呪いにかかったような状態になるものといったら、思い付くのは薬物、それも覚醒剤だよ。つまり、絵の顔料こそが五十鈴昭文の遺産であり、覚醒剤なんだよ。そもそも覚醒剤が戦後に大量の中毒者を出して今尚撲滅仕切れていない一因に、取締がされる前は薬局でヒロポン錠の名前で市販されていたことと、戦時中の軍に支給品として用いられたことがあるんだ。疲労感等を一時的に取り除き、興奮、高揚をさせる覚醒剤は、命のやり取りをする戦争中の兵士にとって都合のよい薬物だったんだろうね。勿論、あとになって幻覚なども含めて重大な副作用があるんだけど、生きて帰ることを想定していなかったのだから、人として使い捨てになっても構わなかったのかもしれない。恐らく、五十鈴昭文の遺産は覚醒剤の一種。体が負傷しようと痛みを忘れて戦い続ける狂戦士を生み出すものだと思う」
「オイラも調べてみたけども、現在存在する覚醒剤などの薬物とは別のであることは間違いないでぇ! つまり、全く新しい覚醒剤っつー訳。んでもって、効果も更に強力な代物だと思うでぇ!」
「警視も俺も、そんな危険な薬物の存在が明らかになれば必ず悪用しようとする人にあの絵は狙われると思った。俺は絵の秘密を盗むことでその危険を取り除こうとし、警視は警察の取締によって危険を取り除こうとしたんだ」
「なるほどね。……金銀財宝がザックザクだと思ったのに。残念だわ」
「そんな欲に眩まれたことを言っていると、三波も呪われるぞ?」
「ふん。……それで、もう草加部家は呪いから解放されたの?」
「さぁね」
三波の問いかけに、九十九は片目だけ開けて答えた。
「何よ、呪いは全部盗んだんじゃなかったの?」
「絵の呪いは盗んだよ。絵に隠されたからくりも、遺産の正体という本家当主しか知らないってしきたりも、あの絵が呪われているという言葉そのものも、全部盗んだ。……だけど、俺にも盗めない呪いはあるよ」
「何?」
「松さんが自分にかけてしまった呪いさ。彼女が絵のからくりによって引き起こされ呪いは、彼女の後悔だ。あのうわ言みたいに言っていたことと、状況から考えて、松さんが何気なく言った言葉が引き金となって10年前の殺人は起こってしまったんだと思う。それを悔いた。つまり、己を呪ったということさ。それは、怪盗φだって盗めない」
そう言い九十九は、沈むように座席で眠りについた。
三波も彼を無理に起こそうとはせず、黙ってアールと共にバスに揺られていた。
数ヶ月後、夕焼けに染まる昭文神社の境内で九十九がまるで屍のように石のベンチに倒れていた。
「だから、私は無理しないで一泊してから戻って来ようって行ったのよ」
グビグビとペットボトルの炭酸飲料を飲みながら三波が呆れた口調で九十九に言った。
つい先程まで他県で怪盗φとして、旧家に囚われていた跡取りの美少女から悪夢と不幸を盗み、解放させてきたばかりだった。夕食までに帰ろうと特急列車に乗るために、現地からもうダッシュで移動したのだ。背後で追いかける美少女に吾朗が、「奴は大変なものを盗んで行きました。……あなたの心です!」と何処かで聞いたような台詞を言ってることに構う余裕もなく。
確かに、明日は学校が休みで一泊した方が身体的にも楽だ。
しかし、それは安易にすることはできない。
「忘れたのか? 草加部村から帰ってきたら、お前の親が万歳で迎えて夕飯に赤飯を出してきたことを」
三波も九十九も出発前に和也達卒業生と共に一泊二日の旅行に行くと家に伝えていたのだが、よりによってそのタイミングで和也と涼が三波、厳密にはアールを訪ねてきたらしい。そして、二人だけで外泊をしているとなり、舞い上がった親が完全に九十九を婿入れる作戦に乗り出してしまったのだ。
一人娘を連れ出して外泊したと聞けば殴られそうな状況だが、このチャンスは逃せないと本気で婿にしようとするあたりは、親も三波のことをよく理解していると素直に感心した。勿論、九十九が彼氏や婿に祭り上げられることは別問題だが。
ちなみに、九十九が夕食をご馳走になるときは、いつもより少し豪華になったので、三波は九十九を家に呼びたがっている。
「別にももちゃんが養子になっても、ももちゃんが昭文神社を継ぐんじゃないんだからいいじゃない。元々卒業後はちゃんと勉強して私が宮司になるんだから」
「はぁ~。別に俺は三波の進路を憂いではいない。というか、三波は俺が事実上の許婚なのは気にしないんだな?」
九十九は溜め息をつきながら言った。すると、三波がじーっと九十九を見つめる。夕焼け色に染まる三波のシルエットに不本意ながら九十九の胸がドキッとする。
そして、思わず、サンセットの魔法に惑わされたのか、何を血迷ったのか本当に九十九は自分が理解できないが、三波がその後自分を好きだと告白してきたらと、何と答えようかと、自分は三波をどう思っているのかと、バカなことに考えてしまった。
次の三波の言葉を聞いて、確実にそんな想像をしてしまった自分を後悔して呪うことをわかっていながら。
「気にするも何も許婚って何? 前にも何かお母さんが言ってて適当にそうだよって言ったけど。……ももちゃんが私んちの養子になるって話でしょ?」
「……ん?」
「別に私は賛成よ。毎日遊べるし、少しだけももちゃんのが誕生日が早いから兄貴になるのは不本意だけどね」
「あぁ~っ!」
やっぱりだ! やっぱり三波は何も理解していなかった! 九十九は手で顔を覆った。
確かに思い出すと、三波の親は「将来九十九君がうちの養子になるなら大歓迎だ! 三波を宜しく!」などの言葉で、状況と話の流れで婿養子を指しているのは明らかだが、許婚の意味を知らずに三波がそうだよと勝手に答えたから、余計に話だけがどんどん進んでしまったらしい。三波は婿養子と養子の意味の違いに気づいていない。
そこまで考えて、九十九は深い溜め息をつき、諦めた。
既に海外で取材中の母親も、祖父の橘大五郎も、三波の両親と既に話をつけて、許婚は確定状態だ。
「さらば、俺の青春」
うっすらと涙を流して九十九が呟くが、三波はそれを全く気にせずにせっつく。
「ねぇ! 許婚って何?」
「だぁぁあっ! 自分で調べろーっ!」
九十九が叫び、その拍子に彼のポケットから携帯電話が落ちた。
画面には先程見ていたインターネットの掲示板サイトが表示されたままであった。その掲示板は、怪盗φの専用掲示板で、最新の投稿が一件表示されている。投稿者欄には英語でユリを意味する単語、Lilyと書かれていた。
○月○日(土)11:22
投稿者:Lily
絵の呪いを盗まれました。
あの日以来、おばさんとおじさんも笑うことが増え、もう夜に呪いが起こることも、遺産を探そうとすることもなくなりました。先日、両親のお墓参りに行き、おばさんがずっと後悔していた、その胸の内を話してくれました。
まだ本当の親子のようにはなれませんが、少しずつお互いの気持ちを話せるようになってきていると思います。
本当にありがとうございました。
【終】