茨の道中
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ユウはどさりと何かが落ちる音に気が付いた。何の音だろうかと目を覚ませば、良く知った森の香りが彼女の鼻腔をくすぐる。彼女は動こうとして、ぎゅうぎゅうと寝袋の上から抱きしめてくる腕に気が付いた。まさかと思い見上げれば、安らかに眠っている恋人の寝顔がそこにあった。
伏せられたまつ毛が破れたカーテンの隙間から差し込んだ朝日を反射し、煌いている。綺麗な顔だと眺めていたユウの耳にまたどさりと何かが落ちる音がした。このまま眠ってもいいが、音の正体を確かめなくてはいけない。ユウはもぞもぞと動き、シルバーに背を向けて辺りを見た。
朝日に弱いリリアのためにカーテンが閉められているこの談話室には、リリアもセベクもいなかった。おそらく周囲の安全確認をしに行っているに違いない。自分だけ寝ていては申し訳ないと彼女は起き上がるためにシルバーの腕を剥がしにかかった。
「ん……」
起こさないようにそっと、と心の中で何度も唱えながら、ユウは腕を持ち上げる。がさがさと音を立てる寝袋がうるさい。
もう一歩でシルバーの腕から出られると思った時、彼女の体は一気に引き戻された。上半身だけ寝袋から出ているので肌寒いが、シルバーの腕がぬくもりになってますます出ることが難しくなった。ユウはシルバーを起こさねばこの拘束から逃れられないと諦め、背を向けていたシルバーに向き直る。そこには自分をじっと見つめるオーロラシルバーが彼女だけを映していた。
「……おはようございます」
起きていたのかと斜目になるユウをじっと見たシルバーは、そのまま彼女の胸元に顔を埋めた。まさか二度寝なんてことはあるまいと、ユウは胸元に沈んだままのシルバーが起きるのを待つ。安らかな寝息が聞こえた時点で、ユウは離すつもりはないと言わんばかりの腕からは逃れられないのだとため息を吐いた。
その結果、見張りから戻ってきたセベクに「破廉恥だぞ!!!」と叫ばれ二人はようやく起きることとなった。
伏せられたまつ毛が破れたカーテンの隙間から差し込んだ朝日を反射し、煌いている。綺麗な顔だと眺めていたユウの耳にまたどさりと何かが落ちる音がした。このまま眠ってもいいが、音の正体を確かめなくてはいけない。ユウはもぞもぞと動き、シルバーに背を向けて辺りを見た。
朝日に弱いリリアのためにカーテンが閉められているこの談話室には、リリアもセベクもいなかった。おそらく周囲の安全確認をしに行っているに違いない。自分だけ寝ていては申し訳ないと彼女は起き上がるためにシルバーの腕を剥がしにかかった。
「ん……」
起こさないようにそっと、と心の中で何度も唱えながら、ユウは腕を持ち上げる。がさがさと音を立てる寝袋がうるさい。
もう一歩でシルバーの腕から出られると思った時、彼女の体は一気に引き戻された。上半身だけ寝袋から出ているので肌寒いが、シルバーの腕がぬくもりになってますます出ることが難しくなった。ユウはシルバーを起こさねばこの拘束から逃れられないと諦め、背を向けていたシルバーに向き直る。そこには自分をじっと見つめるオーロラシルバーが彼女だけを映していた。
「……おはようございます」
起きていたのかと斜目になるユウをじっと見たシルバーは、そのまま彼女の胸元に顔を埋めた。まさか二度寝なんてことはあるまいと、ユウは胸元に沈んだままのシルバーが起きるのを待つ。安らかな寝息が聞こえた時点で、ユウは離すつもりはないと言わんばかりの腕からは逃れられないのだとため息を吐いた。
その結果、見張りから戻ってきたセベクに「破廉恥だぞ!!!」と叫ばれ二人はようやく起きることとなった。