結局二人でいれば問題ないのでは?
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翌週ゴーストとグリムは達成感に溢れた表情で、ユウを談話室に招いた。いや、寝ていたところを起こされたというのが正しいのだが、あまりに楽しそうな様子に彼女は怒る気になれなかった。しかし、談話室に立っているその人の姿を認めた瞬間、眠ったままでいればよかったと後悔した。
ゴーストとグリムが彼を指し、満面の笑みでユウの肩を抱く。
「シルバーくんに来てもらったよ!」
「なんで!?」
思わず叫んでしまったユウに、シルバーは首を傾げた。俺に話があるのではないのか? と尋ねられ、ますますユウの頭痛が激しくなる。そうではあるのだが、今わがままを言えるはずがない。
沈黙したままの彼女に、シルバーはどう話しかければいいのか分からず戸惑うと、グリムがのそのそと前へ出てきた。
「ユウはお前に言いたいことがあるのに、お前が迷惑がるかもって遠慮してるんだゾ」
今まさに思っていたことをグリムに言われ、ユウは思わず足元の相棒を叱りつけた。
「グリム! 言わなくていい!」
ユウ、と責めるように名前を呼ばれ、ユウは身を固くした。顔を上げた先にいるシルバーは、ユウの傍に一歩ずつ歩み寄る。同じようにユウも一歩、また一歩と下がった。背中に壁が当たりもうこれ以上下がれないと知ったユウの顔の傍に、腕が二本立てられる。シルバーの真っ直ぐな眼差しを受けた彼女の体は、動けなくなっていた。
「その優しさは美徳だが、今はわがままになっていい。それとも、俺はお前の頼みも聞けないような頼りない男だろうか」
「そんなわけないじゃないですか! ただ……負担になってほしくなくて」
苦しそうに顔を歪めるユウに、シルバーまで息がつまるような思いがした。負担をかけないようにするのは彼女なりの気遣いでもあると知っているが、シルバーは何より彼女が笑顔になることが最優先だった。でなければ、深夜のグリムたちの訪問をこうも気安く許したりしない。
「俺はできるだけ応えるつもりだ。……ユウ、お前はどうしたい?」
近づいてきたシルバーに甘い言葉を囁かれ、ユウの理性は我慢の限界を迎えた。追いつめられた理性をかなぐり捨てて、ユウはぎゅっと目を閉じ、叫んだ。
「……先輩を一日独占できる日がほしいです!」
あまりの声量にゴーストたちやグリムがひっくり返っていた。もっとも、至近距離でその声を聴いたシルバーの耳にはしばらく耳鳴りがした。耳まで真っ赤になったユウは、視線を下で泳がせながら指先をもじもじと合わせる。
「でも、さすがにそれはおこがましいので、か、可能なことをお互いで決めていきませんか? いきなりわがままと言われても、その……どこまで言っていいのか分からなくて」
ユウの黒曜石の垂れ目が上目遣いになってシルバーに注がれる。そんな彼女の瞳に抗えるはずもなく、シルバーは耳鳴りが収まらないことなど忘れて頷いた。
ゴーストとグリムが彼を指し、満面の笑みでユウの肩を抱く。
「シルバーくんに来てもらったよ!」
「なんで!?」
思わず叫んでしまったユウに、シルバーは首を傾げた。俺に話があるのではないのか? と尋ねられ、ますますユウの頭痛が激しくなる。そうではあるのだが、今わがままを言えるはずがない。
沈黙したままの彼女に、シルバーはどう話しかければいいのか分からず戸惑うと、グリムがのそのそと前へ出てきた。
「ユウはお前に言いたいことがあるのに、お前が迷惑がるかもって遠慮してるんだゾ」
今まさに思っていたことをグリムに言われ、ユウは思わず足元の相棒を叱りつけた。
「グリム! 言わなくていい!」
ユウ、と責めるように名前を呼ばれ、ユウは身を固くした。顔を上げた先にいるシルバーは、ユウの傍に一歩ずつ歩み寄る。同じようにユウも一歩、また一歩と下がった。背中に壁が当たりもうこれ以上下がれないと知ったユウの顔の傍に、腕が二本立てられる。シルバーの真っ直ぐな眼差しを受けた彼女の体は、動けなくなっていた。
「その優しさは美徳だが、今はわがままになっていい。それとも、俺はお前の頼みも聞けないような頼りない男だろうか」
「そんなわけないじゃないですか! ただ……負担になってほしくなくて」
苦しそうに顔を歪めるユウに、シルバーまで息がつまるような思いがした。負担をかけないようにするのは彼女なりの気遣いでもあると知っているが、シルバーは何より彼女が笑顔になることが最優先だった。でなければ、深夜のグリムたちの訪問をこうも気安く許したりしない。
「俺はできるだけ応えるつもりだ。……ユウ、お前はどうしたい?」
近づいてきたシルバーに甘い言葉を囁かれ、ユウの理性は我慢の限界を迎えた。追いつめられた理性をかなぐり捨てて、ユウはぎゅっと目を閉じ、叫んだ。
「……先輩を一日独占できる日がほしいです!」
あまりの声量にゴーストたちやグリムがひっくり返っていた。もっとも、至近距離でその声を聴いたシルバーの耳にはしばらく耳鳴りがした。耳まで真っ赤になったユウは、視線を下で泳がせながら指先をもじもじと合わせる。
「でも、さすがにそれはおこがましいので、か、可能なことをお互いで決めていきませんか? いきなりわがままと言われても、その……どこまで言っていいのか分からなくて」
ユウの黒曜石の垂れ目が上目遣いになってシルバーに注がれる。そんな彼女の瞳に抗えるはずもなく、シルバーは耳鳴りが収まらないことなど忘れて頷いた。