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麻帆良祭への道・2

その後も作業はたびたび脱線したりするがなんとか進んでいく

しかし深夜三時を過ぎると流石にウトウトとする人も出てしまう


「メニュー出来たよ~」

そんな中メニューがようやく完成する

それは店内の壁に掛ける大きなタイプと、各テーブルに置くサイズのタイプと二種類作製していた

どちらも料理の写真付きでメニューが書かれており、若干ファミレスのメニューに似てるのは気のせいではないだろう

加えて店内のインテリアも八割は完成しており、後は店内におく樽などの小道具が残ってるくらいだ


「皆さん、あと少し頑張って下さい」

眠いとはいえ仮設店舗から夜中に寮に帰るのは少々遠かった

バスも電車も始発まではまだ二時間以上あり、あやかは始発でみんなを一旦帰そうと考えてるらしい


「マスター、お腹空いた~」

内装やメニューの作業が一段落すると何人かの少女が横島に空腹を訴え始める

実は日付が変わった頃からお腹が空いていた者は居たのだが、深夜に食べると太るからとみんな我慢していたようだ

しかし流石にそろそろ我慢の限界を迎えたようであった


「そういやあお腹が空いたな~ なんか簡単なもんでも作るか……」

一人が騒ぐと次々にお腹が空いたと騒ぐ少女達に急かされるように、横島は厨房で夜食の調理に取り掛かる

超や木乃香達がまだ忙しいのでまき絵・亜子・裕奈・あきらの運動部四人組と一緒に夜食を作り始めるが、彼女達はこの時間でも元気が有り余っていた


「お父さんちゃんとご飯食べてるかな……」

「大丈夫だろ。 大学の教授なんて立派な仕事なんだしさ」

「普段のお父さんだらしないんだよねー またレトルトとかインスタント食品ばっかりかも……」

調理をしながら彼女達と話をするが、裕奈は先程見回りで来ていた父親が気になるらしくぶつぶつと愚痴るように心配している


「優しいんだな」

「違う違う、裕奈はファザコンなの」

父親の食生活を心配する裕奈に横島は思わず感心してしまうが、まき絵が即座に否定してファザコンであることをバラしてしまう


「もう~、そんなんじゃないってば」

「でもお父さんに恋人ができるのは嫌なんでしょ?」

「それは…… なんか悔しいじゃん!」

一応ファザコンを否定する裕奈だったが、父親が女性と付き合うのはやはり嫌なようだ


「なるほどな。 でも大学教授にしては若いしモテるんじゃねえか? 女子大生に囲まれてウハウハだったりして……」

「むっ、お父さんはそんなことないもん!」

若干羨ましそうに大学教授のウハウハ生活を想像して語る横島に、裕奈はムキになって否定する

実際は魔法協会の仕事も忙しくウハウハどころではないのだが、裕奈は知らないため少し不安になったらしい


「ええな~ 俺も女子大の教授になりたいわ……」

「マスターお人よしだから、また騙されちゃうから無理だよ~」

あるはずもない大学教授のウハウハ生活に憧れるような発言をする横島だが、まき絵達は騙されやすいから横島には無理だと笑ってしまう

その後ちょっと拗ねちゃった横島を亜子とあきらが宥めるのだが、結局横島も彼女達も深夜にも関わらず楽しそうだった



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