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GS試験再び!?

「才能は感じてましたが、心眼を授けた途端にそれほどの力を発揮するのは珍しいです。 理由は分かりませんが、横島さんがやる気を出してなければ不可能ですし……」

小竜姫の言葉に令子と唐巣は信じられない思いで首を傾げていた

才能もそうだが、あの横島が何故やる気を出したのか理解出来ない


「横島さんって凄かったんですね~」

一方おキヌは、この場に居ない横島が凄かったことに何故か嬉しそうだった


結局横島の事はそれ以上話される事はないまま、話し合いは終わる

令子は気にしているが、小竜姫はある程度才能を感じていたゆえに自分の予想を超える才能に喜びを感じていただけなのだから



その頃横島はアパートの部屋で静かに瞑想していた

突然落ちた霊力に加え不老不死になったばかりの身体は、横島の予想以上に動かなかったのだ

肉体が真の不老不死の術で霊体化した横島は、霊力コントロールが全ての基礎なのである

力もスピードも動きも、全て霊力で動かしコントロールするしかない

令子は精密な霊力コントロールに驚いていたが、不老不死化した横島には自然に出来る事だったのだ


「明日は雪之丞を味方に引き入れたいな。 メドーサの計画の暴露と引き換えにすれば、小竜姫様と神父なら雪之丞の罪は消せるだろうし……」

瞑想しながらも横島は過去の記憶を掘り起こして、明日の対策を考えていた

その過程で気になっているのは雪之丞の事である

未来で最も頼りにしていた友人の一人なだけに、魔族と取引した裏切り者という経歴を作りたくなかった

歴史を変える危険性はよくわからないし変えれるのかもわからないが、雪之丞一人の人生が多少変わっても大きな歴史に意味などないと横島は考えている

そう考えると雪之丞の経歴が多少変えるくらいなら、なんとか出来る気がしていた


「本当はタマモが居てくれればよかったんだがな」

いざという時、未来で細かな作戦を考えるのはタマモがしていた事である

横島や魔鈴が悩んだり何かしようとした時、それとなくアドバイスや修正したりしてくれていた

魔鈴が表だって横島を支えていたとすれば、タマモは影である

悩む時に最後の一押しをくれるタマモの存在の大きさを横島は改めて感じてしまう


「問題はそれだけではない。 美神殿との今後も問題だ」

横島は雪之丞の事を悩んでいるが、心眼は令子との今後を考えていた

横島と令子の関係は令子が強く主導権を握るが、影で横島が支えるという微妙なバランスの上に成り立っていたのである

令子は精神的には横島に頼りつつ、己一人で戦う強さを持っていた

そのバランスは横島の逆行により有り得ないし、今後の関係が難しい


「美神さんの事はいいよ。 この試験が終わったら事務所は辞めるつもりだし……」

心眼の心配をよそに、横島は美神事務所を辞める事をすでに決断している

ここの令子と未来の令子は別人だと理解しているが、それでも共にアシュタロス戦を戦うという選択は出来なかった

魔鈴のみならずこの世界のタマモやシロも守らなければならないと考える横島にとって、再び令子との日々は考えられないようである

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