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シル監SS
「監督生、それはどうした」
 シルバーの突然の問いに目を丸くしたのは彼女ではなく、彼女の隣で先ほどまで話していたエースだった。
 これから話が盛り上がるって時にどうしたといきなり尋ねてくるあたり、空気が読めないというか浮世離れしているというか。エースが飽きれたため息を吐くと、監督生は嫌な顔一つせず答えた。
「実はグリムが実験で自分の火属性の魔法を使ったら、私の髪の毛まで燃やされちゃって。髪の内側が燃えちゃったので少し切って下ろして隠していたんですけど、ばれちゃいましたね」
 照れ笑いで誤魔化す彼女に、シルバーはこれを使うといいと魔法薬を渡してきた。監督生が快く受け取ると、シルバーはそのままどこかへ立ち去って行った。
 エースは今度は監督生を見て目を丸くしていた。彼女の髪のどこを見て短くなったと判別できるんだ? その観察眼はルーク・ハントのレベルか? とエースが彼女の普段通りの髪を見て、ますますわからなくなった。
 監督生は後ろ髪を指先でつまんで、残念そうにため息を吐いた。
「やっぱりばれるかぁ」
「いや……? わからねえんだけど」
 だが、エースは知っていた。この監督生がひそかにシルバーに思いを寄せていること。そして、監督生が快く受け取ってくれた時のシルバーの頬がわずかに緩んでいたことを。
 まさか、まさかなのか? エースは目を小枝のように細める。
「微妙過ぎる変化に気が付くとか、ガチじゃん」

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