告白(?)
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そうして先輩と話しているうちに、インターホンが鳴らされた。一体誰だろう。
立ちあがろうとした先輩を座らせて、玄関の扉を開けると、小柄な体躯とマゼンタの瞳が目に入った。
「夜分にすまぬ。シルバーはおらぬか?」
「いますよ。今呼んできますね」
「すまぬな。頼んだ」
シルバー先輩にリリア先輩が来ていることを教えると、急いで玄関に向かってしまった。きっと私が突っ込むような話でもないだろうから、談話室で茶器を片付けていると、リリア先輩が入ってきた。
「ユウ、シルバーが世話になった。護衛の任に急に入れなくなったものがおってな。シルバーに入ってもらうことになった」
ああ、そういうことだったんだ。シルバー先輩はきっと護衛の任を優先するだろうから私がわざわざしがみつく必要はない。でも、もう少しお話したかったなぁ、なんて我がままがポロリと胸の中をコロコロ転がった。
「先ほど、までシルバーを相手してもらったが、わしの話にも付き合うてくれんか?」
「ぜひ、お供させていただきます!」
リリア先輩とお話しできるなんてそうそうない。まだまだ話し足りないことはあるし、リリア先輩のこともしっかり知りたい。
リリア先輩はロッキングチェアに腰掛けて、ぎいぎいと揺らしながら笑顔で話しかけてくれた。
「ユウ。シルバーとの会話は楽しかったか?」
「はい! それはもちろん」
くふふと楽しそうにしてくれるリリア先輩の笑顔につられて笑ってしまった。あ、これシルバー先輩に言うの忘れていたな。いい夢だったのに。ソファにいた私は身を乗り出してリリア先輩に言った。
「リリア先輩、私、夢でディアソムニア寮の皆さんに会ったんです!」
リリア先輩は口元に手をやって、その手を支えるようにもう片方の手で肘を支えると、ロッキングチェアに深く腰掛けた。
「ほお、それは良かった。しかし、ユウ。軽々しくそういった話を茨の谷の者にするでないぞ。何しろその言い回しは、茨の谷ではプロポーズじゃからな」
「ええ!?」
「夢で見る相手は前世でのつながりや愛しいと思う者だという逸話が残っておる。じゃから、茨の谷では愛を伝える口説き文句は『貴方と夢で逢いました』と言うんじゃ」
そんなロマンチックな言い伝えあるんだ……。思わず感心してへえと声が出てしまう。
「ロマンチックですね。返事はなんて言うんですか」
「そりゃ、同じ夢で逢ったんじゃから『懐かしい』や『同じ夢を見た』と答えるのがセオリーじゃな」
うわあ。おとぎ話みたいな返事の仕方だなぁ。そういったメルヘンな香りは個人的にとても好きなので、今度図書館で調べてみようかな。
「素敵ですね」
「まあ、夢は幻とのたまう者もおって、このような告白の方法も廃れた。が、これも茨の谷に伝わる伝説。互いを夢で見た男女は結ばれ、永遠に仲良く暮らしたという。おとぎ話であれ、幸福な話はいつでも胸を温かくするものよ」
そう微笑んだリリア先輩は、どこか懐かしむような瞳をしていた。きっとリリア先輩もそんな男女を見てきたんだろう。
私も先輩とそんな関係になれるだろうか。はあ、夢に見れても現実は全く影響されないのが悲しい。
立ちあがろうとした先輩を座らせて、玄関の扉を開けると、小柄な体躯とマゼンタの瞳が目に入った。
「夜分にすまぬ。シルバーはおらぬか?」
「いますよ。今呼んできますね」
「すまぬな。頼んだ」
シルバー先輩にリリア先輩が来ていることを教えると、急いで玄関に向かってしまった。きっと私が突っ込むような話でもないだろうから、談話室で茶器を片付けていると、リリア先輩が入ってきた。
「ユウ、シルバーが世話になった。護衛の任に急に入れなくなったものがおってな。シルバーに入ってもらうことになった」
ああ、そういうことだったんだ。シルバー先輩はきっと護衛の任を優先するだろうから私がわざわざしがみつく必要はない。でも、もう少しお話したかったなぁ、なんて我がままがポロリと胸の中をコロコロ転がった。
「先ほど、までシルバーを相手してもらったが、わしの話にも付き合うてくれんか?」
「ぜひ、お供させていただきます!」
リリア先輩とお話しできるなんてそうそうない。まだまだ話し足りないことはあるし、リリア先輩のこともしっかり知りたい。
リリア先輩はロッキングチェアに腰掛けて、ぎいぎいと揺らしながら笑顔で話しかけてくれた。
「ユウ。シルバーとの会話は楽しかったか?」
「はい! それはもちろん」
くふふと楽しそうにしてくれるリリア先輩の笑顔につられて笑ってしまった。あ、これシルバー先輩に言うの忘れていたな。いい夢だったのに。ソファにいた私は身を乗り出してリリア先輩に言った。
「リリア先輩、私、夢でディアソムニア寮の皆さんに会ったんです!」
リリア先輩は口元に手をやって、その手を支えるようにもう片方の手で肘を支えると、ロッキングチェアに深く腰掛けた。
「ほお、それは良かった。しかし、ユウ。軽々しくそういった話を茨の谷の者にするでないぞ。何しろその言い回しは、茨の谷ではプロポーズじゃからな」
「ええ!?」
「夢で見る相手は前世でのつながりや愛しいと思う者だという逸話が残っておる。じゃから、茨の谷では愛を伝える口説き文句は『貴方と夢で逢いました』と言うんじゃ」
そんなロマンチックな言い伝えあるんだ……。思わず感心してへえと声が出てしまう。
「ロマンチックですね。返事はなんて言うんですか」
「そりゃ、同じ夢で逢ったんじゃから『懐かしい』や『同じ夢を見た』と答えるのがセオリーじゃな」
うわあ。おとぎ話みたいな返事の仕方だなぁ。そういったメルヘンな香りは個人的にとても好きなので、今度図書館で調べてみようかな。
「素敵ですね」
「まあ、夢は幻とのたまう者もおって、このような告白の方法も廃れた。が、これも茨の谷に伝わる伝説。互いを夢で見た男女は結ばれ、永遠に仲良く暮らしたという。おとぎ話であれ、幸福な話はいつでも胸を温かくするものよ」
そう微笑んだリリア先輩は、どこか懐かしむような瞳をしていた。きっとリリア先輩もそんな男女を見てきたんだろう。
私も先輩とそんな関係になれるだろうか。はあ、夢に見れても現実は全く影響されないのが悲しい。