新しき絆
2月の夕暮れは早い
時間は5時をまわった頃、辺りはもう夜になり始めている
西条は仕事を手早くまとめて、令子とのデートに向かう
「先生、お先に失礼します」
西条はまだ仕事をする美智恵に一声かけた
「お疲れさま、もしかしてこれからデートかしら?」
美智恵は西条の微妙な様子の変化を見逃さない
服装などではなく、その雰囲気の違いに気付く
「ええ、令子ちゃんがバレンタインにチョコをくれたので、お礼に食事に行くんですよ」
西条は嬉しさ半分、令子を落とす野望を半分といった表情である
「令子が…?」
美智恵は仕事をする手が止まり、西条を見る
「ええ、じゃあ失礼します」
西条が去った後
美智恵は舌打ちをして、苦々しく隣の美神事務所の方を睨む
「あの馬鹿…、これが今朝の話への返答がこれなの? 私がどれだけ苦労してるか知りもしないで…」
バキッ!
美智恵が握るボールペンが折れた音が室内に響く
美智恵は自分の気持ちにも素直になれない、馬鹿娘をどうするべきか悩む…
西条では、無理なのだ
西条が横島に劣るとかの問題では無く、タイプの問題である
令子と西条では個性がぶつかってしまう
それに恋人ならいざ知らず、将来を考えたらもっとまずい
結婚まで考えたら西条は令子とは無理だ
生き方や金銭感覚
価値観まで違いすぎる…
ワガママで、意地っ張りで、寂しがり屋で、強調性が無く、素直で無い
それに…
令子は精神的に弱い
そんな令子を幸せにして、支えて行くのは西条では無理だろう
必ず生き方や金銭問題で失敗する
美智恵にはあの2人の未来が予想出来ていた
「ダメなのよ令子… 西条君はあなたの為に影になれる人じゃないの… なんでわからないの…」
美智恵は苦悩の表情を浮かべて呟く
現在の令子はストレスを抱えて、機嫌が悪い日が多い
本人がその原因に気がついて無い
横島が仕事に来ないだけで、常にストレスを抱えている令子
その横島が消えたらどうなるか…
美智恵は頭が痛くなる思いであった
そして同時刻
美神事務所では令子がオシャレをして西条を待っている
「じゃあ、おキヌちゃん。 後はよろしくね。 私は夕食いらないから」
令子は西条が来ると、おキヌに話して笑顔で出かける
一方おキヌは上の空だ
「横島さん… やっぱり来ないのかな?」
おキヌは結局、自分から行動出来ない
横島が昔みたいにチョコを貰いに来るのを、静かに待っていた
その頃タマモはシロと、ゆっくりした散歩をしている
「今日は魔鈴殿の店に行かないでござるか?」
シロは最近日課になった、魔鈴の店に行かないタマモを不思議そうに見る
「今日はダメよ。 あの2人は不器用だから、私達が行けば話が進まないもの… 美智恵も動いてるし、あの2人には確かな絆を結んでもらわないとダメなのよ」
タマモは暇そうに歩きながらシロに説明する
事務所だと人工幽霊に聞かれる為、マズい話は外でしていた
「そうでござるか…」
シロは魔鈴の店に行けなくて寂しそうである
「横島は大切な人を失うのを何より恐れてる… そして、魔鈴さんや私達がその対象なの… だから、今度は私達が横島を守るのよ」
「わかったでござる!」
タマモの力強い言葉にシロはしっかり頷いて2人は事務所に戻っていく
時間は5時をまわった頃、辺りはもう夜になり始めている
西条は仕事を手早くまとめて、令子とのデートに向かう
「先生、お先に失礼します」
西条はまだ仕事をする美智恵に一声かけた
「お疲れさま、もしかしてこれからデートかしら?」
美智恵は西条の微妙な様子の変化を見逃さない
服装などではなく、その雰囲気の違いに気付く
「ええ、令子ちゃんがバレンタインにチョコをくれたので、お礼に食事に行くんですよ」
西条は嬉しさ半分、令子を落とす野望を半分といった表情である
「令子が…?」
美智恵は仕事をする手が止まり、西条を見る
「ええ、じゃあ失礼します」
西条が去った後
美智恵は舌打ちをして、苦々しく隣の美神事務所の方を睨む
「あの馬鹿…、これが今朝の話への返答がこれなの? 私がどれだけ苦労してるか知りもしないで…」
バキッ!
美智恵が握るボールペンが折れた音が室内に響く
美智恵は自分の気持ちにも素直になれない、馬鹿娘をどうするべきか悩む…
西条では、無理なのだ
西条が横島に劣るとかの問題では無く、タイプの問題である
令子と西条では個性がぶつかってしまう
それに恋人ならいざ知らず、将来を考えたらもっとまずい
結婚まで考えたら西条は令子とは無理だ
生き方や金銭感覚
価値観まで違いすぎる…
ワガママで、意地っ張りで、寂しがり屋で、強調性が無く、素直で無い
それに…
令子は精神的に弱い
そんな令子を幸せにして、支えて行くのは西条では無理だろう
必ず生き方や金銭問題で失敗する
美智恵にはあの2人の未来が予想出来ていた
「ダメなのよ令子… 西条君はあなたの為に影になれる人じゃないの… なんでわからないの…」
美智恵は苦悩の表情を浮かべて呟く
現在の令子はストレスを抱えて、機嫌が悪い日が多い
本人がその原因に気がついて無い
横島が仕事に来ないだけで、常にストレスを抱えている令子
その横島が消えたらどうなるか…
美智恵は頭が痛くなる思いであった
そして同時刻
美神事務所では令子がオシャレをして西条を待っている
「じゃあ、おキヌちゃん。 後はよろしくね。 私は夕食いらないから」
令子は西条が来ると、おキヌに話して笑顔で出かける
一方おキヌは上の空だ
「横島さん… やっぱり来ないのかな?」
おキヌは結局、自分から行動出来ない
横島が昔みたいにチョコを貰いに来るのを、静かに待っていた
その頃タマモはシロと、ゆっくりした散歩をしている
「今日は魔鈴殿の店に行かないでござるか?」
シロは最近日課になった、魔鈴の店に行かないタマモを不思議そうに見る
「今日はダメよ。 あの2人は不器用だから、私達が行けば話が進まないもの… 美智恵も動いてるし、あの2人には確かな絆を結んでもらわないとダメなのよ」
タマモは暇そうに歩きながらシロに説明する
事務所だと人工幽霊に聞かれる為、マズい話は外でしていた
「そうでござるか…」
シロは魔鈴の店に行けなくて寂しそうである
「横島は大切な人を失うのを何より恐れてる… そして、魔鈴さんや私達がその対象なの… だから、今度は私達が横島を守るのよ」
「わかったでござる!」
タマモの力強い言葉にシロはしっかり頷いて2人は事務所に戻っていく