平和な日常~冬~
さてパーティーでの人員を悩んでいた横島だったが、この日は日替わりメニューとしてたい焼きを販売していた。
たい焼き器に関しては流石に異空間アジトから持ち込むと夕映に買ったと思われて怒られるので、例によって雪広グループからのレンタルだったが。
春に開店してから八ヶ月を越えた横島の店だったが、最近普段使わない調理機器や食器類なんかが地味に増えており夕映達には普段使わない物はあまり買わないように注意されている。
特に地下室には数回しか使ってないうなぎ焼き台などの調理機器が置いてあり、実際には買った物ではないが夕映達には買ったと説明してるため無駄な出費だと思われていた。
横島がお金に困ってないことはもちろん知っているが、それはそれこれはこれと結構厳しい。
まあ元々は横島が帳簿も付けずに丼勘定でやってたことが悪いのだが。
「いらっしゃい、今日は早いっすね」
「ああ、男子高等部は今日は午前授業だったからな」
そんなこの日だがお昼のランチのお客さんが途切れた頃になると、豪徳寺と仲間達が相変わらずの様子で店にやって来る。
時間的にまだ女子中高生の来てない時間に彼らが来るのは珍しいことだが、どうやら彼らの学校が午前授業だったらしい。
「ほ~、今日はたい焼きか」
「ええ、こしあん・つぶあん・チョコ・キャラメルの四種類ありますよ」
店内には主婦や女子大生なんかが少し居るが、普段豪徳寺達が来る時と比べると静かであり少し珍しそうにこの日はカウンター席に座った。
カウンターの中では小型の業務用たい焼き器が置かれており、豪徳寺達は甘く香ばしい匂いに思わず注文してしまう。
見た目にそぐわぬ甘党軍団の豪徳寺達だが、実は横島の店は高等部からは結構離れており彼らはわざわざ通っていたりする。
「おまちどおさま」
目の前で注文を受けてから横島の焼くたい焼きは、中身のあんの量や焼き加減を好みに合わせて変えていた。
たい焼きのしっぽの先まであんが詰まってるのが好みの人も居れば、皮とあんのバランスがいい方が好きな人もいる。
基本的に横島の料理はそんな客の好みに出来るだけ合わせるのが特徴だろう。
「焼きたては美味いな」
そのまま横島がたい焼きを焼く姿を見ながら相変わらずバトルの話で盛り上がっていたが、焼き上がるとすかさず熱々のままのたい焼きをフーフーとしながら食べ始める。
パリパリに焼けた皮とモチモチの生地に包まれた熱々のあんが絶妙な焼きたてのたい焼きは、バトルジャンキーの豪徳寺達にバトルの話を途切れさせるほど美味いらしい。
(暑苦しい連中なんだが、憎めないんだよなぁ)
カウンター席に座り美味そうにたい焼きにかぶりつく豪徳寺を見てると、横島はふと昔を思い出してしまう。
かつて貧乏だった横島に飯をたかりに来た雪之丞の姿がダブって見えたのだ。
馬鹿がつくほど戦いが好きで強くなりたいとの想いでイキイキとしてる豪徳寺達の姿は、横島にとっては暑苦し感じるが同時にほんの少しだけ羨ましくも感じる。
「マスター、お代わり!」
「あっ、俺も」
少し昔を懐かしんでいた横島だったが、ゆっくり想いに浸る間もなく豪徳寺達からは追加注文の声が聞こえた。
「まいどあり」
何故か思わず笑ってしまいそうになるのを堪えた横島は、豪徳寺達の気の済むまでたい焼きを焼き続けることになる。
たい焼き器に関しては流石に異空間アジトから持ち込むと夕映に買ったと思われて怒られるので、例によって雪広グループからのレンタルだったが。
春に開店してから八ヶ月を越えた横島の店だったが、最近普段使わない調理機器や食器類なんかが地味に増えており夕映達には普段使わない物はあまり買わないように注意されている。
特に地下室には数回しか使ってないうなぎ焼き台などの調理機器が置いてあり、実際には買った物ではないが夕映達には買ったと説明してるため無駄な出費だと思われていた。
横島がお金に困ってないことはもちろん知っているが、それはそれこれはこれと結構厳しい。
まあ元々は横島が帳簿も付けずに丼勘定でやってたことが悪いのだが。
「いらっしゃい、今日は早いっすね」
「ああ、男子高等部は今日は午前授業だったからな」
そんなこの日だがお昼のランチのお客さんが途切れた頃になると、豪徳寺と仲間達が相変わらずの様子で店にやって来る。
時間的にまだ女子中高生の来てない時間に彼らが来るのは珍しいことだが、どうやら彼らの学校が午前授業だったらしい。
「ほ~、今日はたい焼きか」
「ええ、こしあん・つぶあん・チョコ・キャラメルの四種類ありますよ」
店内には主婦や女子大生なんかが少し居るが、普段豪徳寺達が来る時と比べると静かであり少し珍しそうにこの日はカウンター席に座った。
カウンターの中では小型の業務用たい焼き器が置かれており、豪徳寺達は甘く香ばしい匂いに思わず注文してしまう。
見た目にそぐわぬ甘党軍団の豪徳寺達だが、実は横島の店は高等部からは結構離れており彼らはわざわざ通っていたりする。
「おまちどおさま」
目の前で注文を受けてから横島の焼くたい焼きは、中身のあんの量や焼き加減を好みに合わせて変えていた。
たい焼きのしっぽの先まであんが詰まってるのが好みの人も居れば、皮とあんのバランスがいい方が好きな人もいる。
基本的に横島の料理はそんな客の好みに出来るだけ合わせるのが特徴だろう。
「焼きたては美味いな」
そのまま横島がたい焼きを焼く姿を見ながら相変わらずバトルの話で盛り上がっていたが、焼き上がるとすかさず熱々のままのたい焼きをフーフーとしながら食べ始める。
パリパリに焼けた皮とモチモチの生地に包まれた熱々のあんが絶妙な焼きたてのたい焼きは、バトルジャンキーの豪徳寺達にバトルの話を途切れさせるほど美味いらしい。
(暑苦しい連中なんだが、憎めないんだよなぁ)
カウンター席に座り美味そうにたい焼きにかぶりつく豪徳寺を見てると、横島はふと昔を思い出してしまう。
かつて貧乏だった横島に飯をたかりに来た雪之丞の姿がダブって見えたのだ。
馬鹿がつくほど戦いが好きで強くなりたいとの想いでイキイキとしてる豪徳寺達の姿は、横島にとっては暑苦し感じるが同時にほんの少しだけ羨ましくも感じる。
「マスター、お代わり!」
「あっ、俺も」
少し昔を懐かしんでいた横島だったが、ゆっくり想いに浸る間もなく豪徳寺達からは追加注文の声が聞こえた。
「まいどあり」
何故か思わず笑ってしまいそうになるのを堪えた横島は、豪徳寺達の気の済むまでたい焼きを焼き続けることになる。