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麻帆良祭への道

実際彼女達のような魔法関係者が、恋人を作り結婚するのはかなり大変なようである

基本的に秘密事項である魔法の存在を一般人の恋人に明かすのはなかなか難しい

仮に相手が秘密を漏らしたりしたら、責任は魔法協会員である側にくるのだ

本国の法律では魔法使いが秘密を漏らしたらオコジョにされてオコジョ刑務所に容れられるほどであり、秘密を知った一般人は記憶を消される可能性が高い

まあ麻帆良は本国の支配下を離れているのでそんなふざけた法律は適用されてないが

それでも麻帆良とて秘密を漏らしていいという訳ではなく、秘密を漏らしたりしたらきちんと罰則はある

まあ麻帆良の場合はよほど悪質でなければ、一方的な記憶の改ざんなど行わない

基本的には話して理解してもらうのが基本であり、スパイや工作員以外で記憶を一方的に消された前例はなかった


少し話が逸れたが魔法使いと一般人との恋愛が難しいのは確かである

秘密を抱えて仕事も忙しいため、一般人と恋愛をして秘密を明かせるまで関係が深まるのは難しいのだ

まあ魔法関係者の多くは一般人ではなく同じ協会の魔法関係者と付き合ったり結婚することが一番多いが、刀子のように魔法協会員との結婚を望まぬ者もまた多かった

特に関東魔法協会の人間は二十年前にメガロメセンブリアの勢力を追い出して以来、魔法使いと言うより日本人との自覚がある者が多く、メガロメセンブリアのように魔法使いは特別な存在だと考える者はほとんどいない

中には世の中の為に立派な魔法使いになって働きたいと考える者も結構居るが、それでも彼らは日本人であり地球の人間だとの意識だけは持っていた

まあこの辺りは近右衛門の長年の教育の成果なのだろうが、本国の教育や常識は麻帆良では通用してない

結果として一般人との恋愛や結婚を望む者が年々増えているが、中でも密かに人気があったのは裏の事情を知る一般人である

魔法協会には属さないが先祖代々魔法を伝えて来た者や、魔法関係者と関わりがあるが魔法を使わない者など人気が高い

なんと言っても秘密を抱えなくて済むことが一番大きく、仮に結婚しても互いに負い目や負担なく生涯一緒に秘密を抱えて生きれることができる点も大きい

同じ協会員は嫌だけど一般人との結婚も難しいとなると、自然に中間的な者達に注目が集まるのは確かだった


「気をつけないと他にも誰か狙ってるんじゃないの? 学園長も孫を裏に関わらせたくないんでしょ? 案外お嬢様の婚約者候補だったりして」

「さすがにそれはないと思うわよ。 裏とはいえ近衛家よ。 まあ学園長も西の長もお嬢様を裏に関わらせたくないのはあるみたいだけど……」

冗談混じりに横島が木乃香の婚約者候補ではと言い出すシャークティに刀子は笑って否定するが、内心では全く有り得なくはないと思ってしまう


(でも狙ってるって言うなら親しい若い子が結構居るのよね)

別に横島を狙ってる訳ではないと自分に言い訳をしつつ考え込む刀子だが、案外横島を狙ってそうな若い女の子が居ることは知っている

関係ないとは思いつつもなぜか指折り年齢の違いを数えてため息をはいていた
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