未来への約束




「怖かったんだ。私も、他の人と同じだった。何もせずにいればいいと、逃げたんだ。……その結果、麗子は自身で世界を終わらせた。彼女の世界を」

 国見が涙ながらに語る姿を探貞はジッと見つめ、やがて口を開いた。

「……先生、中口麗子さんは自殺だったんですか?」
「あぁ。恐らく。ただ、中口は妹の死を自殺だとは考えなかった。そして、俺は悩んだ末に、麗子と会ったこと伝え、懺悔した。奴は怒り狂ったよ。私もあいつに殺されるのを覚悟したし、それで罪滅ぼしになるならとさえ思った。だが、あいつは私を一発殴り、それから告げたんだ」
「何と?」
「麗子の意志を継ぐと。自分がφになると」
「……父さんは、おばさんの為に怪盗φになったのか?」

 九十九が問うと、国見は頷いた。

「あぁ。中口は麗子のやろうとしていた世界中の人が有り得ないとする存在を受け入れられるように、世界の真実を明らかにする為に、φの名を継いだ。特定の集団でなく、存在として曖昧であり、何にも属さず、何にもならず、世界や社会という集合が存在として成立させるための対となるもの。それが0でありφだと」
「それが、おばさんがφを名乗った理由?」
「あぁ。麗子は気づいていたんだろうな。自分以外にも、私たちが考えるよりも多くの不思議がこの世界にあると。それを明らかにするのが、φだと言っていたんだ。それを思い出したのは、麗子が死んだ後のことだったけどな」
「二代目のφとなった中口さんは何をしたんですか?」

 探貞が聞くと、彼は微笑んだ。

「麗子と理事長の死の真相を調べ始めた。そして、麗子の残した学園の秘密という言葉の意味についても」
「この学校の地下にある空間という秘密に気づき、地下倉庫で行方不明となり、開かずの扉を開け、銅像を動かし、ミステリーサークルを作って踊って見せた超能力者の男子生徒とは、中口さんですね?」
「「「「「!」」」」」
「あぁ」

 探貞の指摘に驚く一同とよそに、国見は頷いた。

「中口は麗子と同じように何かに気付いていたらしい。そして、学園の地下に太平洋戦争時代の施設があったことを古い資料から突き止めた。……なぜ、迷はここの地下に空間があることを知っているんだ? 資料は中口がすべて持ち出したと言っていたが?」
「学園の改築です。ここの敷地はさして広くなく、住宅地である為、高い建物が建てられない。学校にあるべきものが、同時はなかった」
「あるべきもの?」

 数が聞くと、探貞は頷いた。

「体育館です。今は地下に体育館があるけど、それは旧校舎の取り壊し後。当時、この学校に体育館がなかった。だから、図書室で学園の歴史を見て疑問に思っていたんです。地下に何かあると」
「なるほどな。迷の言うとおりだ。銅像は地下への出入り口を塞ぐためのものだった。最初、地下空間のことは伏せて、中口が地下倉庫から単身地下空間へと潜入した。その後、地下空間と通じていた理事長の部屋から現れた中口が開かずの間を開けた。七不思議に語られる轟音というのは空気の流れの関係で、戸を開ける際に鳴り響き、それに気づいた者達から発見されたからだ。そして、次は銅像を動かし、地下への入口を露わにさせたが、翌朝、地下への入口は内部と同じコンクリートで塞がれていた。中口はそれで確信を持った。中口が学校の秘密を知ったことに気付いた者がいて、それを暴くことを阻止していると。だから、中口は強硬手段に出た」
「それがミステリーサークルですね?」
「あぁ」
「なんだって、ミステリーサークルなんだ? 悪質な悪戯にしか思われない気がするんだが?」

 和也の疑問に、探貞が答える。

「隠蔽されない方法だったらなんでも良かったんだよ。中口さんの目的はあぶり出しです。恐らく、中口さんは地下で真相に気付いたんでしょう。地下に潜む……オペラ座の怪人を」
「オペラ座の怪人……?」
「そうだよ、数ちゃん。麗子さんは姿を消す前に先生へヒントを残していたんだ。理事長は自殺でないと。つまり、理事長は死んでいないと」
「!」

 数は目を見張った。他の者も同様に驚きを隠せない。

「だけど、警察が遺体を見つけているんでしょ? まさか替え玉?」
「その可能性は高いね。遺体が消えたこともその可能性を高めている。理事長はかなりの権力を持っていたと思われる。なら、現場を偽装したり、遺体を隠滅させる内通者や協力者がいてもおかしくはない。当時はDNA鑑定技術もないし、顔が瓜二つで、血液型が同じ、もしかしたら部屋の指紋も入れ替えたかもしれない。つまり、自殺ではなく、替え玉殺人事件だった。そして、理事長は地下に潜んでいた。ミステリーサークルをどのような形にしたのか、僕は知らないけれど、今回のものとは違う形で描き方も違ったはず。恐らく中口さんは理事長の死と地下の存在に注意を向けさせるようにしたはずだ」
「迷の言うとおりだ。中口は麗子の変装をして、超能力者φとしてミステリーサークルをつくった。今回みたいな時間のかかりそうなものでなく、線引きをつかった簡単なもので形も違った。爆竹と花火で人を校庭に呼び寄せ、目撃者のある前で、理事長を蘇らせ、地下の存在を示唆させる言葉を残し、姿を消して見せた。勿論、簡単な手品だ。見る者が見れば、すぐにバレるトリックだったが、それはあの地下にある迷宮のような空間と理事長の死に意識が向かえばどうでもいいことだった」
「それで、理事長は地下から現れた。それを目撃した人が中口さんの狙い通りに現れたのですね」
「あぁ。だが、結果的には他の一連の中口がφとして起こした事件や麗子と理事長の死と一つになり、七不思議となってしまった。生きていた理事長の消息も不明。そもそも理事長の替え玉が誰だったかもわからず、どうやって理事長は殺したのかもわからず、麗子も自殺だったのか、殺されたのかわからずに事件は七不思議として風化してしまった。……中口は卒業後も事件の謎を追い続け、どういう訳か怪盗φとなった。その理由は中口の死んだ今、聞くことはできないがな」

 国見は苦笑した。

「それは、先生がこの学校にいる理由と同じだと思いますよ。麗子さんへの罪滅ぼしですね? 彼女が自殺だろうと、他殺だろうと、彼女の死の真相を明らかにできなかった。彼女の目的を果たせなかった。だから、あなた方はそれを継いだ。さっき話したことは、そのまま怪盗φと現在の先生に通じます」
「……そうだな。そうかもしれない」

 国見は窓の外に視線を移し、どこか遠いものを見て繰り返し、同じ言葉を呟いていた。
 そして、探貞達は話をしてくれた国見に礼をした後、彼と別れた。





 
 

「結局、七不思議の真相はわかったけど、余計に謎が増えちまったな」

 夕日に染まる校舎から出ながら、和也は頭を掻きながら言った。
 他の者も皆一様に考え込んだ様子であった。

「ところで、別れ際に迷さんが先生に聞いたことはどんな意味があったんですか?」
「ん?」

 数に聞かれて、探貞は首をかしげる。

「ほら、話を聞かせて頂いてありがとうございます。と言って、部屋を出るときに、先生に聞いたことですよ」
「あぁ。理事長の部屋について父さんから何か聞いていないかと聞いたアレか。……確かに、あれはどんな意味があったんですか? 部屋の壁が塗り替えたてだったとかと」
「意外だね。九十九君だったら、すぐに解けたと思ったけど」
「え? ……あっ! そういうことか」

 探貞に言われて何かに気づいた様子の九十九に三波が詰め寄る。

「どういうこと? 説明しなさいよ!」
「理事長の替え玉を殺したのは、微生物ですね?」
「正解。多分、理事長の部屋には砒素をつくるカビが生息していたんだ。それが意図的なものなのか偶然生息していたものかはわからないけれど、理事長は部屋から指紋をすべて拭った後に、部屋のカビに良い生育条件を揃え、替え玉を部屋に閉じ込めた。地下空間を利用して換気も行える。残された遺体は、例え指紋と照合されても部屋の指紋と同じであれば理事長と判断されてもおかしくない。恐らくそこまでされていなかったとは思うけどね」
「カビ……正しくは、ヒ素菌(arsenic fungi)ですね。その一例として微生物(Psedomonas、Alcaligenes)は、嫌気的条件下で、生体内変換により、非揮発性のヒ素化合物。……ヒ酸塩、亜ヒ酸塩、モノメチルアルソン酸、ジメチルアルシン酸といったものを還元し、アルシン類を生成しうります。このようなヒ素化合物をメチル化し、アルシン類を揮散するカビの存在は、ナポレオンのうわさ話もそうですが、すでに19世紀末には知られてましたね」
「流石だね。もう少し情報があれば、その菌種の特定もできそうだ」
「そこまではもうすでに存在しないのですから、証拠もなしにはできませんよ」

 九十九は苦笑交じりに答えるが、その目は特定ができると物語っている。

「全く、どうしてそんな役に立たなそうな知識が入っているのかしらね」
「お前が言うなよ」

 呆れたと両手を上げて首を振るジェスチャーをする三波を九十九が睨む。

「どっちにしろ、あの麗子が殺されたか自殺したのかはわからないし、理事長が今も生きているのか、どこにいるのかもわからない。そもそも今起きている七不思議事件の謎も解けていないぞ」

 和也が言うと、探貞は彼の予想に反した言葉を返した。

「あぁ。七不思議事件そのものは大体予想ができているよ」
「えっ!」
「そもそも今回の事件は、今明らかになった真相まで知っているかは不明なものの、φを名乗る人物が実際に起きた七つの出来事の順番を逆に追っていく形で起こしているんだよ。最初は死んだと言われているφの復活。二番目がミステリーサークルの出現とφによる犯行声明。なら、この先五つの事件が起こるとわかる。そして、六つ目と七つ目は人が死ぬことを示唆している。つまり、予告殺人が目的なんだよ。実際に人を殺害するのかはわからないけど、それに類した何かをφは行おうとしている。当然次は、五つ目の出来事である銅像が動くというものだよ。もっとも今回の事件は、七つの出来事の再現ではなくて、七不思議にある出来事を見立てた別の事件と捉えた方がいいのは、先ほど先生に聞いた真相からも想像できる。なぜなら、蘇るのがφでなく、理事長でなければいけないし、目撃者があって騒ぎになるのではなく、その声明をもって復活を示した。これは、かつての事件を模倣した別人の仕業であることを意味しているよ」
「なるほど。……しかし、相手はφのことや麗子の死についても知っているってことだろ? 過去を知っている人物の犯行なんじゃないか? それこそ、生きていた理事長が犯人とか?」
「ちょっと飛躍しすぎだね。多分、犯人は調べた人物だよ。先生もミステリーサークルの形が前回と今回は違ったと言っていたじゃないか。つまり、形を同じにする必要がなかった。いや、むしろ僕は今回のミステリーサークルの方が形に意味があったと考えているよ。その証拠にアールがミステリーサークルの形に興味を示している」
「なるほど。……じゃあ、今俺達は、過去にあった理事長の死と中口麗子の死と今回の事件の謎を同時に追いかけているということか?」
「そうなるね。でも、それについては麗子さんも言っていたじゃないか。一つ一つは珍しいものじゃないと。シンプルに考えると、事件の謎も、理事長のことも、麗子さんの死も解けてくると僕は考えているよ」
「本当か?」

 和也は探貞の考えに賛成できない様子であるが、探貞は妙に自信を持った言い回しをしていた。

「……ん?」

 そして、一同が校門に差し掛かると、一人の男が立っていた。
 深々とツバ付きの帽子をかぶり、季節外れなロングのトレンチコートを着ている姿は怪しい人物を絵に描いた様な風貌であった。

「ちょっと君達、いいかい?」

 男は彼らの前に立ち、話しかけてきた。
 思わず身構える一同。

「俺は月見里という探偵業をしている者だ。迷探貞と一ノ瀬九十九だな?」
「なんで僕たちの名前を?」
「君のお父さんとは面識があってね。……君のお母さんともだ。実に優秀なジャーナリストだ」

 月見里と名乗る男は、探貞と九十九を見て言った。

「……その探偵が僕たちに何の用ですか?」
「ククク、良い目をしている。流石は警視庁の名探偵と呼ばれている男の息子だ。俺は、長年怪盗φを追いかけている。日本での事件を最後に姿を消した今でも。……それが、復活したと聞けば、俺がそれを無視できるはずもない」
「しかし、今回の犯人は怪盗φではなく、φと名乗る別人ですよ?」
「そう断言できるのか? 実際に、そのφを捕まえればわかる話だ。φが偽物だったら、それはそれで構わない。φを名乗っていいのは奴だけだからな」
「……ヤマナシさんでしたか?」
「あぁ。月見里卯月だ。十年くらい前まではちょっとばかり名の売れた名探偵として知られていたんだぜ」
「事件を調べるのを止める権限は僕たちにはありませんし、お好きなようにやっていただいて構いませんが、僕たちを巻き込まないで頂きたいです」
「あぁ。そのつもりだ。もっとも、相当に事件の謎へ足を踏み込んでいるように俺には見えるけどな」
「!」
「図書館で見かけたぜ。松田理事長の怪死事件を調べるのは、クラブ活動や宿題にしてはちょっとばかし危険過ぎる題材だぜ」
「尾行していたんですか?」
「いいや。俺も俺で調べ物があって、図書館にいただけだぜ。……なぁに、これは忠告だ。餓鬼が面白半分に足を踏み込んじゃぁいけねぇパンドラの匣だからな、奴らは」
「……その忠告は忠告として受け止めさせて頂きます。しかし、おじさんも僕らの邪魔をしないでください。学校の問題に部外者が首を突っ込んで痛い目に合わないようにくれぐれも注意をしてください」
「言うなぁ、少ぉ年……」
「用件は以上ですか? 下校時刻なので、僕たちは失礼します。みんな、行こう」

 探貞は和也達を連れて月見里のもとから去った。
 それを月見里は薄ら笑いを浮かべながら見送っていた。





 
 

「なんだったんだ? 今のおっさん」

 学校から離れ、昭文神社へと向かう参道を歩きながら、和也がイライラを隠しきれていない様子で言った。

「伝説の大怪盗と言われた人物の名前で犯行声明が出たんだ。怪盗φの名前に寄ってくる人がいてもおかしくはないよ」
「それにしても、お前たちの親の知り合いってのは本当なのか?」
「一方的に知っている可能性だって考えられるし、気にしても仕方ないさ」

 和也に探貞は答えた。
 一方、三波は何かずっと考え込んだ様子であったが、突如大声で叫んだ。

「そうだったのかぁぁぁあああっ!」
「うわっ! びっくりしたぁ! なんだよ突然!」

 思わず隣にいた九十九が飛び跳ねる。

「それはこっちの台詞よ! なんだか、さっきの国見先生の話に違和感があると思っていたら、怪盗φってあなたのお父さんだったのね!」
「………はぁ? いや、確かに改まって言った覚えはないけど、話の流れで察しがつくだろう? それに先生も怪盗φに父さんがなったとはっきりと言っていたぞ?」
「んなもん覚えてないわよ! いちいち一字一句覚えているわけないでしょ!」
「んな理不尽な!」
「どうして今まで黙っていたのよ! 私が怪盗とか大好きだって知ってるでしょっ!」

 三波は九十九の首を絞めながら怒り狂う。

「ぐぐぐっ……こうなるって、わがっでいだがらだぁぁぁ……」
「落ち着いて、十文字さん! 百瀬君が壊れちゃうわよ!」

 慌てて涼が仲裁に入る。
 なんとか三波を九十九から引き離すが、まだ三波は飢えた猛獣のように鬼気迫る形相で九十九を睨んでいる。

「……まぁ確かに、次々に衝撃的な事実が明らかになって俺達も感覚が麻痺していたところもあったが、百瀬に怪盗φと同じ能力があって、父親が同時期に死んでいて、死んだおばさんがφと名乗っていたとなれば、百瀬の親父が怪盗φだってのは不思議な話じゃない。……まぁ、今回のφが百瀬かどうかはわからないがな」
「百瀬でなく、一ノ瀬九十九です。少なくとも俺はこの事件の犯人ではありません。それは俺が一番よく知っています」

 和也と九十九が睨み合う。
 涼が間に入り、二人はブスッとしたまま何も言わずに離れる。

「全く、皆落ち着きなさいよ。こんなんじゃ解決できる事件も解決できないわよ」
「そうだね。涼の言うとおりだよ。まずは落ち着いてこれまでのことを整理した方がいい。それに、まだもう一つ得られる情報を得ていないよ」
「もう一つ?」
「アールがミステリーサークルを調べた結果を聞かないとね。それから情報を整理しても遅くはないよ」

 探貞は笑ってみせた。
 そして、一同は石段を登り、昭文神社へと向かった。




 

 

「てやんでぇ! おいら一人に調べさせといてのこのこやって来やがって!」

 三波の部屋に行くと、アールがブスッと腕を組んで拗ねていた。

「自分が勝手に調べてたんだろ」
「おい、百瀬! 聞こえてるぞ!」
「はぁ、すみませんでした」

 九十九が嘆息混じりに謝るが、アールの機嫌は直らない。

「……アール様、あなた様にミステリーサークルの究明をお願いしてしまい、申し訳ありません。どうか無知な俺達にもわかるようにアール様のわかったことを教えて下さいませ」

 九十九が土下座して言う。他の者も同じように土下座する。

「まぁ仕方ねぇな。そこまで言うなら、特別に教えてやらぁ!」

 アールはニヤニヤと笑いながら、バケツを触り、バケツから光が出て、ミステリーサークルを床に投影する。

「このミステリーサークルは、意味のある模様でぇ! しかも、おいらが観測しようとしている時空も含めた歪みによる力を抑制させる効果のある……まぁ一種のプログラムみたいなもんでぇ」
「つまり、アールの観測しようとしていた時空の歪みとかの存在を知っていた人物?」
「そうなるな。……まぁ、偶然という可能性があるけどな」
「どれくらいの確率?」
「そうだなぁ。大体、雷に百回毎日打たれる確率くらいでぇ」
「つまり、まず有り得ないね。……つまり、φは例の時空を転移してきた人物だった。そして、犯行予告と魔法陣を使って痕跡を消すことがミステリーサークルをつくった目的と考えるのが自然だね」

 探貞は満足気に頷いた。

「探貞、実はφが未来人だと気づいていただろう?」
「まぁ、タイミングがタイミングだったからね」

 探貞は微笑を浮かべて答えるが、他にも何かを掴んでいることは探貞の目を見れば和也にすぐわかったが、何も言わなかった。
 探貞は言うべき時が来たら言うと、和也は知っていた。

「探貞、第三、第四と事件が起こると思うか?」
「そうだね。思うよ」

 探貞は和也に答えた。
 そして、これまでの情報を確認し、その夜は解散した。
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