日進月歩あるのみ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「エースの馬鹿」
「ユウが俺の悲しい過去を話すからだろ」
「二人して騒ぐからだろ」
デュースの正論によって補講後の教室がまた静かになる。全く何が悲しくて追加の課題をしなくちゃいけないんだ。私はこの後、走り込みに行ってケアもするのに!
エースと言えば、もう文字を稼いだらしく、終わり―!と叫んで伸びた。羨ましいことのこの上ない。
「……まだ、先輩に振り向いてもらえてねえの?」
なんだよ。終わったからっていきなり雑談するの? でも、もうこの用紙と向き合うのは疲れた。エースに向き直って返事をする。
「そうだよ。だからなに?」
「なら、俺が手伝ってやろうか?」
またこいつはおせっかいな。いや、こいつが世話を焼く時はなにかあるに決まってる。
「何を望んでいるんだ。貴様」
「別に。何も要らねえよ」
そんな馬鹿な話があるかよ……とため息を吐けば、エースがなにやら言いたげな顔でこっちを見ている。何こっち見てるの、穴空くじゃん。
「ユウが頑張るなら、俺は別に手伝ってやらなくはねえって言うか」
後頭部を掻きながら話すエースはちっともいつものエースらしくない。なんだこのしおらしい乙女みたいなやつは。可愛いに尽きる。
「……エースって本当、素直じゃないよね。しっかりお手伝いしてくださいよ?」
「よし。なら、俺たちがお前とシルバー先輩を近くで応援しててもいいよな」
「は?」
こいつこの清々しい笑顔を浮かべるということは、まさかそれを狙っていたのか! わざわざ私とシルバー先輩の間を見に来るだけのために! 抜け目なさすぎるぞ!
「ほら、俺が探し物の魔法を使ってシルバー先輩見つけてやるから。近くで応援させろよな」
この意地悪な笑顔、私が魔法を使えないと知ってて企んでいた顔だ! このムシュー・確信犯!
そんな悔しい思いもよそにデュースとグリムが、エースの指示で机に広げられた学園の地図上のどこかにいるであろうシルバー先輩を緑のピンに魔力を込めて探している。まったく、なんでこんな羽目になるんだ。
でも、今日の目標はシルバー先輩に話しかけることだ。その目標達成のためならこれも試練として絶対に避けられない。そう言い聞かせよう。
お! とグリムが反応すると、地図上で緑のピンが中庭でずっと留まっている。これがシルバー先輩だとエースは私を引っ張ってみせた。
「きっとこれ寝ているよね」
「起きるまで待ってみたらどうだ?」
デュースのごもっともな意見に私はぐうの音も出ない。そうなればと立ち上がったマブたちにつられて立たされる。エースはいっそ清々しいヴィランの笑顔で親指を立てた。
「俺たちで見ててやるから、行ってこい!」
「ユウが俺の悲しい過去を話すからだろ」
「二人して騒ぐからだろ」
デュースの正論によって補講後の教室がまた静かになる。全く何が悲しくて追加の課題をしなくちゃいけないんだ。私はこの後、走り込みに行ってケアもするのに!
エースと言えば、もう文字を稼いだらしく、終わり―!と叫んで伸びた。羨ましいことのこの上ない。
「……まだ、先輩に振り向いてもらえてねえの?」
なんだよ。終わったからっていきなり雑談するの? でも、もうこの用紙と向き合うのは疲れた。エースに向き直って返事をする。
「そうだよ。だからなに?」
「なら、俺が手伝ってやろうか?」
またこいつはおせっかいな。いや、こいつが世話を焼く時はなにかあるに決まってる。
「何を望んでいるんだ。貴様」
「別に。何も要らねえよ」
そんな馬鹿な話があるかよ……とため息を吐けば、エースがなにやら言いたげな顔でこっちを見ている。何こっち見てるの、穴空くじゃん。
「ユウが頑張るなら、俺は別に手伝ってやらなくはねえって言うか」
後頭部を掻きながら話すエースはちっともいつものエースらしくない。なんだこのしおらしい乙女みたいなやつは。可愛いに尽きる。
「……エースって本当、素直じゃないよね。しっかりお手伝いしてくださいよ?」
「よし。なら、俺たちがお前とシルバー先輩を近くで応援しててもいいよな」
「は?」
こいつこの清々しい笑顔を浮かべるということは、まさかそれを狙っていたのか! わざわざ私とシルバー先輩の間を見に来るだけのために! 抜け目なさすぎるぞ!
「ほら、俺が探し物の魔法を使ってシルバー先輩見つけてやるから。近くで応援させろよな」
この意地悪な笑顔、私が魔法を使えないと知ってて企んでいた顔だ! このムシュー・確信犯!
そんな悔しい思いもよそにデュースとグリムが、エースの指示で机に広げられた学園の地図上のどこかにいるであろうシルバー先輩を緑のピンに魔力を込めて探している。まったく、なんでこんな羽目になるんだ。
でも、今日の目標はシルバー先輩に話しかけることだ。その目標達成のためならこれも試練として絶対に避けられない。そう言い聞かせよう。
お! とグリムが反応すると、地図上で緑のピンが中庭でずっと留まっている。これがシルバー先輩だとエースは私を引っ張ってみせた。
「きっとこれ寝ているよね」
「起きるまで待ってみたらどうだ?」
デュースのごもっともな意見に私はぐうの音も出ない。そうなればと立ち上がったマブたちにつられて立たされる。エースはいっそ清々しいヴィランの笑顔で親指を立てた。
「俺たちで見ててやるから、行ってこい!」