結局二人でいれば問題ないのでは?
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エースが明らかにおかしいと思ったのは、登校の待ち合わせ場所である鏡舎で自分たちを待ってくれているはずの一人がこの場にいないことだった。なにしろ、散々自分たちを大親友だと言い張ってきた彼女のことだ。そうそうすぐに愛想をつかすはずがない。
そう思ってエースは、グリムにユウの不在の理由を尋ねた。グリムは腰(と思われる部位)に手を当てて、半目になっている。
「ユウは違う奴と登校なんだゾ」
「はー? 散々マブだとか何とか言っておいて浮気者じゃねー?」
文句を言ったエースに、隣にいたデュースがこら、と窘めた。
「エースそう言うな。ユウだって他の付き合いが……」
あるんだぞ、とデュースが半ば呟いたその言葉は、目の前の登校風景に奪われた。会話の種であったユウは、思い人だと自分で話していたシルバーと共にメインストリートを歩いている。それもかなり楽しそうだ。
その場に漂っているはずもない恋人独特の甘い雰囲気がハートの形となって飛び交っているのが見えて、エースは自分の目をこすった。デュースは自分の頭を思わず殴り、意識が正常か確認した。ハートは飛んでいないが、明らかにいい雰囲気である。
エースは遠ざかってく二人を見て、思わず叫んだ。
「は!? どういうことだよ!」
二人が急いでグリムに詰めよれば、シアンの瞳が現実を吞み込めないエースとデュースを冷静に映した。
「まさかお前ら知らなかったのか? あいつらとっくに付き合ってるゾ」
「ふざけんじゃねーよ! 茨の谷楽しかったからマスコットあげるって普通に渡してきたから、旅行楽しんできたのかと思ってたんだけど!」
グリムの胸ぐらを掴んで揺さぶりをかけるエースとは対照的に、デュースは放心状態で膝をついた。
「ユウは、もうシルバー先輩の彼女……なのか?」
「さっきからそう言ってるんだゾ」
デュースの頭からはもくもくと煙が上がっており、エースはそれを指して、あいつのバッテリーが上がった! と騒いだ。こうしてはいられない、とエースがぎらついた瞳で二人に言った。
「セベクを探すぞ」
「いきなりどうしたんだ?」
腕を掴まれたデュースがこめかみに汗をかくと、エースの背後にただならぬ炎が立ち上っていた。彼の瞳は真夏の太陽も顔負けするほどに、激しく燃えている。地を這うような低い声が、グリムとデュースの耳に届いた。
「あいつからユウとシルバー先輩が茨の谷でどれだけ仲良くやっていたか、聞きに行くんだよ。いいからお前も来いって」
「なんで俺まで連れていかれるんだ!?」
デュースは自分一人だけが道連れにされることを不満に思い、逃げようとしたグリムの尻尾を掴んだ。
「いてて! 俺様を引っ張るな!」
そう思ってエースは、グリムにユウの不在の理由を尋ねた。グリムは腰(と思われる部位)に手を当てて、半目になっている。
「ユウは違う奴と登校なんだゾ」
「はー? 散々マブだとか何とか言っておいて浮気者じゃねー?」
文句を言ったエースに、隣にいたデュースがこら、と窘めた。
「エースそう言うな。ユウだって他の付き合いが……」
あるんだぞ、とデュースが半ば呟いたその言葉は、目の前の登校風景に奪われた。会話の種であったユウは、思い人だと自分で話していたシルバーと共にメインストリートを歩いている。それもかなり楽しそうだ。
その場に漂っているはずもない恋人独特の甘い雰囲気がハートの形となって飛び交っているのが見えて、エースは自分の目をこすった。デュースは自分の頭を思わず殴り、意識が正常か確認した。ハートは飛んでいないが、明らかにいい雰囲気である。
エースは遠ざかってく二人を見て、思わず叫んだ。
「は!? どういうことだよ!」
二人が急いでグリムに詰めよれば、シアンの瞳が現実を吞み込めないエースとデュースを冷静に映した。
「まさかお前ら知らなかったのか? あいつらとっくに付き合ってるゾ」
「ふざけんじゃねーよ! 茨の谷楽しかったからマスコットあげるって普通に渡してきたから、旅行楽しんできたのかと思ってたんだけど!」
グリムの胸ぐらを掴んで揺さぶりをかけるエースとは対照的に、デュースは放心状態で膝をついた。
「ユウは、もうシルバー先輩の彼女……なのか?」
「さっきからそう言ってるんだゾ」
デュースの頭からはもくもくと煙が上がっており、エースはそれを指して、あいつのバッテリーが上がった! と騒いだ。こうしてはいられない、とエースがぎらついた瞳で二人に言った。
「セベクを探すぞ」
「いきなりどうしたんだ?」
腕を掴まれたデュースがこめかみに汗をかくと、エースの背後にただならぬ炎が立ち上っていた。彼の瞳は真夏の太陽も顔負けするほどに、激しく燃えている。地を這うような低い声が、グリムとデュースの耳に届いた。
「あいつからユウとシルバー先輩が茨の谷でどれだけ仲良くやっていたか、聞きに行くんだよ。いいからお前も来いって」
「なんで俺まで連れていかれるんだ!?」
デュースは自分一人だけが道連れにされることを不満に思い、逃げようとしたグリムの尻尾を掴んだ。
「いてて! 俺様を引っ張るな!」