その二
「眺めいいな。」
「ほんとですわね。」
最悪な物件を後にした横島達は現実的な元霊障物件を見せてもらうが、意外なことに何処も立派な部屋ばかりになる。
特に横島が惹かれたのはマンションの二十八階の部屋で東京タワーがよく見える部屋だった。
「どうです? ここなんかなら二年は駐車場代と共益費だけで構いませんよ。」
「有りがたいんですけど、なんか悪い気も。 もう少し普通の部屋なんかは……。」
「いや安い部屋だと少々の霊障物件でも借り手が居るんですよ。 実は。 学生さんとか若い方とかだと除霊したと言えば構わないという方が結構居まして。 私共とすれば寧ろこのクラスの物件を借りていただけたら助かるんですが。」
しかし家賃はまともに払えば月百万を越えるような物件から安くて数十万の物件は流石に横島もタダ同然で借りるのは気が引けるものの、不動産屋とすれば寧ろ高い物件を勧めたいという妙な展開になっていた。
横島は月十万を切るようなワンルームなんかを想定していたが霊障物件と言っても過去に問題があっただけであり、先程の物件のようにこの先に特に不安がある訳ではないので安い部屋だと借り手がそれなりに居るらしい。
ただ問題なのは高級マンションなんかで相対的に裕福な人間が入るマンションにおいてわざわざ霊障物件を選ぶ人は少なく、またいつまでも空き家にしておけば過去の噂が消えぬまま時間だけが過ぎるので同じマンションの他の部屋の不動産価値にも影響を及ぼすこともあり出来れば高い物件を借りて欲しいようである。
「狭いよりはいいのでは? それに将来的に自分の道具などを用意すれば一部屋は専用にした方がいいですから。 ただGSは不規則な仕事ですから周りの方が理解して頂けるか気になりますが。」
「その点は大丈夫ですよ。 周りの方もGSの方が入れば安心ですし。 正直早く忘れたいですから。」
一方のかおりは不動産屋の事情をある程度は知ってるようで狭いよりは広い方がいいと考えていた。
今のところ予定はないが将来的に独立する場合でも事務所を構えることをしないでフリーのGSとして活躍するという道もあるのだ。
横島の場合は令子やエミに唐巣と一流の知り合いに居るし、かおりも世話になってる六道家も横島とかおりの実力ならば仕事を回してくれる可能性が高い。
それにGSの中には事務所をあえて構えずに自宅を事務所にして看板だけ出すGSもかなり多く、特に地方なんかだと宗教絡みも多くそんなGSの方が多かったりする。
「そうっすか?」
「ええ。 私はここなんかいいと思いますわ。」
横島達が見てるのは4LDKの高級マンションでリビングもビックリするほど広い。
過去に何があったのかは聞いてないが除霊と清掃中済みなので横島やかおりですら痕跡を見付けられない物件だった。
「じゃあ、ここにしますか」
「ありがとうございます。 では戻って具体的な契約を。」
正直なところ横島は一人ならば不安になるほどの高級マンションだったが、かおりがいいならと少し考えた末に二十八階の高級マンションを二年間駐車場と共益費だけで借りることになる。
まあその駐車場と共益費だけでも横島の今の部屋の数倍あるのだが。
「ほんとですわね。」
最悪な物件を後にした横島達は現実的な元霊障物件を見せてもらうが、意外なことに何処も立派な部屋ばかりになる。
特に横島が惹かれたのはマンションの二十八階の部屋で東京タワーがよく見える部屋だった。
「どうです? ここなんかなら二年は駐車場代と共益費だけで構いませんよ。」
「有りがたいんですけど、なんか悪い気も。 もう少し普通の部屋なんかは……。」
「いや安い部屋だと少々の霊障物件でも借り手が居るんですよ。 実は。 学生さんとか若い方とかだと除霊したと言えば構わないという方が結構居まして。 私共とすれば寧ろこのクラスの物件を借りていただけたら助かるんですが。」
しかし家賃はまともに払えば月百万を越えるような物件から安くて数十万の物件は流石に横島もタダ同然で借りるのは気が引けるものの、不動産屋とすれば寧ろ高い物件を勧めたいという妙な展開になっていた。
横島は月十万を切るようなワンルームなんかを想定していたが霊障物件と言っても過去に問題があっただけであり、先程の物件のようにこの先に特に不安がある訳ではないので安い部屋だと借り手がそれなりに居るらしい。
ただ問題なのは高級マンションなんかで相対的に裕福な人間が入るマンションにおいてわざわざ霊障物件を選ぶ人は少なく、またいつまでも空き家にしておけば過去の噂が消えぬまま時間だけが過ぎるので同じマンションの他の部屋の不動産価値にも影響を及ぼすこともあり出来れば高い物件を借りて欲しいようである。
「狭いよりはいいのでは? それに将来的に自分の道具などを用意すれば一部屋は専用にした方がいいですから。 ただGSは不規則な仕事ですから周りの方が理解して頂けるか気になりますが。」
「その点は大丈夫ですよ。 周りの方もGSの方が入れば安心ですし。 正直早く忘れたいですから。」
一方のかおりは不動産屋の事情をある程度は知ってるようで狭いよりは広い方がいいと考えていた。
今のところ予定はないが将来的に独立する場合でも事務所を構えることをしないでフリーのGSとして活躍するという道もあるのだ。
横島の場合は令子やエミに唐巣と一流の知り合いに居るし、かおりも世話になってる六道家も横島とかおりの実力ならば仕事を回してくれる可能性が高い。
それにGSの中には事務所をあえて構えずに自宅を事務所にして看板だけ出すGSもかなり多く、特に地方なんかだと宗教絡みも多くそんなGSの方が多かったりする。
「そうっすか?」
「ええ。 私はここなんかいいと思いますわ。」
横島達が見てるのは4LDKの高級マンションでリビングもビックリするほど広い。
過去に何があったのかは聞いてないが除霊と清掃中済みなので横島やかおりですら痕跡を見付けられない物件だった。
「じゃあ、ここにしますか」
「ありがとうございます。 では戻って具体的な契約を。」
正直なところ横島は一人ならば不安になるほどの高級マンションだったが、かおりがいいならと少し考えた末に二十八階の高級マンションを二年間駐車場と共益費だけで借りることになる。
まあその駐車場と共益費だけでも横島の今の部屋の数倍あるのだが。