後編
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これまでマレウスの護衛のために街に下りることなどないとシルバーは思っていた。まさかデートに行くなんて理由で許可を取りに行くと聞いたなら、あの頃の彼は眠って流しただろう。
普段なら眠ってしまうことが多い彼も、ユウとのデートと思えば今までとは比にならない胸の苦しみで目が冴えた。そのせいで寝坊をするとは思わず、シルバーは部屋を散らかしていた。ちなみに彼が目覚めて五分経った頃には、もう彼女との待ち合わせの時間を十分過ぎている。実践魔法で昨日悩みながら選んだ服を着て、門に向かって駆けだした。
急いで許可証を見せて門をくぐったそこで、学園では絶対に見かけないスカートが揺れる。体にぴったり張り付いて彼女の体のラインを教えてくれる白のシャツが眩しい。ユウの耳元で揺れる宝石がキラキラと日光を弾いて、シルバーは瞬きせずにはいられなかった。
彼を見つけた蜂蜜の瞳が大きく開かれる。シルバーは彼女の傍に駆け寄った。
「せ、先輩……」
「すまない。待たせてしまった」
「いえ、それは大丈夫なんですが」
彼女の視線がシルバーの全身を這う。「どこかおかしいか?」尋ねるシルバーに、ユウは困ったように笑った。
「し、式典服で来るとは思ってなかったので、驚きました」
「まさか、この服装はデートに向いていないのか?」
驚いて一歩後ずさったシルバーに、ユウは「残念ながら」と頷いた。まさか出ばなで失態を犯すなど、マレウスの護衛としてあるまじきことだ。シルバーは着替えてこようとも思ったが、ここは学園の外だ。もう一度入ったら出られなくなる。「先輩、制服に変わることってできますか?」「ああ、可能だ」シルバーが実践魔法で制服に着替えると、ユウはその手を取った。
「先輩のジャケットとシャツ、買いに行きましょう!」
太陽も顔負けの明るい笑顔に、シルバーは何度刺されたかもわからない心臓に再び矢が突き立てられる。もはや刺されすぎて、彼は痛みよりも心地よさを覚えてきた。
「頼む」
シルバーは、知らず彼女に向けて微笑んでいた。
普段なら眠ってしまうことが多い彼も、ユウとのデートと思えば今までとは比にならない胸の苦しみで目が冴えた。そのせいで寝坊をするとは思わず、シルバーは部屋を散らかしていた。ちなみに彼が目覚めて五分経った頃には、もう彼女との待ち合わせの時間を十分過ぎている。実践魔法で昨日悩みながら選んだ服を着て、門に向かって駆けだした。
急いで許可証を見せて門をくぐったそこで、学園では絶対に見かけないスカートが揺れる。体にぴったり張り付いて彼女の体のラインを教えてくれる白のシャツが眩しい。ユウの耳元で揺れる宝石がキラキラと日光を弾いて、シルバーは瞬きせずにはいられなかった。
彼を見つけた蜂蜜の瞳が大きく開かれる。シルバーは彼女の傍に駆け寄った。
「せ、先輩……」
「すまない。待たせてしまった」
「いえ、それは大丈夫なんですが」
彼女の視線がシルバーの全身を這う。「どこかおかしいか?」尋ねるシルバーに、ユウは困ったように笑った。
「し、式典服で来るとは思ってなかったので、驚きました」
「まさか、この服装はデートに向いていないのか?」
驚いて一歩後ずさったシルバーに、ユウは「残念ながら」と頷いた。まさか出ばなで失態を犯すなど、マレウスの護衛としてあるまじきことだ。シルバーは着替えてこようとも思ったが、ここは学園の外だ。もう一度入ったら出られなくなる。「先輩、制服に変わることってできますか?」「ああ、可能だ」シルバーが実践魔法で制服に着替えると、ユウはその手を取った。
「先輩のジャケットとシャツ、買いに行きましょう!」
太陽も顔負けの明るい笑顔に、シルバーは何度刺されたかもわからない心臓に再び矢が突き立てられる。もはや刺されすぎて、彼は痛みよりも心地よさを覚えてきた。
「頼む」
シルバーは、知らず彼女に向けて微笑んでいた。