真の歴史へ

「あれが美神美智恵の隠された力だよ」

横島は不思議そうな雪之丞達に真剣な表情で語り出した


「隠された力?」


雪之丞達は更に不思議そうに首を傾げる


「この話は他言しないで下さいね。 美神美智恵には時間移動能力があるんです。 神魔界と私達は美神美智恵の監視もしているのです」

小竜姫は雪之丞達を見て口止めして説明を始める

「先ほどの美神美智恵は過去から来た美神美智恵です。 おそらく15年くらい前でしょうか」

小竜姫の話に雪之丞達はイマイチ理解してない

それもそのはず、霊能の知識の少ない雪之丞と、最近修行を始めたおキヌと小鳩では理解出来ない


「時間移動って言うのは、言葉の通り時間を移動する能力よ。 その能力は非常に危険で、行動次第で歴史を変えてしまうの」

「過去や未来の事を自分に都合のいいように変える能力。 その危険性はわかるでしょ?」

ルシオラが小竜姫に続き時間移動の説明をして、タマモが最後に危険性を強調した


「そんな都合のいい能力あるのかよ…」

雪之丞は半信半疑で考えている


「美神さんのお母さんにそんな秘密が…」

おキヌは驚き呟く


「なるほど…、それも含めて横島達は人界で監視しとるんやな?」

貧乏神はなんとなく理解したらしい

「貧ちゃん?」

小鳩は貧乏神に不思議そうに聞く

「人間の中には時間移動能力を持つ者がたまにおるんや。 ただ人間の力では時間移動しても、たいしたこと変えれないから、神魔界はあまり関心をもって無かったはずや…」

貧乏神は自分の知ることを小鳩に説明する


「良く知ってるのねー。 だいたいはその通りなのねー。 人間の時間移動の力では世界を変えるほどの事は不可能なのね! でも…、彼女は何度も時間移動をしているのねー 1回1回は小さくても、何回も時間移動して変えれば歴史は変わってしまうのねー 美神美智恵には過去に何度か神族が時間移動をしないように注意してるはずなのねー 彼女はそれを無視してるから、要注意人物として監視してるのね」

ヒャクメが詳しく説明すると、雪之丞、おキヌ、小鳩は驚き話を聞いている


「じゃあ…美神さんのお母さんが死んだことにしてたのや、突然現れたのも…」

おキヌは不思議だったことを繋げて考えている


「無関係ではありません。 彼女は魔族過激派に狙われてますから… しかも、神族の注意も聞かずに時間移動を繰り返してますから、現在人間では一番の要注意人物です」


要注意人物

小竜姫の厳しい表情から出た、その言葉におキヌは目を見開く

まかさ美智恵が神魔に睨まれてるなど予想もしなかったのだ


横島達はさすがに全ての事実を話す訳にはいかない

雪之丞やおキヌ達を危険にさらす可能性もある為、まだ話す訳にはいかないのだ

しかし、この時点で時間移動は教える必要があった

この後、時間移動を使った事件もある為、今の時点で教える必要がある



横島達が時間移動について説明している間に、西条と令子はGメンに戻っていた


西条が着替えている間に、令子は美智恵に電話をしている


『はい、もしもし…』

『ちょっとママ! さっきのは何なのよ! この子供は誰!?』

令子は意味がわからない事態に、嫌いな子供を預けられて非常に不機嫌である

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