その頃一方、ディアソムニア寮では腹を抱えて大笑いする副寮長が大急ぎで主人であるマレウス・ドラコニアの元へはせ参じていた。
「マレウス！　シルバーがユウと祝言を挙げるそうじゃ！　支度をせんと！」
　大興奮のリリアは花嫁の衣装はあれもいいし、花婿はもちろんあのタキシードでと周囲に花を散らしまわっている。笑みを滲ませずにいられないマレウスは、くつくつと喉の奥で笑った。
「ようやく僕にも招待状が届いたか。遅かったぞ。ユウよ」
　マレウスの手元のティーカップの水面には、恥じらいつつも周囲に囲まれながら手を繋いで学園に帰るユウとシルバーがいた。