目覚め
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シルバーは今朝飛び立ってしまったきり戻らない父を思い、夕焼けを見ていた。鏡舎に辿り着き、ディアソムニア寮につながる鏡をくぐる。何やら慌ただしく寮生たちが走り回っているが、まさか緊急事態でも起きたのだろうか。シルバーが駆けだすと、談話室にはリリアとマレウスが立っていた。
「それでは、わしはこの寮から去る」
リリアの毅然とした言い方に、シルバーの肝が思わず冷える。気が付いた時には小さな肩を掴んでしまっていた。
「お待ちください! 親父殿!」
「うん? シルバー。お主にもまだ挨拶をしておらなんだな」
「親父殿。護衛も未熟な俺たちに呆れてしまわれたんですか?」
必死に縋りつくシルバーにリリアは目を丸くする。彼の後ろではマレウスが口元に手を当てている。
「シルバー。何やら勘違いをしておるようじゃが、わしは一時的にこの寮から離れるだけじゃ。別に今生の別れではない」
恐れていたことが起きたわけではないと知り、シルバーは安堵で倒れ込んだ。リリアが咄嗟に支えるが、安らかな寝息を立てている。
「苦労を掛けるが、少しの辛抱じゃ。……セベク」
前に出てきたセベクに、リリアは眠っている愛しい我が子を託した。「こやつを部屋まで運んでくれ。わしは、しばらく留守にするがマレウスのことは頼んだぞ」「はい! リリア様もお元気で!」うむ、と頷いたリリアは、そのままディアソムニア寮を後にした。
「それでは、わしはこの寮から去る」
リリアの毅然とした言い方に、シルバーの肝が思わず冷える。気が付いた時には小さな肩を掴んでしまっていた。
「お待ちください! 親父殿!」
「うん? シルバー。お主にもまだ挨拶をしておらなんだな」
「親父殿。護衛も未熟な俺たちに呆れてしまわれたんですか?」
必死に縋りつくシルバーにリリアは目を丸くする。彼の後ろではマレウスが口元に手を当てている。
「シルバー。何やら勘違いをしておるようじゃが、わしは一時的にこの寮から離れるだけじゃ。別に今生の別れではない」
恐れていたことが起きたわけではないと知り、シルバーは安堵で倒れ込んだ。リリアが咄嗟に支えるが、安らかな寝息を立てている。
「苦労を掛けるが、少しの辛抱じゃ。……セベク」
前に出てきたセベクに、リリアは眠っている愛しい我が子を託した。「こやつを部屋まで運んでくれ。わしは、しばらく留守にするがマレウスのことは頼んだぞ」「はい! リリア様もお元気で!」うむ、と頷いたリリアは、そのままディアソムニア寮を後にした。