母からの伝言
「とりあえず分かったことはこれだけなのね。」
「ふむ、やはりメドーサは香港ですか。」
六道家での一件の翌日にはヒャクメが昼間に横島と小竜姫の暮らすアパートを訪れて、先日小竜姫に頼まれていた調査の結果の一部を知らせに来ていた。
その中の一つはメドーサの行方もあり小竜姫は香港を中心に調べて貰ったが、ここまでは歴史通りであったことにホッとしている。
「ねえ、小竜姫。 貴女一体何を考えているの? その……アシュタロスのこと誰にもバレないように調べろだなんて。 魔族と戦争でもするの?」
「……ヒャクメ。 私は貴女を可能な限り巻き込みたくないのですよ。」
「でも変なのね。 私もいつの間にか長期出張扱いになってるし。 まるで上層部から小竜姫の手伝いをしろと言われてるみたいで。」
ただ一方でヒャクメは幾つか小竜姫に頼まれた中でアシュタロスに関する調査も頼まれていたらしく、小竜姫の行動に不安を抱いてしまっていた。
いかに小竜姫が武神とはいえアシュタロスとの力の差は天と地ほどあり、そもそも最上級魔族であるアシュタロスにちょっかいを出せば神魔戦争を引き起こす可能性もあって逆に小竜姫が神界から処分されるだけとなるのだ。
しかも神界の調査部に所属するはずのヒャクメがいつの間にか人界への長期出張扱いになっていて、指示があるまで報告も何も不要という妙な立場に置かれていたけとも不安になってる一因である。
「教えて欲しいのね。 私を信じてくれるのなら。」
「貴女には万が一の際には横島さんのことを頼みたかったのですが。 仕方ありませんね。」
仮に小竜姫が魔族を滅ぼそうと本気で考えるような過激派ならばヒャクメもここまで言わないだろうが、小竜姫が何かで追い込まれてるようにヒャクメには見えてしまう。
結果として小竜姫は悩むもののヒャクメに真相を話すことにした。
「未来から……? そんなこと……。」
「事実ですよ。 どちらかと言えば私はこの世界の小竜姫と未来の小竜姫が同化した形になってます。 実はこの世界に来て早々舞い上がってしまい歴史を変えてしまったんです。」
ヒャクメは小竜姫が未来からの逆行者だと知り驚きを隠せないようだったが、もっと驚いたのは小竜姫がすでに歴史を迂闊に変えたことになる。
「じゃあ、責任って言うのは。」
「変えた以上責任を持って本来の歴史に近い結果にしろということでしょう。 何故罰を受けることもなく処分をされることもないのか知りませんが。」
あの堅物で融通の利かない小竜姫が人間の男性に再会して舞い上がって歴史を変えたなど信じられないようだったが、小竜姫はそのままこの先の未来のことをヒャクメに自分が知る範囲で教えていく。
ヒャクメはその結果小竜姫に下された命令の意味を知る。
「それって貴女が惚れた横島さんという人に関わるんじゃ?」
「どういう意味です?」
「貴女と心を通じ合わせたその横島さんという人が貴女を失って同じことするの? その人が本当に惚れた人の為に無茶をするなら……世界よりも美神さんって人よりも貴女を復活させるために動きかねないわ。 失った神をも復活させられるそのコスモプロセッサーが目の前にあれば。」
そしてヒャクメは小竜姫の話から客観的な事実と第三者の視点として、小竜姫が未だに上層部に処分されない訳にたどり着いてしまった。
実は神魔の最高指導者が小竜姫を処分すると横島は神族そのものに根強い不審を抱くことになり、アシュタロス戦において横島に引っ掻き回されたアシュタロスが横島と小竜姫の関係を調べたことにより小竜姫処分の真相が知らされ小竜姫の復活と引き換えに寝返ってしまう可能性が圧倒的に高くなるのだ。
寝返らない場合はそもそも横島が戦うことなくアシュタロスの計画が進むので、どちらにしろ小竜姫を処分するとアシュタロスを止められなくなる可能性が圧倒的に高まるだけだった。
もちろん絶対とは言えないが。
「ふむ、やはりメドーサは香港ですか。」
六道家での一件の翌日にはヒャクメが昼間に横島と小竜姫の暮らすアパートを訪れて、先日小竜姫に頼まれていた調査の結果の一部を知らせに来ていた。
その中の一つはメドーサの行方もあり小竜姫は香港を中心に調べて貰ったが、ここまでは歴史通りであったことにホッとしている。
「ねえ、小竜姫。 貴女一体何を考えているの? その……アシュタロスのこと誰にもバレないように調べろだなんて。 魔族と戦争でもするの?」
「……ヒャクメ。 私は貴女を可能な限り巻き込みたくないのですよ。」
「でも変なのね。 私もいつの間にか長期出張扱いになってるし。 まるで上層部から小竜姫の手伝いをしろと言われてるみたいで。」
ただ一方でヒャクメは幾つか小竜姫に頼まれた中でアシュタロスに関する調査も頼まれていたらしく、小竜姫の行動に不安を抱いてしまっていた。
いかに小竜姫が武神とはいえアシュタロスとの力の差は天と地ほどあり、そもそも最上級魔族であるアシュタロスにちょっかいを出せば神魔戦争を引き起こす可能性もあって逆に小竜姫が神界から処分されるだけとなるのだ。
しかも神界の調査部に所属するはずのヒャクメがいつの間にか人界への長期出張扱いになっていて、指示があるまで報告も何も不要という妙な立場に置かれていたけとも不安になってる一因である。
「教えて欲しいのね。 私を信じてくれるのなら。」
「貴女には万が一の際には横島さんのことを頼みたかったのですが。 仕方ありませんね。」
仮に小竜姫が魔族を滅ぼそうと本気で考えるような過激派ならばヒャクメもここまで言わないだろうが、小竜姫が何かで追い込まれてるようにヒャクメには見えてしまう。
結果として小竜姫は悩むもののヒャクメに真相を話すことにした。
「未来から……? そんなこと……。」
「事実ですよ。 どちらかと言えば私はこの世界の小竜姫と未来の小竜姫が同化した形になってます。 実はこの世界に来て早々舞い上がってしまい歴史を変えてしまったんです。」
ヒャクメは小竜姫が未来からの逆行者だと知り驚きを隠せないようだったが、もっと驚いたのは小竜姫がすでに歴史を迂闊に変えたことになる。
「じゃあ、責任って言うのは。」
「変えた以上責任を持って本来の歴史に近い結果にしろということでしょう。 何故罰を受けることもなく処分をされることもないのか知りませんが。」
あの堅物で融通の利かない小竜姫が人間の男性に再会して舞い上がって歴史を変えたなど信じられないようだったが、小竜姫はそのままこの先の未来のことをヒャクメに自分が知る範囲で教えていく。
ヒャクメはその結果小竜姫に下された命令の意味を知る。
「それって貴女が惚れた横島さんという人に関わるんじゃ?」
「どういう意味です?」
「貴女と心を通じ合わせたその横島さんという人が貴女を失って同じことするの? その人が本当に惚れた人の為に無茶をするなら……世界よりも美神さんって人よりも貴女を復活させるために動きかねないわ。 失った神をも復活させられるそのコスモプロセッサーが目の前にあれば。」
そしてヒャクメは小竜姫の話から客観的な事実と第三者の視点として、小竜姫が未だに上層部に処分されない訳にたどり着いてしまった。
実は神魔の最高指導者が小竜姫を処分すると横島は神族そのものに根強い不審を抱くことになり、アシュタロス戦において横島に引っ掻き回されたアシュタロスが横島と小竜姫の関係を調べたことにより小竜姫処分の真相が知らされ小竜姫の復活と引き換えに寝返ってしまう可能性が圧倒的に高くなるのだ。
寝返らない場合はそもそも横島が戦うことなくアシュタロスの計画が進むので、どちらにしろ小竜姫を処分するとアシュタロスを止められなくなる可能性が圧倒的に高まるだけだった。
もちろん絶対とは言えないが。