真の歴史へ・その二

その日、横島が目を覚ますとタマモと小竜姫はすでに起きていた


「ふぁ~」

横島はあくびをして起き上がる


「…ん もう起きるの…?」

ルシオラは眠そうに目を開く


「ああ、起きるよ。 ルシオラはまだ寝てていいぞ」

横島はベッドから出ようとする


「ヨコシマ…」

ルシオラは寂しそうに見つめて、横島に手を伸ばす


「ルシオラ? どうしたんだ?」

横島はベッドに戻り、ルシオラを抱きしめてやる


「ヨコシマの温もりが無いと寝れないの…」

ルシオラは横島に抱きつき、幸せそうに囁く


「ルシオラ…」

そんなルシオラを見てると無償に愛おしくなり、横島はルシオラの唇を奪う


「んっ…」

ルシオラは一瞬、驚いたように目を見開くが…

再び幸せそうにトロ~ンとした表情になる


横島とルシオラはお互いを求めるように激しく抱きしめ、舌が互いの愛のように深く絡み合う


結局……

横島とルシオラが起きたのは1時間後であった


朝食の前にシャワーを浴びて起きた2人を見て、事務所のメンバーは理由を悟るが誰も気にしない

横島の事務所では割と良くある光景なのだ


「さあ、食うぞ!」

横島は元気良く朝食を食べ始め


「いただきます」

ルシオラも隣に座り幸せそうに食べ始めた


「うまい! 今日はタマモか?」

横島は和食の朝食を食べながら、今日の朝食を作ったタマモを見た


「ええ、久しぶりに昔の記憶にある味付けをしてみたの…」

タマモは気づいて貰ったのが嬉しいようで、笑顔で横島を見つめる


昔の記憶

それは遥か昔の都の味である

それは今の京都の味付けに近いが、また一味違った和食であった


「本当に美味しいわ~ 私じゃなかなか真似出来ないのよね~」

ルシオラは美味しそうに食べるも、料理の上手なタマモや小竜姫がうらやましいようだ


「真似する必要無いだろ? タマモの味もルシオラの味も両方美味いぞ!」

横島は当たり前だと言った表情で、ルシオラとタマモを見る


「ウフフ… それもそうね」

「横島らしい答えよね~」

ルシオラとタマモは嬉しそうに微笑む


本当に横島らしい答えだ

ルシオラとタマモはシミジミ思う


「横島さん… 私の料理は美味しくないのですか?」

後ろから声をかけられて振り向くと、少し拗ねた様子の小竜姫が居る


「そんなことある訳無いだろ~ 小竜姫の料理も美味しいよ」

横島が笑顔で小竜姫に話すと…


「冗談ですよ。 横島さんの気持ちは良く理解してます」

小竜姫は満面の笑みで横島を見る


小竜姫は別に疑ってた訳では無い

ただ、わかっていても誉めて欲しかったのだ



そんな横島達の食事風景とは別にテレビの前では、愛子と雪之丞とおキヌと小鳩と貧が、ワイドショーを見ていた


[衝撃!! オカルトGメンの事務所が深夜の謎の大爆発!!]

そんなタイトルか書いてある中、オカルトGメンの事務所前からの中継映像が流される


ワイドショーのコメンテーターやオカルト関係者が、事件説や事故説… あるいはテロ説まで好き勝手に語って予想している

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