銀の人の名前は
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反省文をクルーウェル先生に提出し、エースもデュースも部活に行ったところで、私の足は図書館の隣にある小さな購買部へと向かっていた。グリムが肩の上で上機嫌で尋ねてくる。
「ユウ、アレを買うのか」
「うん。そろそろ切れそうだし」
木でできた扉を押せば、独特なBGMが外に向かって溢れだした。一歩踏み入れれば、これまた奇抜な店主ことサムさんが陽気な笑顔で手を振ってくれる。
「なんでも in stock now! 何をお望みかな、小鬼ちゃん」
「セール価格になっているもので、いい香りのするものを並べてください。その中から選びます」
「となると、これたちかなぁ?」
一つ一つカウンターに並べられ、三つのボトルが出てきた。どれも私好みにサムさんがある程度絞ってくれたようだ。
「ありがとうございます」
元の世界の癖でこのボトルを開けて香りを確かめることはできない。だから、敢えてここでグリムにお願いする。
「俺、これが好きなんダゾ」
そう言ってグリムが選んだのは右端の花の柄が入っているボトルだ。一番可愛らしいデザインで、正直私好みだ。なんで女子用のものまでこの男子校に揃っているのかちょっと分からないけど。
「ではこれを」
「セーンキュウ! 他にお望みは?」
「ないです。ありがとうございました」
お辞儀をして店を出れば、まだお日様が高いところで輝いている。これは掃除もできそうだな。早く帰って、残った部屋の掃除もしたい。
あの銀の人を意識するようになってから、元の世界でも気にしなかった髪型や匂いまでちょっといいものを買うようにしてしまった。そうでもしないと、彼に会った時に後悔する。清潔感は第一印象に関わるから、ぜひともそこくらいはかっこつけさせて欲しい。男装しているからあまり可愛らしい匂いはできないけど、今日買った花の香りのするシャンプーはグリムが思わず蕩ける香りだ。きっといい匂いに違いない。
でも銀の人は歩くだけで森の香りがする。草木に囲まれたところでしか嗅げない、落ち着いた気持ちになる香り。匂いだけで反応するようになったらいよいよ末期だな。
さて急いで帰ろうと植物園の前を通りがかった。その時出てきたのは、カリム先輩だった。何やら急いで魔法薬学室へ走っていったので、私には何のことやらわからなかった。おそらく、魔法薬学で何かやらかしたんだろう。ジャミル先輩が頬をこけさせながら、カリム先輩の名前を大声で呼ぶのを想像してしまった。
「ユウ、アレを買うのか」
「うん。そろそろ切れそうだし」
木でできた扉を押せば、独特なBGMが外に向かって溢れだした。一歩踏み入れれば、これまた奇抜な店主ことサムさんが陽気な笑顔で手を振ってくれる。
「なんでも in stock now! 何をお望みかな、小鬼ちゃん」
「セール価格になっているもので、いい香りのするものを並べてください。その中から選びます」
「となると、これたちかなぁ?」
一つ一つカウンターに並べられ、三つのボトルが出てきた。どれも私好みにサムさんがある程度絞ってくれたようだ。
「ありがとうございます」
元の世界の癖でこのボトルを開けて香りを確かめることはできない。だから、敢えてここでグリムにお願いする。
「俺、これが好きなんダゾ」
そう言ってグリムが選んだのは右端の花の柄が入っているボトルだ。一番可愛らしいデザインで、正直私好みだ。なんで女子用のものまでこの男子校に揃っているのかちょっと分からないけど。
「ではこれを」
「セーンキュウ! 他にお望みは?」
「ないです。ありがとうございました」
お辞儀をして店を出れば、まだお日様が高いところで輝いている。これは掃除もできそうだな。早く帰って、残った部屋の掃除もしたい。
あの銀の人を意識するようになってから、元の世界でも気にしなかった髪型や匂いまでちょっといいものを買うようにしてしまった。そうでもしないと、彼に会った時に後悔する。清潔感は第一印象に関わるから、ぜひともそこくらいはかっこつけさせて欲しい。男装しているからあまり可愛らしい匂いはできないけど、今日買った花の香りのするシャンプーはグリムが思わず蕩ける香りだ。きっといい匂いに違いない。
でも銀の人は歩くだけで森の香りがする。草木に囲まれたところでしか嗅げない、落ち着いた気持ちになる香り。匂いだけで反応するようになったらいよいよ末期だな。
さて急いで帰ろうと植物園の前を通りがかった。その時出てきたのは、カリム先輩だった。何やら急いで魔法薬学室へ走っていったので、私には何のことやらわからなかった。おそらく、魔法薬学で何かやらかしたんだろう。ジャミル先輩が頬をこけさせながら、カリム先輩の名前を大声で呼ぶのを想像してしまった。