真の歴史へ・その二

「グッ……」

令子は唸り声をあげて、体は後ろに飛ばされる

しかし、ロープで体を固定している為、ビルの上の方に飛ばされてビルに叩きつけられた


「令子ちゃん!!」

西条はフェザー・ブレッドの威力に我を忘れたように叫ぶ


「うるさいじゃん 小賢しい人間が!」

ハーピーは西条を睨み、攻撃しようとする


西条はそれに対応するように銃を構えるが…


「うるさいな… 何してゆの?」

その時、眠そうに目をこする小さな令子が現れた


「来るな! 令子ちゃん」

西条は叫んで小さな令子の側に走るが…

ハーピーはもう攻撃する寸前である


「死ね…! 美神令……」


バン!バン!

ハーピーがフェザー・ブレッドを投げようとした瞬間、背後から撃たれた


「ウッ… 誰じゃん!?」

ハーピーは左足に銃弾を食らいながらも、後ろを振り向く


そこには、苦しそうに顔を歪めた令子が居る

ハーピーのフェザー・ブレッドが直撃した箇所は、セラミックのアーマーが露出しており、それで防いだようである
 「あんたの相手は私よ!」

令子は苦しそうにしながらもハーピーを睨み、銃を撃つ


バン!バン!バン!


「クッ… あたいのフェザー・ブレッドを防ぐとは、小癪な真似を…」

ハーピーは怪我した足では立てず、羽で飛んで令子の銃弾をかわしながら外に逃げる


「逃がすかっ!」


バン!バン!バン!

令子はハーピーに銃を撃つが、痛みで狙いが定まらない


「チッ… 一旦引いて、体制を建て直すじゃん!」

ハーピーは舌打ちをしてその場を離れて行く


「クソッ… 逃げられた」

令子はロープで固定されて追いかけれないし、西条は小さな令子を抱えて安全な場所に向かった為追えない


令子と西条対ハーピーの第1ラウンドは痛み分けに終わる



その頃横島達は…

「ダメだな… 戦力不足だし、作戦ミスだよ」

横島はため息をはき呟く


「魔族を甘く見てるわね…」

ルシオラは呆れ気味である


「ヒャクメ、ハーピーの位置はわかりますか?」

「う~ん… 西に飛んでるのねー どっか休める場所を探してるみたいなのね」

小竜姫はハーピーの行方を心配してヒャクメに聞く

傷を負ったハーピーが、人間を襲わないか心配しているのだ

「詰めが甘いわね… やっぱり美神も西条も経験不足ね」

タマモは画面の中の令子や西条を見ながら話している

西条はハーピーが去った後、令子を病院に連れて行こうとしていた


「ヨコシマ、もうあの2人じゃ無理よ?」

ルシオラは現状では令子と西条は、ハーピーに勝てないと予測する


「美神美智恵がどうでるかだな… 彼女が必ず動くさ」

美智恵は、令子が危機になれば必ず来ると横島は確信している

未来でも、彼女は本当に最後には助けに来たのだから…

横島は、あれももしかしたら計算だったかもしれないと思っている


「横島さん、ハーピーは山奥の森で傷を癒やすつもりなのねー 私も休んでいい?」

ヒャクメはさすがに疲れて来たのか、少し眠そうだ


「ああ、助かったよ。 今夜はもういいだろう。 ゆっくり休んでくれ」

横島はヒャクメにねぎらいの言葉をかけて、休ませた


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