少しずつでもいい
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翌朝、エースとデュースがメインストリートでグリムと言い合いをしている背中を見ていると、ふと気が付いた。そう言えば、今朝はシルバー先輩と一緒にランニングする予定だったのに、来なかったなぁ。今日会えたら、挨拶くらいはしたい。
そんなことを思っていると、三人の少し前方でシルバー先輩がセベクと何やら言いながら歩いている。これは挨拶するチャンスだ! 言い合いをしているエースとデュースの腕の下を助走をつけて屈んで通り抜けると、シルバー先輩の背中はすぐそこだった。きちんと笑顔を決めて、肩に手をかけようと手を伸ばす。
「シルバー先輩、おはようござ」
しゅん。
え? 今、先輩が一瞬でどこかに行かなかった? 目で捉えきれなかったんですけど。
「え、どこ行ったんですか? 先輩?」
その場から少しも動けない私は、グレートセブンの彫像よろしく固まってしまった。空中に浮いたままの私の手は、セベクが可哀そうに思ってくれたのか挨拶の握手をしてもらえた。けれど、この手は先輩の肩を掴む目的を果たせなかった憐れな手であることに間違いはない。
「せ、セベク。今何が起きたの?」
「ああ。大方、リリア様に呼ばれたのだろう。ああいった移動魔法は滅多に使わないが、ディアソムニア寮生でも使えるのは若様とリリア様、シルバーを含めたごく数人だけだ」
先輩凄いなぁー、じゃない! 今は感心している場合じゃないんだ! 先輩に今避けられたような気がしたけど、それって気のせいだよね?
不安になって見上げると、セベクがなんだか嫌そうな顔をした。
「わ、私に声をかけられるのが嫌とかそういうわけじゃないよね……?」
「僕に聞くな。大体シルバーは護衛だ。お前にいちいち構っていられるわけじゃない」
言葉はきついけれど、それって嫌われてないってことでいいよね? 信じたからね?
「セベク、裏切ったら許さないから」
「なぜお前はそう必死なんだ。……か、顔が怖いぞ」
顔が怖い? 何の話? これは嫌われてないか必死になっている顔だけど?
その顔のままエースとデュース、グリムを見たら「こっちを見るな! 呪われる!」と悲鳴をあげられてしまった。
そんなことを思っていると、三人の少し前方でシルバー先輩がセベクと何やら言いながら歩いている。これは挨拶するチャンスだ! 言い合いをしているエースとデュースの腕の下を助走をつけて屈んで通り抜けると、シルバー先輩の背中はすぐそこだった。きちんと笑顔を決めて、肩に手をかけようと手を伸ばす。
「シルバー先輩、おはようござ」
しゅん。
え? 今、先輩が一瞬でどこかに行かなかった? 目で捉えきれなかったんですけど。
「え、どこ行ったんですか? 先輩?」
その場から少しも動けない私は、グレートセブンの彫像よろしく固まってしまった。空中に浮いたままの私の手は、セベクが可哀そうに思ってくれたのか挨拶の握手をしてもらえた。けれど、この手は先輩の肩を掴む目的を果たせなかった憐れな手であることに間違いはない。
「せ、セベク。今何が起きたの?」
「ああ。大方、リリア様に呼ばれたのだろう。ああいった移動魔法は滅多に使わないが、ディアソムニア寮生でも使えるのは若様とリリア様、シルバーを含めたごく数人だけだ」
先輩凄いなぁー、じゃない! 今は感心している場合じゃないんだ! 先輩に今避けられたような気がしたけど、それって気のせいだよね?
不安になって見上げると、セベクがなんだか嫌そうな顔をした。
「わ、私に声をかけられるのが嫌とかそういうわけじゃないよね……?」
「僕に聞くな。大体シルバーは護衛だ。お前にいちいち構っていられるわけじゃない」
言葉はきついけれど、それって嫌われてないってことでいいよね? 信じたからね?
「セベク、裏切ったら許さないから」
「なぜお前はそう必死なんだ。……か、顔が怖いぞ」
顔が怖い? 何の話? これは嫌われてないか必死になっている顔だけど?
その顔のままエースとデュース、グリムを見たら「こっちを見るな! 呪われる!」と悲鳴をあげられてしまった。